両側町

両側町（りょうがわちょう）とは、日本の都市で文字通り、道路を挟んで両側に家々が建ち並び、一体となった町のことです。

解説

単なる通りの両側ではなく、住民同士の結びつきが強く、共同体意識の高いことが特徴です。中世から近世にかけて、日本の都市、特に京都で盛んに見られた都市構造です。

両側町の起源は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて、京都の都市が急速に発展し、条坊制からより柔軟な都市構造へと変化していった過程に求められます。

南北朝の内乱や応仁の乱といった動乱を経て、人々はより安全な生活を求め、道路を挟んで互いに助け合うコミュニティを形成していきました。

日本の両側町は、京都が最も代表的です。祇園祭で有名な祇園町や、多くの町家が建ち並ぶ高台寺周辺などが、その典型的な例です。また、江戸時代には、全国の城下町にも両側町が見られ、都市の構造に大きな影響を与えました。

京都の両側町 祇園祭の山鉾町として知られ、伝統的な町並みが今も残っています。

日本だけでなく、世界各地の都市にも、両側町に似た構造を持つ町並みが存在します。例えば、ヨーロッパの中世都市では、狭い路地を挟んで家々が建ち並び、住民同士の結びつきが強いコミュニティが形成されていました。

外部リンク

• 『両側町』 - コトバンク