五瘟使者
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五瘟使者(ごおんししゃ)は、中国に伝わる疫病をつかさどる神、鬼神。五方瘟神(ごほうおんしん)、五瘟大王(ごおんだいおう)、五福使者(ごふくししゃ)、五福大帝(ごふくたいてい)などとも言う。
概要
[編集]天界に存在する瘟部(おんぶ)に属するとされ、人々に流行病などをもたらしたりするとされた。「瘟」の字が縁起の悪い文字であるということから「福」という文字を用い、台湾などでは五福と表記することもある[1]。
五人の神によって構成されており、それぞれ東(春)南(夏)西(秋)北(冬)および中央を支配するとされる[2][1]。支配下に五毒将軍(ごどくしょうぐん)が存在する。
- 張元伯 春・東方青瘟
- 劉元達 夏・南方赤瘟
- 趙公明 秋・西方白瘟
- 鍾士貴 冬・北方黒瘟
- 史文業 中・中央黄瘟
南北朝時代の天師道の書で鬼神のことについて記してある『女青鬼律』でも、張元伯・劉元達・趙公明・鍾士貴・史文業は疫病に関する鬼たちを領している鬼主(五方鬼主)であると記されている[3]。
脚注
[編集]- ^ a b 川野明正 『神像呪符「甲馬子」集成 中国雲南省漢族・白族民間信仰誌』 東方出版 2005年 104-105頁 ISBN 4-88591-907-X
- ^ 李剣平 主編 『中国神話人物辞典』 陝西人民出版社 1998年 95頁 ISBN 7-224-04279-X(中文)
- ^ 山口建治「唐代瘟神「五帝」考 -御霊信仰の源流-」 『年報 非文字資料研究』10 神奈川大学非文字資料研究センター 2014年 217-232頁