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利権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

利権(りけん)は、利益を伴う(得る、専有する)権利。特に、これを供与し得る地位にある政治家公務員などと結託することによって、形式的には公的手続きを経て与えられる権益。不正に行われた場合は汚職となり、その例としてロッキード事件ダグラス・グラマン事件がある。

様々な利権[編集]

名称 内容
ADHD利権 製薬会社が薬の有効性を売り込んでもらう利権[1]ADHDに関する論争も参照。
産廃利権 産業廃棄物に関する利権[2]
スポーツ利権 プロチームのスカウトが将来有望と目した選手に“唾を付け”、関係者にチーム入りを約束させるなどによって生じる利権(契約金も参照)。また、公的な補助金・助成金や民間からの寄付金等を競技団体の役員が不正流用したり、電通にみる大会開催にともなう放映権やスポンサードで便宜を図るなどして得られる利権[3]。国際競技団体の利権は、各国の国内法で摘発するしかない側面があるため、不正をなかなか正しにくく、たびたび国際的な問題として報じられる[4]
たばこ利権 財務省JT、族議員と葉タバコ農家、たばこ小売店、飲食店の間で発生する利権。財務省がたばこ税やJT株の配当金といった既得権益を守るため、受動喫煙防止を目的とした法案の成立を阻害している[5][6][7]
原発利権 [8]
警察利権 [9]
パチンコ利権 [10]
復興利権 災害などの復興にともなって発生する利権[11]
同和利権 同和問題はできれば避けたいといった意識に乗じ、企業などから何らかの利権を得ようとする行為[12][13]
電通利権 電通利権が存在するという指摘もある[14][15]

脚注[編集]

  1. ^ レイ・モイニハン英語版、アラン・カッセルズ 著、古川奈々子 訳『怖くて飲めない!―薬を売るために病気はつくられる』ヴィレッジブックス、2006年10月。ISBN 978-4789729796 
  2. ^ 田村建雄『産廃汚職―利権に群がる議員・業者・暴力団』リム出版新社、2006年11月。ISBN 978-4898001745 
  3. ^ 醜聞対応後手、利権まみれ…日本スポーツ団体“迷走”の理由. (2014年12月25日) 日刊ゲンダイ.
  4. ^ ブラッター会長辞任表明で混迷!「巨大利権組織」FIFAの深い闇. (2015年6月5日) PRESIDENT Online.
  5. ^ 松沢成文『JT、財務省、たばこ利権~日本最後の巨大利権の闇~』ワニブックスPLUS新書、2013年。ISBN 978-4847060649 
  6. ^ “強固なタバコ利権のために受動喫煙防止法案は骨抜きに”. ビデオニュース・ドットコム (日本ビデオニュース社). (2018年6月1日). http://www.videonews.com/interviews/20180601_matsuzawa/ 2018年6月2日閲覧。 
  7. ^ “東京五輪をタバコ五輪にしてはいけない”. ビデオニュース・ドットコム (日本ビデオニュース社). (2018年6月2日). http://www.videonews.com/marugeki-talk/895/ 2018年6月2日閲覧。 
  8. ^ 原発利権を追う
  9. ^ ダイヤモンドオンライン「天下りの警察OBに「退職金10億円」払った団体の名前…世間が呆れ返った警察利権の実態とは?」
  10. ^ 宇佐美典也、パチンコ利権 ―瀕死の業界に未来はあるのか?―(2019年2月27日、ワニブックス)
  11. ^ 2001 年 02 月 02 日朝日新聞朝刊東京 本社・3ページ「癒着の深み、おちた町長 奥尻島ゆがめた 復興利権(検証)」
  12. ^ https://www.chusho.meti.go.jp/soudan/jinken_pamf/download/ese_douwa.pdf
  13. ^ 同和利権の真相
  14. ^ 【新・「電通公害」論】崩れ落ちる電通グループ~利権と縁故にまみれた「帝王」の凋落
  15. ^ 本間 龍『電通巨大利権~東京五輪で搾取される国民』

関連項目[編集]

外部リンク[編集]