ロジャー・ニコルズ
ロジャー・ニコルズ(ロジャー・ニコルス) | |
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出生名 | Roger Stewart Nichols |
生誕 | 1940年9月7日(84歳) |
出身地 | アメリカ合衆国 モンタナ州ミズーラ |
職業 |
シンガーソングライター コンポーザー 演奏者 |
担当楽器 | バイオリン, ギター, ベース, ピアノ |
活動期間 | 1965年 - |
ロジャー・ニコルズ(Roger Nichols、1940年9月7日 - )またはロジャー・ニコルスは、アメリカ合衆国モンタナ州ミズーラ生まれの作曲家、ソングライター。ヴァイオリン、ベースギター、ピアノを演奏するマルチ・プレイヤーでもある。
来歴
[編集]1968年にニコルズは、アルバム『Roger Nichols & The Small Circle of Friends』を発表した。その後、ニコルズとポール・ウィリアムズのコラボレーションには、もともとアメリカの銀行のコマーシャルのために書かれた「愛のプレリュード」(カーペンターズが演奏)が含まれた。彼らはジングルを書くように依頼され、それは締め切り前の最終日の数時間のうちに作曲された。
ウィリアムズが歌う同曲をテレビで聞いたリチャード・カーペンターは、潜在的なヒットの可能性を持っていると信じ、カーペンターズは1970年に彼らによるバージョンを録音し、ヒット7に至ったことで1971年の第13回グラミー賞の最優秀楽曲賞にノミネートされた[注 1]。
彼は、シンガーソングライターのポール・ウィリアムズと組み、カーペンターズやスリー・ドッグ・ナイトのヒット曲を作曲した。スリー・ドッグ・ナイトによるニコルズ&ウィリアムズの曲「アウト・イン・ザ・カントリー」[注 2]がトップ10に到達した。カーペンターズの「雨の日と月曜日は」はゴールドレコードとなった。
一時低迷期もあったが、76年にはポール・アンカによって歌われた「Times of Your Life」が、アダルト・コンテンポラリー・チャート(1976年1月3日~1月10日)で1位に達した。
ニコルズは、1995年に日本限定のアルバム『Roger Nichols and A Circle of Friends – Be Gentle With My Heart』をリリースした。このアルバムには、ボーカリストの Sheila O'Connell-Roussell がフィーチャーされており、「愛のプレリュード」、「愛は夢の中に」、ウィリアムズがゲストボーカルとして参加した「雨の日と月曜日は」といった彼の代表曲の一部が収録されている。
彼はまた、2007年にオリジナルの Small Circle of Friends とのアルバム『Full Circle』をリリースした。このアルバムでは、グループが集まって「アウト・イン・ザ・カントリー」や「あなたの影になりたい」といったニコルズが他のバンドに提供したヒット曲のカバーを含む、ニコルズの著作曲を収録している。2008年には、米国音楽研究家でリイシュー・プロデューサーの Steve Stanley が運営する Now Sounds レーベルより『Full Circle』の特別盤がリリースされた。この特別盤には、1960年代の未発表デモレコーディングが 5曲収録されている。
日本での人気
[編集]1968年に発売された、アルバム『Roger Nichols & The Small Circle of Friends』は、当時日本国内盤の発売もなく、70年代にアルバムから数曲が大瀧詠一のラジオ番組『ゴー・ゴー・ナイアガラ』でオンエアされたが、日本のマーケットではほとんど認知されていなかった[1]。
1987年、このアルバムのレコードが当時のキャニオンレコード (現ポニー・キャニオン)によって、音楽プロデューサーの長門芳郎の監修のもと世界で初めてCD化され、日本のマーケットでも広く知られるところとなった。このCDのライナーノーツを当時ピチカート・ファイヴの小西康陽が担当、ニコルズとその曲に対する愛情あふれるレビューは、90年代に渋谷系と呼ばれる音楽に携わった人々の源流となった[2]。また、当時のソフトロックの流行に寄与した[1]。特に「Don't Take Your Time」「Love So Fine」 といった曲は渋谷系と呼ばれたグループの多くがオマージュ作品を発表している。その日本人気にあやかった形で1995年に日本限定のアルバム『Be Gentle With My Heart』が新譜としてレコーディングされ、リリースされた。
以降も日本のマーケットに向けたアルバムが発表されており、日本企画の編集アルバムとして2016年に『トレジャリー』が、2018年に『トレジャリー・エクストラ・トラックス』がリリースされた。
私生活
[編集]音楽家としてのキャリアに加えて、ニコルズは宝石商としての成功も収めた[3]。
ロジャーの兄のテッド・ニコルズも著名な作曲家で、ハンナ・バーベラ・カートゥーン・スタジオの音楽ディレクターを務めた。
作曲作品
[編集]- ハーパース・ビザール 「ザ・ドリフター」- The Drifter (1968年)
- モンキーズ 「サムデイ・マン」- Someday Man (1969年)
- カーペンターズ 「愛のプレリュード」- We've Only Just Begun (1970年)
- カーペンターズ 「雨の日と月曜日は」- Rainy Days and Mondays (1971年)
- カーペンターズ 「あなたの影になりたい」- Let Me Be the One (1971年)
- カーペンターズ 「愛は夢の中に」- I Won't Last a Day Without You (1974年: 1972年録音)
- スリー・ドッグ・ナイト 「アウト・イン・ザ・カントリー」- Out in the Country (1970年)
- ポール・アンカ 「想い出よいつまでも」- Times of Your Life (1975年)
ディスコグラフィ
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- 『ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ』 - Roger Nichols & The Small Circle of Friends (1968年)
- 『ビー・ジェントル・ウィズ・マイ・ハート』 - Roger Nichols and A Circle of Friends – Be Gentle With My Heart (1995年)
- 『フル・サークル』 - Roger Nichols and The Small Circle of Friends – Full Circle (2007年)
- 『マイ・ハート・イズ・ホーム』 - Roger Nichols and The Small Circle of Friends – My Heart is Home (2012年)
特別盤
[編集]- Roger Nichols and The Small Circle of Friends – Full Circle (Now Sounds, 2008年) - 5 曲のオリジナル・デモ・ボーナストラックを収録した Now Sounds レーベル盤。
編集アルバム
[編集]- 『トレジャリー』- Treasury (2016年)
- 『トレジャリー・エクストラ・トラックス』- Treasury Extra Tracks (2018年9月)
- 『ロジャー・ニコルス・ワークス〜スペシャル・7インチ・ボックス』- Roger Nichols Works ~ Special 7inch Box (2018年11月)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「愛のプレリュード」は、カーティス・メイフィールドらによってもカバーされた。
- ^ 「アウト・イン・ザ・カントリー」は、R.E.M. によって後年カバーされた。
出典
[編集]- ^ a b “橋本徹(SUBURBIA)× 長門芳郎(PIED PIPER HOUSE)の ロジャー・ニコルス対談” (2017年9月5日). 2023年8月31日閲覧。
- ^ “山下達郎が語る、ロジャー・ニコルス。日本で“ロジャニコ”現象を巻き起こした天才作曲家” (2021年1月1日). 2023年7月20日閲覧。
- ^ “Roger Nichols Welcomes You!”. Rnstudios.com. 15 July 2022閲覧。