コンテンツにスキップ

主題役割

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

主題役割(しゅだいやくわり、英語: thematic role)とは、言語学において、述語の意味関係を分類したものである。主題関係thematic relation)、意味役割semantic role)、θ役割θ-role)とも呼ばれる。フィルモア格文法における「格」も同様の概念である。

文の解釈に重要な役割を果たすと言われるが、一体全部でいくつあるのかなど不明な点も多い。また文法格(「が」「を」)や後置詞(「で」「へ」など)と相関があるが、決して一対一に対応しているわけではない。

主な主題役割には以下のようなものがある。

  • agent 動作主太郎が次郎をなぐった。
  • experiencer 経験者太郎が悲しんだ。
  • theme 主題または patient 被動者:太郎が次郎をなぐった。
  • goal 目標:北へすすむ。
  • source 起点:町から来た。

なお、話題の意味で用いられる「主題」とは直接関係ない。

参考文献

[編集]
  • Gruber, J. (1965) Studies in Lexical Relations. Ph.D. dissertation, MIT.
  • Jackendoff, Ray S. (1972) Semantic Interpretation in Generative Grammar. Cambridge, MA: MIT Press.
  • Gruber, Jeffrey S. (1976) Lexical Structures in Syntax and Semantics. Amsterdam: North-Holland.
  • Stowell, Tim. (1981) Origins of Phrase Structure. Ph.D. dissertation, MIT.

関連項目

[編集]