低アルブミン血症
表示
低アルブミン血症 | |
---|---|
概要 | |
診療科 | 内分泌学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-9-CM | 273.8 |
DiseasesDB | 31324 |
eMedicine | med/1116 |
MeSH | D034141 |
低アルブミン血症(ていアルブミンけっしょう)とは、医学用語のひとつで、ヒト血漿においてアルブミンの濃度が異常に下がることをいう。種々の低蛋白血症のひとつ。
アルブミンはヒト体内における主要な蛋白のひとつであり、血清においては蛋白のおよそ60%を占める。多くのホルモン、薬剤や分子化合物は血中でアルブミンと結合している。生物学的に活性を示すにはアルブミンから分離する必要がある。一例として、カルシウムはアルブミンと結合しており、低アルブミン血症は血中カルシウムイオンの増加をきたす。
原因
[編集]アルブミン合成能低下、アルブミン喪失、アルブミン原料の不足といったことが原因となる。
- アルブミンとプレアルブミンは肝臓で合成される。低アルブミン血症は肝臓の疾患である慢性肝炎、肝硬変、肝不全、ウィルソン病などを示唆していることがある。
- 尿にアルブミンを漏出した結果,低アルブミン血症を来すこともある。これは糸球体の障害を示唆する可能性があり、慢性腎臓病、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群といった疾患の可能性を示唆する。
- 低アルブミン血症は慢性的な栄養失調の結果である可能性もある。
症状
[編集]低アルブミン血症は浸透圧、特に膠質浸透圧の低下を来し、この膠質浸透圧が低下するため、循環血漿量が維持できずに水分が間質に流出(濾出)してしまい、浮腫を来すことがある。下肢の浮腫は圧痕を伴うことが多い。(pitting edema と呼ばれる)
検査
[編集]血清中アルブミンは、一般的な肝機能検査でしばしば測定される。日本ではスクリーニング検査に含まれていることが多い。正常範囲は3.5 g/dL以上。
治療
[編集]原疾患の治療が優先されるが、緊急性を要する低アルブミン血症の場合、献血アルブミン製剤が経静脈投与されることがある。アルブミンなどの蛋白質は胃で分解されるため、経口投与は不能。