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レイシア・クラレンドン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レイシア・クラレンドン
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ニューヨーク・リバティ  No.7
ポジション シューティングガード
基本情報
英語 Layshia Clarendon
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1991-05-02) 1991年5月2日(33歳)
出身地 カリフォルニア州サンバーナーディーノ
身長 175 cm (5 ft 9 in)
体重 72 kg (159 lb)
キャリア情報
ドラフト 2013年 9位
選手経歴
2013-2015
2016-2018
2018-2019
2020-2021
2021-
インディアナ・フィーバー
アトランタ・ドリーム
コネティカット・サン
ニューヨーク・リバティ
ミネソタ・リンクス
受賞歴
WNBAオールスター (2017)
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
バスケットボール 女子
FIBA女子バスケットボール・ワールドカップ U19
2009 バンコク
FIBA女子バスケットボール・ワールドカップ
2018 スペイン

レイシア・レネー・クラレンドン (Layshia Renee Clarendon、1991年5月2日 - )は、アメリカ合衆国のプロバスケットボール選手。現在は、シューティングガードとして、WNBAミネソタ・リンクスに所属している。

アメリカ合衆国カリフォルニア州サンバーナーディーノの出身で、カリフォルニア大学バークレー校 (UCバークレー)でのプレーが評価され、2013年のドラフト9位でインディアナ・フィーバーに指名された[1][2][3]

クラレンドンはWNBAにおいて、ノンバイナリートランスジェンダーであることを公言した最初の選手である[4][5]

選手成績

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略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック  PPG  平均得点  太字  キャリアハイ

大学

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Year Team GP Points FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2009–10 UCバークレー 37 36.2 26.2 78.7 4.5 2.3 0.8 0.1 8.9
2010–11 UCバークレー 34 450 40.0 33.7 69.6 5.4 3.5 1.5 0.1 13.2
2011–12 UCバークレー 35 449 41.3 32.7 69.8 3.9 2.6 1.5 0.1 12.8
2012–13 UCバークレー 36 590 45.2 32.5 66.5 4.0 2.8 1.7 0.1 16.4
通算 UCバークレー 142 1489 41.0 31.3 69.7 4.4 2.8 1.4 0.1 10.5

出典[6]

WNBA

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Year Team GP MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG PPG
2013 インディアナ 30 19.4 33.1 25.9 40.9 1.8 1.8 0.5 0.0 4.2
2014 インディアナ 29 13.7 40.2 31.6 70.8 1.4 1.2 0.4 0.0 4.2
2015 インディアナ 29 20.8 44.5 40.6 76.5 2.7 2.0 0.7 0.0 6.7
2016 アトランタ 34 28.2 46.6 34.6 76.5 4.3 3.5 0.7 0.1 10.4
2017 アトランタ 34 29.8 37.8 18.0 87.9 3.8 6.6 0.9 0.1 10.7
2018 アトランタ/コネティカット 33 16.6 40.1 10.0 81.1 1.8 2.2 0.5 0.0 4.8
2019 コネティカット 9 15.3 41.9 100 85.7 2.4 2.1 0.3 0.0 6.2
2020 ニューヨーク 19 26.1 46.5 34.1 87.3 2.5 3.9 0.9 0.0 11.5
通算 217 21.8 41.2 28.8 79.4 2.7 3.0 0.6 0.0 7.3

出典[7]

アメリカ合衆国代表

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クラレンドンは、2009年にバンコクで行われたFIBAワールド・チャンピオンシップU19においてアメリカ合衆国代表に選ばれた[8]。クラレンドンは1試合平均4.5点を記録。アメリカ合衆国代表は優勝を果たした[9]

2018年にはFIBA女子バスケットボール・ワールドカップのアメリカ合衆国代表として6試合に出場。アメリカ合衆国代表は優勝を果たした。

社会運動

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様々な社会問題に対する活発な啓蒙活動でも知られており、特にLGBTQ+コミュニティに関する講演や執筆活動などを行なっている。

クラレンドンはトランスジェンダーおよびノンバイナリーを自認しており、また異性愛者でないことも公表している。クラレンドンの公表に対し、WNBAのコミッショナー、キャシー・エンゲルバートも支持を表明しており、「レイシアがWNBAの一員であることを誇りに思う。レイシアの声と継続的な啓蒙は多くのノンバイナリーの人やトランスジェンダーの人を勇気付ける」と答えた[10]。ニューヨーク・リバティ、およびWNBAの選手組合もクラレンドンのトランジションを支持することを発表している[11]

また、WNBAに対して、積極的に社会問題に関わるよう働きかけを行なっていることで知られている。WNBAは2014年にアメリカ合衆国のプロスポーツ・リーグで初めてLGBTQ+を支持する立場を公表するなど、進歩的であることで知られる[12][13]。2020年の夏には、黒人に対する構造的な暴力の撤廃を訴えたブラック・ライヴズ・マターが社会に広がり、クラレンドンをはじめとした選手たちがWNBAを通して継続的にメッセージを発した[14]。特に、同年3月にブリオナ・テイラーが警察官に射殺された事件を取り上げ、人種差別によって命をなくした女性を忘れないための#SayHerName(彼女の名前を言おう)キャンペーンを通して社会変革を訴えかけた[14]

私生活

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クラレンドンはキリスト教徒であることも知られている。シスジェンダーでないことや異性愛者でないことなどを理由にキリスト教から排除される中でキリストの教えを信じる可能性について答えている[5]

2017年にはジェシカ・ドランと結婚し[15]、2020年には第一子が生まれたことを発表した[16]

出典

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  1. ^ Layshia Clarendon - Women's Basketball” (英語). University of California Golden Bears Athletics. 2020年11月17日閲覧。
  2. ^ Kahrizi, Kamin (2013年2月10日). “Player Spotlight: Layshia Clarendon”. The Daily Californian. 2013年8月22日閲覧。
  3. ^ Layshia Clarendon. “Layshia Clarendon, California”. Senior Class Award. 2013年8月22日閲覧。
  4. ^ Kleen, Brendon. “WNBA’s Layshia Clarendon Shares Story Of Top Surgery As Team, Union, Commissioner Show Support” (英語). Forbes. 2021年2月5日閲覧。
  5. ^ a b Keeping the Faith | By Layshia Clarendon” (英語). The Players' Tribune (2015年8月21日). 2021年2月5日閲覧。
  6. ^ Women's Basketball Player stats”. NCAA. 2015年9月24日閲覧。
  7. ^ Layshia Clarendon WNBA Stats” (英語). Basketball-Reference.com. 2021年2月8日閲覧。
  8. ^ U19 World's Championship for women Thailand”. FIBA. 2013年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月10日閲覧。
  9. ^ Eighth FIBA Women's U19 World Championship – 2009”. USA Basketball (2010年11月30日). 2015年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ2015年10月20日閲覧。
  10. ^ Kleen, Brendon. “WNBA’s Layshia Clarendon Shares Story Of Top Surgery As Team, Union, Commissioner Show Support” (英語). Forbes. 2021年2月5日閲覧。
  11. ^ Zillgitt, Jeff. “'No one can erase us.' New York Liberty's Layshia Clarendon has successful top surgery” (英語). USA TODAY. 2021年2月5日閲覧。
  12. ^ Hess, Amanda (2014年6月11日). “The WNBA Finally Recognizes Its Lesbian Fans. It’s About Time.” (英語). Slate Magazine. 2021年2月5日閲覧。
  13. ^ Gibbs, Lindsay (2017年6月30日). “A gender nonconforming WNBA star is pushing the league forward on LGBTQ inclusion” (英語). ThinkProgress. 2019年10月8日閲覧。
  14. ^ a b Valenzuela, Sarah. “Liberty’s Layshia Clarendon defined exactly what it meant to be Black and play pro sports in 2020”. nydailynews.com. 2021年2月5日閲覧。
  15. ^ Zeigler, Cyd (2017年11月15日). “Layshia Clarendon married her wife last weekend at their alma mater” (英語). Outsports. 2020年11月17日閲覧。
  16. ^ Weldon, Shelby (2020年12月25日). “WNBA’s Layshia Clarendon and wife Jessica welcome new baby” (英語). Outsports. 2021年2月5日閲覧。