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前頭骨

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
骨: 前頭骨
頭蓋内での前頭骨の位置。
名称
日本語 前頭骨
英語 frontal bone
ラテン語 os frontale
関連構造
上位構造 頭蓋骨
画像
アナトモグラフィー 三次元CG
関連情報
MeSH Frontal+Bone
グレイ解剖学 書籍中の説明(英語)
テンプレートを表示
頭蓋骨をやや下方から眺めた動画。前頭骨は赤、それ以外の骨は透明にして示してある。眼窩の間にある前頭洞と呼ばれる隙間が見える(Anatomography)。

前頭骨(ぜんとうこつ、: frontal bone)は、哺乳類において、脳頭蓋前部を形成する骨である。

概要

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ヒトの前頭骨は、頭蓋の前下部に位置する骨で、台形で曲がっている。胎児期までは対性で、小児期以降左右が癒合する。

前頭鱗
前頭骨の大部分を占める貝殻のような部分。
鼻部
前頭骨の下部中央から下方に突出している部分。
眼窩部
鼻部の両側にあり、眼窩の上壁を作る。
前頭洞
鱗部の下部から眼窩部にかけて内部に一対の扁平な空洞がある。

部位

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眉弓

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眉弓(びきゅう、: superciliary arch)は眼窩上縁の上方に左右分かれて存在する、前頭骨の隆起である[1]眉上弓(びじょうきゅう)とも。

ヒトの前頭骨では眼窩の間に弧を描く隆起が存在し、これが眉弓と呼ばれる。眉弓は左右の目の上にそれぞれ存在しており、言い換えれば左右に分かれている[1]。左右の眉弓に挟まれたより弱い隆起が眉間である[2]。進化的には眼窩上隆起の一部に由来する。眉弓に乗った皮膚領域にはが存在する。

眉弓の隆起度合いには性差があり、女性より男性で隆起が強い傾向にある[3]。発達のなかで隆起度合いは変化し、特に男性の思春期には大きく隆起する[4]。進化的・人種的な差が非常に大きく、初期人類は現生人類よりかなり隆起度合いが大きい[5]。また個人差も大きく、いわゆる顔の「彫りの深さ」とも関連している。

病理的には先端巨大症において眉弓の膨隆が認められる[6]

眉弓の役割はわかっていない。過去の仮説として咬合力の受け止めや眼窩-脳頭蓋の結合などが提唱されていたが、それを否定する検証結果があり現時点では明確な役割はわかっていない[7]

外見

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脚注

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出典

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  1. ^ a b "眼窩上縁の上方には,眉弓 ビキュウ superciliary arch とよばれる隆起が左右にみられる。" Drake 2011, p. 812 より引用。
  2. ^ "左右の眉弓の間は少しくぼんでおり,眉間 ミケン glabella とよばれる。" Drake 2011, p. 812 より引用。
  3. ^ "眉弓は,女性より男性においてよく発達している。" Drake 2011, p. 812 より引用。
  4. ^ "男子思春期の変化 ... 顔面の変化(女性に比べて著明に現れ、顔面骨がより発達し、眉弓骨が隆起する)" 以下より引用。伊藤. (2023). 精巣機能とその異常 ~精巣機能障害と男性不妊症~. 札幌医科大学講義
  5. ^ "初期人類は眉弓が顕著に太く、骨張っている。" 以下より引用。Nature Ecology & Evolution. (2018). 人類の顔の進化で眉ができあがった. Nature Japan. doi:10.1038/s41559-018-0528-0.
  6. ^ "先端巨大症様顔貌(眉弓部の膨隆" 難病情報センター. クッシング病(下垂体性ACTH分泌亢進症)(指定難病75). 2024-09-02閲覧.
  7. ^ "過去の研究では、眉弓は咬合や咀嚼の応力を防いでいるのではないか、あるいは頭蓋の2つの異なる要素(眼窩と脳頭蓋)が合わさって生じたのではないか、と示唆されていた。... その結果、化石の眉弓は眼窩と頭蓋との分離を説明するのに必要なサイズよりもはるかに大きく、この大きな眉弓は摂食時の頭蓋の保護にほとんど役に立っていないことが分かった。" 以下より引用。Nature Ecology & Evolution. (2018). 人類の顔の進化で眉ができあがった. Nature Japan. doi:10.1038/s41559-018-0528-0.

参考文献

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  • Drake, Richard (2011). グレイ解剖学 (原著第2版 ed.). エルゼビア・ジャパン. ISBN 978-4860347734 

関連項目

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外部リンク

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  • 前頭骨 - 慶應医学部解剖学教室 船戸和弥