ロイヤラクチン
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ロイヤラクチンは、富山県立大学の鎌倉昌樹講師が、ローヤルゼリーに含まれる女王バチへの分化を誘導する因子として2011年にNature誌[1]に単著で報告したタンパク質のことである。論文ではハチだけではなく他の種であるショウジョウバエの巨大化も引き起こせることが示されていた。高い関心を集め、国内外問わず多くの報道がなされた[2][3]。農林水産省は2011年の研究成果の7位と評価した[4]。著者には第29回とやま賞が授与された[5]。但し、以下に述べる様に、研究の再現性について議論がなされている。
論文発表後の展開
[編集]2011年~2013年に、発表されたNature論文は、不自然な図の酷似画像などについて修正が複数回なされた[1]。
2013年1月に、Retraction Watchは、著者の他の論文の図が修正されたことを記載する記事を掲載した[6]。
2013年4月に、11jigenは、著者の他の論文に不自然な酷似画像が存在することを示す記事を掲載した[7]。
2016年9月に、ロイヤラクチンが女王バチへの分化を誘導出来ないとする論文がNature誌に発表された[8]。報道もなされた[9]。鎌倉昌樹はこれに対してNature誌で反論を行なった[10]。
脚注
[編集]- ^ a b Royalactin induces queen differentiation in honeybees Nature Volume: 473, Pages:478–483 26 May 2011 Published online 24 April 2011 2016年12月9日閲覧
- ^ 女王バチになる「秘密」は…富山県立大が誘導成分発見 朝日新聞 2011年4月25日 2016年12月9日閲覧
- ^ Bees’ royal jelly secret revealed New Scientist Magazine issue 2810, published 30 April 2011 2016年12月9日閲覧
- ^ 2011年農林水産研究成果10大トピックスの選定について 農林水産省 2011年12月22日 2016年12月9日閲覧
- ^ 本学生物工学科鎌倉講師が「とやま賞」を受賞しました 富山県立大 2012年5月25日 2016年12月9日閲覧
- ^ Royal jelly figure flushed: Author removes figure from 2002 paper Retraction Watch January 16th, 2013 2016年12月9日閲覧
- ^ 富山県立大学 工学部生物工学科 機能性食品工学 論文捏造疑惑 11jigen 2013-04-06 2016年12月9日閲覧
- ^ Royalactin is not a royal making of a queen Nature Volume: 537, Pages:E10–E12 22 September 2016 2016年12月9日閲覧
- ^ No single protein determines queen development in honeybees Phys.org October 12, 2016 2016年12月9日閲覧
- ^ Kamakura replies Nature Volume: 537, Page:E13 22 September 2016 2016年12月9日閲覧