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ヨリトフグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヨリトフグ
Sphoeroides pachygaster
メキシコ湾で採取されたもの
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
: フグ科 Tetraodontidae
: ヨリトフグ属 Sphoeroides
: ヨリトフグ S. pachygaster
学名
Sphoeroides pachygaster
(Müller and Troschel, 1848)
英名
Blunthead puffer

ヨリトフグ (Sphoeroides pachygaster) とは、フグ目フグ科に属する海水魚。

別呼称として、神奈川県小田原ではカワフグ(皮河豚)[1][2]デデフグ[1][2][3]静岡県沼津、大分県大分市ではミズフグ(水河豚)[1][2][3]愛知県蒲郡市三谷、西尾市一色ではチョウチンフグ(提灯河豚)と呼ばれる[1][2][3]

分布

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世界中の温暖な海に分布する[1]日本では、太平洋側では千葉県以南、日本海側では富山県以南に、それぞれ分布する[1]

生態

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体長は30cm程度で、水深100-500mの大陸棚縁辺部に棲息し、体には無数の細い線がある[1]

人間との関わり

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食用として漁獲されるが、その量は少ない[1]。釣りの際には針にかかると海水を吸い込み、釣り上げるのに難儀するわりに他のフグよりかなり味が劣るので、嫌われる傾向にあるという[1]。名前は釣り上げると水を吸い込んで糸が縒れることに由来し、縒り糸がなまってヨリトとなった。

筋肉・皮・精巣のいずれを食しても健康に害はおよばないとされ[3]伊豆半島などでは肝臓も加えてぶつ切りにし、みそ汁の具として食用されていた[2]。長年にわたって無毒と思われてきたが、肝臓から毒が検出されたことがある[4]。厚生労働省はフグの肝臓を可食部位と認めておらず、肝臓の販売を禁止している[3]。卵巣も有毒の可能性があるが、毒性は不明である。

上記の理由から長らく食されていた地域もあり、2018年1月には愛知県蒲郡市スーパーマーケットで肝臓を含む切り身が販売され、県が立ち入り調査に入ったことが報じられた[5][6][7]

脚注

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h i 魚と貝の事典 2005, p. 426.
  2. ^ a b c d e ヨリトフグ|魚類”. 市場魚貝類図鑑. ぼうずコンニャク. 2018年1月15日閲覧。
  3. ^ a b c d e フグの衛生確保について(局長通知)(S58.12.2)(最終改正:平成29年9月21日生食発0921第1号)”. 厚生労働省 (2017年9月21日). 2018年1月16日閲覧。
  4. ^ 照屋菜津子大城直雅玉那覇康二 (2006年). “沖縄近海産フグの毒性調査 沖縄県衛生環境研究所報 第40号” (PDF). 沖縄県. 2018年1月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年1月17日閲覧。
    照屋菜津子大城直雅玉那覇康二沖縄近海産フグの毒性調査(Toxicity of puffers from Okinawa)」『『沖縄県衛生環境研究所報』』第40巻、沖縄県衛生環境研究所、2006年、93-98頁、NAID 40015409814NCID AN10517145 
  5. ^ “肝臓含むフグ、1パックは食べられた後 残りは回収”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2018年1月16日). オリジナルの2018年1月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180117135703/https://www.asahi.com/articles/ASL1J44VXL1JOIPE00R.html 2018年1月17日閲覧。 
  6. ^ “有毒部位混入のフグ販売、2パック不明 蒲郡”. 中日新聞 (中日新聞社). (2018年1月16日). オリジナルの2018年1月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180117135953/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018011590232841.html 2018年1月17日閲覧。 
  7. ^ “県が立ち入り調査 蒲郡、フグ肝臓販売のスーパー”. 中日新聞 (中日新聞社). (2018年1月17日). オリジナルの2018年1月17日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180117135948/http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018011790000132.html 2018年1月17日閲覧。 

参考文献

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  • 望月賢二監修、魚類分化研究会編纂『魚と貝の事典』柏書房、2005年。ISBN 4760126570