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交響曲第8番 (ヴォーン・ウィリアムズ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

交響曲第8番ニ短調は、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ1953年から1955年にかけて作曲した交響曲である。前作『南極交響曲』(第7番)や最後の交響曲となった第9番と比較すると、やや小規模で古典的でもあり、いくらか気楽さやユーモアを感じさせる作品である。

初演は1956年5月2日にマンチェスターで、この曲を献呈されたジョン・バルビローリ指揮のハレ管弦楽団によって行われた。

楽器編成

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フルート2(第2奏者はピッコロ持ち替え)、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2(第2楽章のみ第3奏者も:任意)、ホルン2、トランペット2、トロンボーン3、ティンパニ打楽器(奏者5:トライアングルシンバル大太鼓小太鼓ヴィブラフォンシロフォングロッケンシュピールチューブラーベル、音程のあるゴング)、チェレスタハープ(第2奏者は任意)、弦五部

ゴングについて、「不可欠でないが非常に望ましい。プッチーニの『トゥーランドット』に使われるのと同じもの」と注記されている。

楽曲構成

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4楽章からなる。全曲で約26分半 (順に 10.00, 3.45, 7.45, 5.00 の指定あり)。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲のうち、大音量で終結するのは第4番とこの第8番だけである。

  • 第1楽章「ファンタジア(主題のない変奏曲)」 Fantasia (Variazioni senza tema)
ニ短調。変則的な変奏曲形式。作曲者は後に「主題を探す7つの変奏」と述べている。
 \relative c'' { \clef treble \key d \minor \time 6/8 \tempo "Moderato" 4. = 60 << { s2. | r4 r8 <a f d>4\p <c g e cis>8 } \\ { d,8\f( g e a4.)~ | a2. } >> <a f d>4 <c g e cis>8 <a f d>4 r8 }


  • 第2楽章「行進曲風スケルツォ(管楽器のために)」 Scherzo alla marcia (per stromenti a fiato)
ハ短調。管楽器のみによる楽章。アレグロ・アラ・マルチャ、4分の2拍子の主部の間に、アレグレット、8分の6拍子のトリオをはさむ三部形式。
 \relative c' { \clef bass \key c \minor \time 2/4 \tempo "Allegro all marcia" 4 = 108 \partial 4*1 g8-.\f des16( f) | c8-. g'-. c,-. g'-. | c,16( des ees f ges aes bes ces | bes ces bes aes c8) }


  • 第3楽章「カヴァティーナ(弦楽器のために)」 Cavatina (per stromenti ad arco)
ホ短調。弦楽合奏のみによる緩徐楽章。レント・エスプレッシーヴォ、4分の4拍子。
 \relative c' { \clef bass \key e \minor \numericTimeSignature \time 4/4 \tempo "Lento espressivo" 4 = 63 b\p( e4.) d8( \times 2/3 { c b a) } | b2 fis'4( g~ | \times 2/3 { g8 fis e } \times 2/3 { g fis d } e fis g, a | b4.) }


  • 第4楽章「トッカータ」 Toccata
ニ長調 / ニ短調。モデラート・マエストーソ、4分の3拍子。多彩な打楽器が活躍する。終楽章らしく頂点を築き、歓喜の中に全曲を閉じる。
 \relative c'' { \clef treble \key d \major \time 3/4 \tempo "Moderato Maestoso" 4 = 144 << { d2\ff b4 } \\ { r4 a fis } >> <a e> fis4. <b d,>8 | <a e>4 fis e | d2(\p <f d bes>4~ | <f d bes> <e d c>2) | d16 }

参考文献

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