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下水湯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
下水湯の例

下水湯(ハースィータン[1]、ハースィートゥン[2]、シァシュイタン[3])は、台湾のスープ料理[1][2][3]内臓肉(もつ)を用いたスープである[1][2][3]のもつで作ることもある[4]

」は中華料理におけるスープの意である[1]。「下水」は「捨てるもの」の意であり、台湾では「もつ」の意である[1]。日本のホルモン焼きにおける「ホルモン」の由来の説の1つにも似る[1]

台湾においても、もつは安価で栄養価も高いことから、家庭や屋台でスープにして食べられるようになり、日本のホルモン焼き同様に「安くて気軽な庶民のスタミナ料理」として人気となった[1]。味付けに台湾米酒を使うのが特徴である[1]

胡椒を振る、を加えるなどして、自分好みに調味して食する[3]

日本人には、名称の文字から「下水(げすい)」を思わせるため評判が悪いが、実際に食した場合には日本人の味覚には受け入れられることも多い[1][3][5]。日本のテレビドラマ『孤独のグルメ』で主人公・井之頭五郎が砂肝を使用した下水湯を劇中で食したことでも、知られるようになった[5][6]。番組のロケ地となった飲食店では「五郎套餐(五郎セット)」としてドラマで食した汁なし麺と下水湯のセットを販売している(2023年時点)[6][7]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i <ユースク> ギャップ飯「下水湯」実食してみたら…”. 中日新聞 (2021年5月10日). 2025年1月29日閲覧。
  2. ^ a b c 『ひとり歩きの会話集 中国語』(2025年版)JTBパブリッシング、2024年、118頁。ISBN 978-4533163005 
  3. ^ a b c d e 『台湾行ったらこれ食べよう!:地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』誠文堂新光社、2015年、23頁。ISBN 978-4416615058 
  4. ^ 鈴木岳志「絶品・鴨モツスープに謎肉あり」『日刊工業新聞』2023年3月27日。2025年2月10日閲覧。
  5. ^ a b 『旅の賢人たちがつくった海外グルメ旅最強ナビ』辰巳出版、2020年、55頁。ISBN 978-4777825615 
  6. ^ a b Yui Imai (2023年9月5日). “【台湾】台北・迪化街で孤独のグルメに登場「原味魯肉飯」でランチ!五郎さんが食べた下水湯とは?”. TABIZINE. 2025年1月29日閲覧。
  7. ^ 『せかたび台北』(2025年版)JTBパブリッシング、2024年、162頁。ISBN 978-4533161926 

関連項目

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  • 中身汁 - 同様にモツを用いた汁物。