ヴァルナ・サンカラ
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インド哲学 - インド発祥の宗教 |
ヒンドゥー教 |
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ヴァルナ・サンカラ (वर्णसंकर, Varṇa-saṃkara)とは、インド社会における4ヴァルナ(バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラの四種姓)以外の範疇のひとつで、各ヴァルナ相互の婚姻による混交のことを意味している[1]。
概要
[編集]各ヴァルナに属する人に対しては、同一のヴァルナから配偶者を得ることが義務づけられており、ヴァルナ間の混血は忌避されるべきものとされている[2]。19世紀をとおして、ヨーロッパ人とインド人との混血コミュニティが「半カースト」と蔑称されたのも、こうした観念の延長線上にあった[1]。なお、上位ヴァルナの男性が下位ヴァルナの女性と結婚するアヌローマ(anuloma、順毛婚)は大目にみられるのに対し、逆のプラティローマ(pratiloma、逆毛婚)は避けるべきとされる[2]。
4ヴァルナ以外の範疇
[編集]- ヴァルナ・サンカラ
- 外国人
- 不可触民——4ヴァルナ以外の範疇には、他に不可触民と呼ばれる人びとの存在がある。英語ではアウトカーストと称されることもあるが、インドの在来の語彙としてはアヴァルナ(ヴァルナに含まれない人)がある[1]。
脚注
[編集]関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 藤井毅『インド社会とカースト』山川出版社<世界史リブレット86>2007.12、ISBN 4-634-34860-8
- 辛島昇・前田専学・江島惠教ら監修『南アジアを知る事典』平凡社、1992.10、ISBN 4-582-12634-0