リチャード・ポプキン
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リチャード・ヘンリー・ポプキン[1](Richard Henry Popkin, 1923年12月27日 - 2005年4月14日[2])は、アメリカ合衆国の哲学者・哲学史家。近世哲学における懐疑主義の研究などで知られる。
人物
[編集]ニューヨークのユダヤ人家庭に生まれる[3]。コロンビア大学で学び、1950年、同大学で博士号取得[1]。コネティカット大学やワシントン大学など多くの大学で教えた[1]。
業績
[編集]主著『懐疑 近世哲学の源流』は、1960年の初版から2003年まで改版を重ねている。同書においてセクストス・エンペイリコスのピュロン主義の近世への影響を明らかにし、ヴェルダン、バーニェト、アナス、バーンズら後続のセクストス研究を促した[1]。
その他、ヒュームの人種主義の研究[4]、経験論と合理論に対する「第三勢力」としてのコメニウスらの研究[5]、ユダヤ教とキリスト教の関係や千年王国論の研究[2]などがある。
学術誌 Journal History of Philosophy の編集者[1]、ブリル社 (Brill) の叢書 Studies in Intellectual History の創刊者でもある。
ケネディ暗殺事件について自説(犯人オズワルド瓜二つ説)を述べた著書もある[6]。
著作
[編集]日本語訳
[編集]- 『懐疑 近世哲学の源流』野田又夫・岩坪紹夫 訳、紀伊国屋書店、1981年。NDLJP:12215225(原著: The History of Scepticism from Erasmus to Descartes, 1960)
- 「近代の懐疑主義」宮武昭 訳、『知の分光学 叢書ヒストリー・オヴ・アイディアズ』平凡社、1987年。ISBN 4582733697
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e 宮武昭「解説「懐疑主義」について」、『知の分光学 叢書ヒストリー・オヴ・アイディアズ』平凡社、1987年。ISBN 4582733697。254-255頁。
- ^ a b Jeremy D. Popkin. “Richard H. Popkin (1923-2005) | University of Kentucky College of Arts & Sciences”. history.as.uky.edu. 2024年5月12日閲覧。
- ^ “吉本秀之2001年度東京外大大学院 吉本「ヨーロッパ歴史文化論 I:17世紀の科学と思想」”. www.tufs.ac.jp. 2024年5月12日閲覧。
- ^ 西内亮平「ヒュームと人種主義」『人間存在論』第27号、京都大学大学院人間・環境学研究科『人間存在論』刊行会、2021年。 NAID 120007141941 。61頁。
- ^ 相馬伸一「17世紀の教育思想 : その再解釈のためのいくつかのアプローチ(報告論文,17世紀の教育思想,Forum 2)」『近代教育フォーラム』第12号、教育思想史学会、2003年。 NAID 110009927884 。44頁。
- ^ The Second Oswald. Avon Books (1966). ISBN 1886420270