出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
数学の凸幾何学(英語版)の分野において、凸結合(とつけつごう、英: convex combination)とは、和が 1 となるような非負係数を持つ点(ベクトルやスカラー、あるいはより一般にアフィン空間の点)の線型結合である。
より正式に、実ベクトル空間に有限個の点 が与えられたとき、それらの凸結合は次の式で表される点である。
ただし実数 は および を満たすものである。
特別な一例として、二点の間のすべての凸結合は、それらを結ぶ線分の上に存在する。
すべての凸結合は、与えられた点の凸包の中に含まれる。
線型結合の下で閉じていないが、凸結合の下で閉じているベクトル空間の部分集合が存在する。例えば、区間 は凸であるが、線型結合の下では実数直線全体を生成する。また別の例として、線型結合が非負性、アフィン性(積分の総和が 1)のいずれも保存しない確率分布の凸集合が挙げられる。
- 同様に、確率分布 の凸結合 は、その成分確率分布の加重和( には上述と同様の制限が課される)であり、次の確率密度函数を備える。
- 錐結合は、非負係数による線型結合である。
- 加重平均は機能的には凸結合と同じであるが、記法としては異なる。加重平均の係数(重み)和は 1 である必要はないが、その代わりにその(係数)和で線型結合を明示的に割っている。
- アフィン結合は凸結合と似ているが、その係数は非負である必要はない。したがってアフィン結合は、任意の体上のベクトル空間において定義される。