ヨーゼフ・ツヴェルネマン
ヨーゼフ・ツヴェルネマン Josef Zwernemann | |
---|---|
渾名 | ユップ |
生誕 |
1916年3月26日 ドイツ帝国 キルヒヴォルビス |
死没 |
1944年4月8日 (28歳没) ドイツ国 ガルデレーゲン付近 |
所属組織 | ドイツ国防軍空軍 |
軍歴 | 1935年 – 1944年 |
最終階級 | 大尉 (Hauptmann) |
ヨーゼフ・ツヴェルネマン(独:Josef Zwernemann、1916年3月26日 - 1944年4月8日)は、ドイツの空軍軍人。最終階級は空軍大尉。第二次世界大戦で総出撃回数600回、総撃墜数126機を誇るエース・パイロットであり、その功績から柏葉付騎士鉄十字章を受章した。
ツヴェルネマンの僚機を務めた軍人の中には、後に史上最多の撃墜数を誇ることになるエーリヒ・ハルトマンなどがいる。
経歴
[編集]1916年3月26日にドイツ帝国キルヒヴォルビスに生まれた。先述のようにエース・パイロットとして知られているが、最初に入隊したのはドイツ国防軍海軍である。1940年3月1日、海軍での基礎訓練を終えるとドイツ空軍第52戦闘航空団 (JG52) 第7中隊に伍長 (Unteroffizier) として配属され、その2か月後のフランス侵攻に参戦した[注釈 1]。同年7月にはイギリスの戦闘機スーパーマリン スピットファイアを撃墜し、最初の戦果を上げた。1941年5月にはクレタ島の戦いにも参戦している。
1941年6月にバルバロッサ作戦が開始されると戦果は急激に増加し、戦闘大隊 (Jagdgruppe) 内で一目置かれる存在となった。同年内に20機を撃墜したことで、12月12日には空軍名誉杯を贈られた。また、1942年5月には撃墜数が30機となり、同年5月25日にドイツ十字章金章を受章した。飛行兵曹長 (Oberfeldwebel) となった後、同年6月23日に57機撃墜の戦功から騎士鉄十字章も受章している。同年9月にはさらに30機以上を撃墜し、10月1日に4機を撃墜したことで総撃墜数103機となった。その戦功により、騎士鉄十字章の一階級上である柏葉付騎士鉄十字章を受章した。1943年の春には少尉 (Leutnant) へ昇進した。
JG52第9中隊に移った後はさらに活躍を伸ばし、1943年4月15日に113機目を、5月7日には117機目を撃墜した。そのうち、4月15日に撃墜した機にはソ連邦英雄であるディミトリー・グリンカ中尉が搭乗していた。同年5月末には東部予備戦闘飛行隊に配属され、再び戦線に戻ったのは秋のことである。その際、所属がJG52からイタリアの第77戦闘航空団 (JG77) 第3中隊へ変更されている。同年12月15日には再び配属が変わり、第11戦闘航空団 (JG11) 第1中隊へ移ったが、そこでも9機撃墜を誇ったうえ、ジークフリート・ジムシュ大尉の代理として中隊長を務めており、1944年4月1日に大尉 (Hauptmann) へ昇進した。
1944年4月8日、ローテンブルクをJG11第I飛行隊と第II飛行隊とともに飛び立った後、P-51によって先導されたB-24の編隊と遭遇した。6機のP-51と8機のB-24を撃墜したものの、JG11側も戦死11名、負傷3名の損害を受けたうえ、自身もこの空中戦で受けた銃撃により戦死した。
叙勲
[編集]- 鉄十字章
- 二級鉄十字勲章1939年章(1941年4月)[1]
- 一級鉄十字勲章1939年章(1941年8月)[1]
- 空軍名誉杯[2][注釈 2]
- ドイツ十字章
- ドイツ十字章金章 [4]
- 騎士鉄十字章
- 騎士鉄十字章(1942年6月23日)[5]
- 柏葉付騎士鉄十字章(1942年10月31日)[5]
脚注
[編集]- ^ a b Thomas 1998, p. 478.
- ^ Patzwall 2008, p. 225.
- ^ Obermaier 1989, p. 55.
- ^ Patzwall and Scherzer 2001, p. 534.
- ^ a b Scherzer 2007, p. 810.
注釈
[編集]- ^ For an explanation of the meaning of Luftwaffe unit designation see Luftwaffe Organization
- ^ According to Obermaier on 12 December 1941.[3]
参考文献
[編集]- Fellgiebel, Walther-Peer (2000) (German). Die Träger des Ritterkreuzes des Eisernen Kreuzes 1939–1945 – Die Inhaber der höchsten Auszeichnung des Zweiten Weltkrieges aller Wehrmachtteile [The Bearers of the Knight's Cross of the Iron Cross 1939–1945 — The Owners of the Highest Award of the Second World War of all Wehrmacht Branches]. Friedberg, Germany: Podzun-Pallas. ISBN 978-3-7909-0284-6
- Obermaier, Ernst (1989) (German). Die Ritterkreuzträger der Luftwaffe Jagdflieger 1939 – 1945 [The Knight's Cross Bearers of the Luftwaffe Fighter Force 1941 – 1945]. Mainz, Germany: Verlag Dieter Hoffmann. ISBN 978-3-87341-065-7
- Patzwall, Klaus D.; Scherzer, Veit (2001) (German). Das Deutsche Kreuz 1941 – 1945 Geschichte und Inhaber Band II [The German Cross 1941 – 1945 History and Recipients Volume 2]. Norderstedt, Germany: Verlag Klaus D. Patzwall. ISBN 978-3-931533-45-8
- Patzwall, Klaus D. (2008) (German). Der Ehrenpokal für besondere Leistung im Luftkrieg [The Honor Goblet for Outstanding Achievement in the Air War]. Norderstedt, Germany: Verlag Klaus D. Patzwall. ISBN 978-3-931533-08-3
- Scherzer, Veit (2007) (German). Die Ritterkreuzträger 1939–1945 Die Inhaber des Ritterkreuzes des Eisernen Kreuzes 1939 von Heer, Luftwaffe, Kriegsmarine, Waffen-SS, Volkssturm sowie mit Deutschland verbündeter Streitkräfte nach den Unterlagen des Bundesarchives [The Knight's Cross Bearers 1939–1945 The Holders of the Knight's Cross of the Iron Cross 1939 by Army, Air Force, Navy, Waffen-SS, Volkssturm and Allied Forces with Germany According to the Documents of the Federal Archives]. Jena, Germany: Scherzers Miltaer-Verlag. ISBN 978-3-938845-17-2
- Thomas, Franz (1998) (German). Die Eichenlaubträger 1939–1945 Band 2: L–Z [The Oak Leaves Bearers 1939–1945 Volume 2: L–Z]. Osnabrück, Germany: Biblio-Verlag. ISBN 978-3-7648-2300-9
- Weal, John (2011). Fw 190 Defence of the Reich Aces. Oxford, UK: Osprey Publishing Limited. ISBN 978-1-84603-482-4.