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ロレイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロレイ
ប្រាសាទលលៃ
Lolei
基本情報
座標 北緯13度21分10秒 東経103度58分26秒 / 北緯13.35278度 東経103.97389度 / 13.35278; 103.97389座標: 北緯13度21分10秒 東経103度58分26秒 / 北緯13.35278度 東経103.97389度 / 13.35278; 103.97389
宗教 ヒンドゥー教
ロリュオス英語版
ロレイ村
地区 プラサットバコン郡英語版
シェムリアップ州
カンボジアの旗 カンボジア
現況 遺跡
建設
形式 クメール建築英語版
様式 プリア・コー様式[1] - バケン様式[2]
創設者 ヤショーヴァルマン1世
完成 893年
資材 ラテライト砂岩煉瓦
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ロレイ(Lolei、クメール語: ប្រាសាទលលៃ)は、カンボジアアンコール遺跡において、9世紀末の主に3つのヒンドゥー教寺院があるロリュオス遺跡群英語版のなかで最も北にある寺院である。ロリュオス遺跡群には、ほかにプリア・コーおよびバコン寺院がある[3]。ロレイは、かつてロリュオスで栄えたハリハラーラヤ英語版の都の一部として建設された3つの寺院の最後のものであり、893年にクメールの王ヤショーヴァルマン1世[1]、寺院をシヴァおよび王家の祖先に捧げた。「ロレイ」の名は、古代の名称である「ハリハラーラヤ」の現代の転訛であると考えられ、それは「ハリハラの都」を意味する。

アンコール遺跡の衛星写真と建造物を示す地図。

孤立して建つ寺院ロレイは、現在は干上がったバライ (baray) であるインドラタターカ[1](「インドラヴァルマンの池」の意[4])の中心のやや北にある島に位置し、その建設はヤショーヴァルマンの父である先のインドラヴァルマン1世英語版のもとでほぼ完成していた。学者らは、水域の中央の島に寺院を置くことが、ヒンドゥー教の神話において世界の海に囲まれる神々の住む須弥山(メル山)を象徴し、それと同一視する働きがあったとしている[5]

構成

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三叉の矛を持ったドヴァーラパーラがアーチ型扉口に立っている砂岩の彫刻。両肘近くに外側を向く2体のマカラがある。

ロレイは、1つの基壇上に集まる4基の煉瓦の塔の祠堂により構成される。王は祖先のためにロレイを構築した。1基は彼の祖父に、1基は祖母に、1基は父に、また1基は母に捧げられた。後方にある2基の塔が女性のためのものであり、前方の2基の塔は男性に対するものである。2基の高い塔が祖父母に、2基のそれより低い塔が両親に捧げられている。当初、これらの塔は周壁に囲まれ、塔門(ゴープラgopura)を介して出入していたが、現在は外壁および塔門のどちらも残存していない。今日、寺院の隣には僧院がある[6]

寺院の塔は、それらの装飾的要素において知られており、偽扉(: false door)や彫刻が施されたまぐさ(リンテル、lintel)、それに扉や偽扉の側面にはデヴァター英語版ドヴァーラパーラ彫像などが見られる。

まぐさやその他の砂岩の彫刻に描写された題材としては、ゾウのアイラーヴァタに乗っている天神インドラマカラと呼ばれるヘビのような怪物、それに多くの頭を持つナーガなどがある。

4基の塔の祠堂が交差する中心には、砂岩製の樋(ひ、とい)が十字型に備えられ、その中心にリンガ英語版が配置されている[1]

脚注

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  1. ^ a b c d 波田野 (2007)、183頁
  2. ^ Rooney (2011), p. 280
  3. ^ 波田野 (2007)、179頁
  4. ^ 石澤 (1996)、50頁
  5. ^ Jessup, p.77; Freeman and Jacques, pp.202 ff.
  6. ^ Freeman and Jacques, p.202.

参考文献

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  • 石澤良昭『アンコール・ワット』講談社〈講談社現代新書〉、1996年。ISBN 4-06-149295-0 
  • 波田野直樹『アンコール遺跡を楽しむ』(改訂版)連合出版、2007年。ISBN 978-4-89772-224-5 
  • Rooney, Dawn F. (2011). Angkor: Cambodia's Wondrous Khmer Temples (6th ed.). Odissey. ISBN 978-962-217-802-1 
  • Michael Freeman and Claude Jacques, Ancient Angkor (Bangkok: River Books, 1999.)
  • Helen Ibbetson Jessup, Art & Architecture of Cambodia (London: Thames & Hudson, 2004.)

関連項目

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