コンテンツにスキップ

ロクシタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ロクシタン
L'Occitane International S.A.
種類 株式会社
市場情報 SEHK973
2010年5月7日上場
略称 L'Occitane
歐舒丹 (銘柄略称)
業種 化粧品
代表者 Reinold Geiger (会長)
資本金 44.3百万ユーロ
売上高 7億72百万ユーロ
総資産 7億85百万ユーロ(2011年3月期)
決算期 3月末日
主要株主 L'Occitane Groupe S.A.(69.18%)
関係する人物 Olivier Baussan (創設者)
外部リンク 公式サイト
テンプレートを表示

ロクシタン(L'Occitane)は、南フランス発の化粧品メーカーである。現在、ロクシタン・グループはルクセンブルクに本社機能を置く。南フランスプロヴァンス地方におけるライフスタイルを取り入れた自然派(オーガニックコスメ)のコスメティックブランドとして、1976年オリビエ・ボーサンによって創業された。

その名は南仏を中心とした中世の言語圏オクシタニア(Occitània)の女性という意味がある。

歴史

[編集]

オリビエ・ボーサンが蒸留機を用いたピュアなローズマリーエッセンシャルオイルを製造、販売したことがきっかけとなり、1976年にロクシタンを設立。1980年にはフランスのヴォルクスに第1号の店舗を開設し、通信販売サービスも始めた。アルプ=ド=オート=プロヴァンス県マノスクManosque)に本社がある[1]

1990年代中盤にはアメリカ香港イギリス支社をそれぞれ設置。日本には1996年11月に1号店を出店した。2010年5月、ロクシタンの子会社にあたるロクシタン・インターナショナルが香港証券取引所に新規上場し、日経MJによると、全株式の25%に相当する3億6412万株を売り出し約55億香港ドル(約660億円)の調達を図った[2]

2010年5月時点では約80か国に1,500店舗を展開し、日本には110以上の店舗がある。日経MJによると、2009年4月 - 12月の売上高は4億6269万ユーロ(約570億円)であり、このうちの35.2%を日本・台湾・香港が担っている[2]

特徴

[編集]

商品のラインナップはスキンケアフレグランス、ボディケア、バス製品、ホームフレグランスに分けられ、植物療法やアロマテラピーの理念に基いて作られている。製品に添加物・着色料を全く使用せず、ローズオレンジラベンダーなどの果実、グリーンティ(緑茶)、蜂蜜オリーブアーモンドなど100%植物由来の原料を使用している。

ロクシタンは独自の倫理的ガイドラインを敷いており、全ての原料を生産したのは貧困のために労働に追い立てられた子供達ではないことや、動物実験を行っていないことを保証する旨を、信念として表明している[3]。また、アフリカ原産のシアバターは生産地であるブルキナファソの女性達と相互連携して製造し、現地の女性に収益をもたらすよう計らっている。他にも、必要のない包装を省いたり、多くのラベルに点字を打つなど、環境や社会における多角的な配慮を行っている。

日本におけるロクシタン

[編集]
ロクシタンジャポン株式会社
L’OCCITANE JAPON K.K[4]
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
102-0083
東京都千代田区麹町1-6-4
住友不動産半蔵門駅前ビル10階[4]
業種 化粧品
法人番号 7010001101104
代表者 代表取締役社長木島潤子[4]
資本金 1億円[4]
従業員数 1,190名(2017年4月現在)[4]
外部リンク 公式サイト
テンプレートを表示
渋谷スクランブル交差点前にあるテラス・ド・プロヴァンス渋谷の外観

日本進出以前はパリを訪れた日本人観光客の土産物として、同社の代表的な製品である「シアバター」の人気が高かった[5]1996年11月、代理店契約を締結していた企業が東京銀座に日本初となる店舗を出店した[6]1998年にはロクシタンが全額出資する日本法人「ロクシタンジャポン株式会社」を設立[6]。翌1999年表参道交差点北青山に第一号店を開店[7]

大都市の条件の良い場所に限定した路面店や百貨店空港内などの店舗販売と、インターネットでの通信販売、全日本空輸 (ANA) ・日本航空 (JAL) での機内販売を行っている[8]。また、日本国内ではフォーシーズンズ、ホテル椿山荘東京、ホテルニューオータニ横浜ロイヤルパークホテルをはじめとしたホテルアメニティグッズとして客室に提供している [9][10]

2008年5月、東京渋谷に日本における旗艦店となる「テラス・ド・プロヴァンス渋谷」(2018年8月8日からロクシタン渋谷店 ブーケ・ド・プロヴァンス、ロクシタンカフェ・バイ・ピエール・エルメ[11])を開店させた。渋谷スクランブル交差点に面し、カフェが併設された同店の総店舗面積は世界最大規模の384平方メートル[12]。世界1,000店目で日本最大の店舗となった[13]。2008年度におけるロクシタンジャポンの売上は日本経済新聞の推計によると150億円である[8]

脚注

[編集]
  1. ^ 「会社概要――ロクシタン」 『日経産業新聞』1996年11月29日、20頁。
  2. ^ a b 「ロクシタン、香港で上場、アジアに基盤。」 『日経MJ』2010年5月14日、17頁。
  3. ^ L'OCCITANE EN PROVENCE ロクシタンの世界 ロクシタンの信念参考。
  4. ^ a b c d e 会社概要(ロクシタンジャポン株式会社)
  5. ^ 「自然派、ユニーク化粧品上陸――豪大型鳥の皮下脂肪やアフリカ産バター使用。」 『日本経済新聞』1996年12月25日朝刊、16頁。
  6. ^ a b 「仏化粧品ロクシタン、あす日本法人設立」 『日本経済新聞』1998年11月4日朝刊、11頁。
  7. ^ Fashionsnap.com ロクシタンの家が青山に 国内1号店の地から新コンセプト発信 2013年06月26日 参考
  8. ^ a b 「ロクシタン、南仏発販売術、コスメの定石打ち破れ――多店舗展開より、多チャンネル」 『日経MJ』2009年11月20日、1頁。
  9. ^ L'OCCITANE EN PROVENCE ロクシタンの世界 ホテルアメニティー参考。
  10. ^ 「Xマス商戦本番、新潟県内ホテル、お得感演出、宿泊・料理セットプラン。」 『日本経済新聞』2009年12月19日、地方経済面(新潟)、22頁。
  11. ^ ロクシタン/渋谷に新コンセプトショップ、ピエール・エルメのカフェも 流通ニュース 2018年8月6日
  12. ^ 自然派コスメ「ロクシタン」、渋谷駅前にカフェ併設の大型旗艦店 シブヤ経済新聞 2008年
  13. ^ 情報ファイル「どらく」 「ロクシタン テラス・ド・プロヴァンス渋谷」がオープン参考。

外部リンク

[編集]