仁摩サンドミュージアム
仁摩サンドミュージアム | |
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施設情報 | |
専門分野 | 科学(砂に関する事象) |
開館 | 1991年3月3日 |
所在地 |
〒699-2305 島根県大田市仁摩町天河内975 |
位置 | 北緯35度8分47秒 東経132度24分17秒 / 北緯35.14639度 東経132.40472度座標: 北緯35度8分47秒 東経132度24分17秒 / 北緯35.14639度 東経132.40472度 |
プロジェクト:GLAM |
仁摩サンドミュージアム(にまサンドミュージアム)は、島根県大田市仁摩町天河内にある砂の博物館。
施設
[編集]仁摩町には琴姫伝説で知られる「鳴り砂」のある琴ヶ浜があり、これを保存するには海浜を取り巻く環境を保全する必要があることから、日本全国さらに世界にアピールするために砂の博物館を建設することになった[1]。博物館は1991年3月3日にオープンした[1]。
大小6基の建物内で砂に関する様々な展示物を見学でき、世界最大の一年計砂時計「砂暦」(すなごよみ)は高さ約5メートルを誇る。
建物はガラス張りの大小6つのピラミッド群からなっており、仁摩町出身者である高松伸の設計によるものである[2]。
仁摩サンドミュージアム
[編集]- タイムホール(一年計砂時計「砂暦」の展示のほか砂のオブジェの展示があり、「鳴り砂」についての詳細な解説がなされている。)
- AVホール
- アートギャラリー
ふれあい交流館
[編集]仁摩サンドミュージアムの別館。砂時計やガラス製品のショップがあり、ガラス工芸体験ができる。
「鳴り砂」はガラスの原料になる石英が主体となっている。そのため「ふれあい交流館」にガラス工芸体験のコーナーが設置されている。1階の壁には、チェコの伝統工芸でもあるボヘミアガラスが展示されている。
- ガラス工房・展示コーナー
- 受付・案内・商品販売コーナー
世界最大の砂時計 砂暦(すなごよみ)
[編集]「砂暦(すなごよみ)」と名付けられた大砂時計で、1トンの砂を一年かけて落とす世界最大の砂時計である。全長5.2メートル、直径1メートルという容器を使い、1トンもの砂がわずか直径0.84ミリメートルのノズルから刻々と落ちている。
砂には、まず現地にある琴ヶ浜の砂が考えられたが、250µmと粒度が粗い性質で、これを使用すると何十トンの浜砂が必要となる[1]。そこで最終的に山形県西置賜郡飯豊町の飯豊山地の地層内にある太古の鳴り砂が選定された[1]。
砂は1秒間に0.032グラム、1時間に114グラム、1日にすると2740グラムが、コンピューター制御によって時を刻んでいる。砂暦は同志社大学名誉教授(粉体工学)であった故三輪茂雄氏が監修し、3年かけて完成した。費用の1億円は、ふるさと創生事業から拠出された[3][4]。
砂時計は博物館オープン前の1991年1月1日にスタートした[1]。式典に集まった旧・仁摩町民がロープによって反転させ動き始めており、以降も毎年大晦日に回転イベントが行われる。
オープン時よりギネス世界記録に登録はされていなかったが、書籍出版元の日本窓口からの打診を受け、2015年発行の「ギネス世界記録2016」に掲載された[5]。
なお、2010年代に鳥取市の鳥取駅前に鳥取砂丘の砂を用いた日本最大の砂時計(全長6メートルの一時間計)を設置する計画が出たが、デザインにより賛否二分となり[6][7]、砂に関わる別のテーマへ方針転換することになった[8]。
時の祭典
[編集]毎年、12月31日から1月1日にかけて「時の祭典」が開かれており、一年計砂時計をロープで反転させるイベントが催されている。
博物館の歴史
[編集]- 旧・仁摩町のふるさと創生事業の一環として仁摩サンドミュージアムの構想が計画される。
- 1991年
- 2007年12月31日 - 『今すぐ使える豆知識 クイズ雑学王』の大晦日年越しSPで、2007年から2008年のカウントダウンをここの中継で行った。
- 2008年4月16日 - 東宝系の映画「砂時計」の公開を記念していきものがかりがミニライブを行った。
- 2015年5月16日 - 来館者200万人を達成。
- 2015年9月 - 一年計砂時計「砂暦」がギネス世界記録に登録される。
館内の様子
[編集]-
映画、ドラマ砂時計関連の展示品(2008年2月)
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正面入り口
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一年計砂時計「砂暦」
アクセス
[編集]- JR仁万駅から徒歩で約10分
- 仁摩・石見銀山インターチェンジから車で5分
脚注
[編集]- ^ a b c d e 三輪茂雄「巨大砂時計におけるスケールアップの課題について」『粉体工学会誌』第29巻第7号、粉体工学会、524-529、doi:10.4164/sptj.29.524。
- ^ “しまねインフラツーリズムガイド”. 島根県浜田県土整備事務所. p. 23. 2024年1月29日閲覧。
- ^ “1年計砂時計『砂暦』(タイムホール)”. 砂博物館 仁摩サンドミュージアム. 2020年7月17日閲覧。
- ^ 志波靖麿著「世界一大きい砂時計-「鳴き砂」の町・仁摩に刻む」、中国新聞社、1997年
- ^ “(70)仁摩サンドミュージアムの一年計砂時計(大田)”. 山陰中央新報. (2015年12月10日). オリジナルの2019年9月2日時点におけるアーカイブ。 2020年7月17日閲覧。
- ^ とっとり市報 平成26年1月号
- ^ “製作費3億円!?国内最大の砂時計、鳥取駅前に設置計画 デザインは賛否二分…”. 産経WEST. (2017年2月9日). オリジナルの2018年7月20日時点におけるアーカイブ。 2020年7月17日閲覧。
- ^ “鳥取商議所PJ「日本一の砂時計」を方針転換へ”. 鳥取商工会議所. 2024年1月29日閲覧。
参考文献
[編集]- 一年計砂時計を作る(archive.today、2012年12月20日) - http://www.f5.dion.ne.jp/~yshiwa/hourglass/hgbook.htm[リンク切れ]