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リーダークライス(Liederkreis)作品39は、ドイツの作曲家ロベルト・シューマンが1840年に作曲した歌曲集。ドイツ・ロマン派の詩人ヨーゼフ・フォン・アイヒェンドルフの詩による全12曲からなる。
全曲のタイトルと解説[編集]
- 異郷にて In der Fremde
- 嬰ヘ短調 4分の4拍子
- ハープを模したようなアルペッジョがピアノ伴奏の全曲に貫かれ、その上に故郷を離れ、異郷をさすらう者の心情が歌われる。このリーダークライスの第1曲は当初別の曲が置かれていたが、シューマンがこれと置き換えた。
- 間奏曲 Intermezzo
- イ長調 4分の4拍子
- 全曲がピアノのシンコペーションに貫かれ、愛する人の面影に対する賛美を歌う。
- 森の対話 Waldesgespräch
- ホ長調 4分の3拍子
- この曲はドイツに古くから伝わるローレライ伝説を下敷きにしている。夜、深い森で魔女ローレライに出会ったものは、その森から二度と出られないのである。
- 曲は狩人の若者と魔女ローレライとの対話の形式で書かれ、若者は狩の角笛(Waldhorn)であらわされ、ローレライはなまめかしい分散和音で示される。
- 静けさ Die Stille
- ト長調 8分の6拍子
- この詩にはメンデルスゾーンも曲を付けており、そちらは「誰も知らない」という歌いだしのタイトルで知られている。
- 月の夜 Mondnacht
- ホ長調 8分の3拍子
- 調性をぼかした始まり方で、極めて繊細な夜の情景を描いている。
- 美しき異郷 Schöne Fremde
- 古城にて Auf einer Burg
- 異郷にて In der Fremde
- 悲しみ Wehmut
- たそがれ Zweilicht
- 森の中で Im Walde
- 春の夜 Frühlingsnacht
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