ヴァスーキ
このページ名「ヴァスーキ」は暫定的なものです。(2024年10月) |
Vasuki | ||||||||||||||||||||||||
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Vasukiのホロタイプ標本の椎骨
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Vasuki Datta & Bajpai, 2024 | ||||||||||||||||||||||||
タイプ種 | ||||||||||||||||||||||||
Vasuki indicus Datta & Bajpai, 2024 |
Vasukiは、インドのグジャラート州で化石が発見された、約4700万年前の中期始新世にあたるインド亜大陸に生息したMadtsoiidae科の絶滅したヘビの属[1]。タイプ種はVasuki Indicus[1]。属名は学名はインド神話に登場するヘビの神格ヴァースキに、タイプ種の種小名は産地のインドに由来する[1]。2024年に27個の椎骨が記載されており、不確実性があるものの全長10.9 - 15.2メートルと推定された[1]。現生のアナコンダと同様に動作の緩慢な待ち伏せ型捕食者であったと推測されている[1]。
発見と命名
[編集]Vasukiのホロタイプ標本 IITR/VPL/SB 3102-1-21 は2005年にインド西部グジャラート州カッチ県の褐炭鉱山にて、当該地域に分布するNaredi層の堆積層から発見された[2]。標本は総排出腔の前側に位置する27個の椎骨から構成されており、そのうちのいくつかは関節した状態にある[3]。予察的な調査では、これらの化石はワニとの親和性が指摘された[4]。
これらの化石に基づき、2024年にMadtsoiidae科の新属新種としてVasuki indicusが命名された。属名Vasukiはインド神話に登場する同名のヘビの神格に、種小名indicusは化石が発見されたインドに由来する[3]。
特徴
[編集]Vasukiの全長の推定は複数の予測回帰方程式から算出された[3]。1つは後関節突起の幅[5]、1つは前関節突起の幅に基づくものである[6]。前者の方程式で得られた全長推定値は10.9 - 12.2メートル、後者の方程式で得られた推定値は14.5 - 15.2メートルに達した[3]。本属の椎骨の寸法はティタノボア(推定全長12.2 ± 2.2メートル)のものを下回るが、推定全長の最大値は本属が上回ることになる[3][7]。
分類
[編集]系統解析において本属は、後期白亜紀のインドのヘビであるMadtsoia pisdurensisと後期始新世の北アフリカのヘビであるGigantophis garstiniとから構成される分岐群との姉妹群として、絶滅したヘビの分岐群であるMadtsoiidae科に配置された。Madtsoiidae科は小型の分岐群と中型~大型の分岐群に二分されており、本属は後者に属する[3]。Vasukiの研究を経て、Matsoiidae科の大型系統はインド亜大陸で出現し、始新世のうちに南ヨーロッパを経由してアフリカ大陸へ分布を拡大したと推定されている[1]。
以下はDatta & Bajpai (2024)の系統解析の結果を示すクラドグラム[3]。
Madtsoiidae |
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古環境
[編集]ティタノボアのような他の大型のヘビと異なり[5]、Vasukiはおそらく水棲動物でなかった。近縁のMadtsoiidae科のヘビや現生のニシキヘビ上科のヘビと比較した際、本属の椎骨の形態は陸棲あるいは半水棲の生態を示唆している。Vasukiの化石は後背湿地の湖沼堆積物に堆積しており、現生のニシキヘビ科のヘビも同様の生息環境で見ることができる[3]。
Vasukiは中部中新統のNaredi層から化石が産出している[3]。本層からはナマズ目の魚類やカメやワニおよび初期の鯨類の化石が産出しており、これらがVasukiの食餌になった可能性がある[8]。
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “古生物学:インドで発見された化石は新属新種の古代の大蛇だった”. nature asia. Springer Nature (2024年4月19日). 2024年10月20日閲覧。
- ^ Hunt, Katie (19 April 2024). “Colossal prehistoric snake discovered in India”. edition.cnn.com. 28 July 2024閲覧。
- ^ a b c d e f g h i Datta, Debajit; Bajpai, Sunil (18 April 2024). “Largest known madtsoiid snake from warm Eocene period of India suggests intercontinental Gondwana dispersal” (英語). Scientific Reports 14 (1): 8054. doi:10.1038/s41598-024-58377-0. ISSN 2045-2322. PMID 38637509.
- ^ Williams, Riis (18 April 2024). “This Nearly 50-Foot Snake Was One of the Largest to Slither the Earth” (英語). Scientific American. 19 April 2024閲覧。
- ^ a b Head, J.J.; Bloch, J.I.; Hastings, A.K.; Bourque, J.R.; Cadena, E.A.; Herrera, F.A.; Polly, P.D.; Jaramillo, C.A. (2009). “Giant boid snake from the Paleocene neotropics reveals hotter past equatorial temperatures”. Nature 457 (7230): 715–717. Bibcode: 2009Natur.457..715H. doi:10.1038/nature07671. PMID 19194448 .
- ^ McCartney, Jacob; Roberts, Eric; Tapanila, Leif; O'Leary, Maureen (2018). “Large palaeophiid and nigerophiid snakes from Paleogene Trans-Saharan Seaway deposits of Mali” (英語). Acta Palaeontologica Polonica 63. doi:10.4202/app.00442.2017. ISSN 0567-7920.
- ^ Head, J.J.; Bloch, J.I.; Hastings, A.K.; Bourque, J.R.; Cadena, E.A.; Herrera, F.A.; Polly, P.D.; Jaramillo, C.A. (2009). “Giant boid snake from the Paleocene neotropics reveals hotter past equatorial temperatures”. Nature 457 (7230): 715–717. Bibcode: 2009Natur.457..715H. doi:10.1038/nature07671. PMID 19194448 .
- ^ Larson, Christina (18 April 2024). “This ancient snake in India might have been longer than a school bus and weighed a ton” (英語). AP News. 19 April 2024閲覧。