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中島章

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中島 章(なかじま あきら、1923年7月14日 - 2017年[1])は、日本眼科学者。

来歴

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熊本県出身。父は熊本県立医学専門学校教授および同校附属病院眼科部長を務めた中島實で、父が1928年から1930年まで欧米に留学(その直前は金沢医科大学教授)した時期には母とともに再び熊本に戻って暮らしたという[2]

東京帝国大学で1945年に薬学博士号を、1953年に医学博士号をそれぞれ取得した。1945年から1949年まで、東京大学医学部附属病院の眼科に勤務した。1949年から1954年まで、秋田県花岡鉱山病院の眼科科長を務める。順天堂大学で1954年から1960年まで助教授、1960年から1989年まで教授に就任し、1989年に定年となり名誉教授となった。

中島は眼科について、ベーチェット病[3]、薄板状角膜移植の臨床調査、チベットの老人性白内障の疫学、マウスの網膜退化の実験といった多様な分野で研究をおこなった。中島はアジア太平洋眼科学会の会長を1972年 - 1976年に務めた[4]

また、角膜移植の普及のために眼球銀行協会の設立に助力した[5]

財団法人日中医学協会(1985年発足)では、1995年から2001年まで理事長を務めた[6]

2017年、死去[1]

受賞・受章歴

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主な論文

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  • Kenshi Satoh, Masayasu Bando, & Akira Nakajima. "Fluorescence in human lens." Experimental Eye Research 16.2 (1973): 167–172.
  • Kanjiro Masuda, Akira Urayama, Mitsuko Kogure, Akira Nakajima, Kimihiro Nakae, & Goro Inaba. "Double-masked trial of cyclosporin versus colchicine and long-term open study of cyclosporin in Behçet's disease." The Lancet 333, no. 8647 (1989): 1093–1096.
  • Tian-Sheng Hu, Q. U. Zhen, Robert D. Sperduto, Jia-Liang Zhao, Roy C. Milton, and Akira Nakajima. "Age-related cataract in the Tibet Eye Study." Archives of Ophthalmology 107, no. 5 (1989): 666–669. doi:10.1001/archopht.1989.01070010684027
  • Akira Nakajima. "Epidemiology of visual impairment and blindness." Current Opinion in Ophthalmology 2, no. 6 (1991): 733–738.
  • Yoshihiro Hotta, Keiko Fujiki, Mutsuko Hayakawa, Akira Nakajima, Atsushi Kanai, Yukihiko Mashima, Yoshiki Hiida, Kei Shinoda, Keiko Yamada, and Yoshihisa Oguchi. "Clinical features of Japanese Leber's hereditary optic neuropathy with 11778 mutation of mitochondrial DNA." Japanese Journal of Ophthalmology 39, no. 1 (1994): 96–108.

脚注

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  1. ^ a b In Memory of Professor Akira Nakajima” (PDF) (英語). Apaophth.org. 2022年6月25日閲覧。
  2. ^ 教室沿革 - 熊本大学大学院生命科学研究部眼科学講座(「歴代教授」の「第三代 中島實教授」を参照)2022年6月25日閲覧。
  3. ^ 教室沿革 - 東京大学医学部眼科学教室(「増田寛次郎教授時代」の箇所を参照)
  4. ^ Past Presidents & Secretaries-General, Asia-Pacific Academy of Ophthalmology website
  5. ^ 眼科 - 順天堂大学医学部附属順天堂病院
  6. ^ 日中医学協会 30年のあゆみ (PDF) 」『日中医学』Vol30 No.4、2016年3月、p.124
  7. ^ a b 順天堂だより第189号 - 順天堂大学、1987年11月(「わが研究室(26)眼科学研究室」pp.4 - pp.5を参照)
  8. ^ 「2000年秋の叙勲 勲三等以上と在外邦人、外国人、在日外国人の受章者一覧」『読売新聞』2000年11月3日朝刊

外部リンク

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