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ユニバーサル・ジュネーブ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユニバーサル・ジュネーブ社 ポールルーターデート
ユニバーサル・ジュネーブ社 ホワイトシャドウ ジェラルド・ジェンタがデザインしたタイプ
トリコンパックス(キャリバー481)
マイクローターの動作。機械に埋め込まれた小型ローターにより薄型化を実現した

ユニバーサル・ジュネーブ(仏:Universal Genève )は、スイスにある時計メーカーである。

懐中時計の時代から複雑時計を得意とした[1]クォーツショック以前はクロノグラフのキャリバーも自製するマニュファクチュールであり、クロノグラフのコンパックスシリーズ、小型ローターによる自動巻キャリバーを使用したポールルーター(Polerouter )シリーズがメーカーを代表する製品として知られている。

歴史

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  • 1894年[1]1月18日 - ユリス・ジョルジュ・ペレ[1]Ulysse Georges Perret、1868年 - 1933年8月12日)とヌーマ・エミーユ・デコームNuma Emile Descombes、1863年 - 1897年7月22日)がル・ロックル[2]にユニバーサル(Universal )を設立した。
  • 1917年 - 腕時計のクロノグラフを発売。工場をジュネーヴに移転。
  • 1934年 - 本社をジュネーヴに移転し、社名を"Universal Watch Co Ltd. Genève"に変更した。
  • 1937年 - "Universal Genève"を商標登録した。
  • 1942年 - パイロット用に考案した時刻メモ用の文字盤、メメントダイヤルで特許取得[2]
  • 1955年 - 小型ローターによる自動巻キャリバーを発表。
  • 1975年 - 当時世界最薄のクォーツキャリバーであったキャリバー74を開発。

その後はクォーツショックにより衰退したが、辛うじて命運を保った。1989年香港の Stelux Holdings International, Ltd.(Cymaも所有している)に買収された。このため、21世紀の現在では香港や中国を中心に製品を発売しており、日本では代理店等を置いていない。このため新作の入手は困難となっている。

2023年12月12日、ユニバーサル・ジュネーブはブライトリングに買収された。[3]

コンパックス

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コンパックスはユニバーサル・ジュネーブが使用しているクロノグラフのブランドで、当初は大型のキャリバー285、キャリバー287が使用されたがその後小型のキャリバー283、キャリバー481、キャリバー281に置換され、1970年頃まで自社製機械を使用していた。

  • コンパックスCompax ) - 1時間の積算計を持つ2レジスタ−クロノグラフ[1]
  • エアロ・コンパックスAero-Compax ) - 30分と12時間の積算計を持つ普通のクロノグラフであるが、12時位置にメメントダイヤルを持ち9時位置のリューズで操作するようになっている[2][注釈 1]
  • ダト・コンパックスDato-Compax[注釈 2] ) - クロノグラフに日付表示を加えたもの。
  • メディコ・コンパックスMedico-Compax ) - 簡易脈拍計測機能の付いた医療従事者用。
  • ユニ・コンパックスUni-Compax ) - 30分の積算計を持つ2レジスタークロノグラフ[1]
  • トリ・コンパックスTri-Compax[注釈 3] ) - このシリーズの頂点に位置する製品で、30分積算計と12時間積算計を持つクロノグラフに加え月、日、曜日、ムーンフェイズを装備しており、量産された腕時計の中では最も複雑な製品の1つに数えられる。ただし月の変更は手動[1]

注釈

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  1. ^ この文字盤にある針は機械と接続されていない。
  2. ^ DatoはDateの間違いではなくこのスペルで正しい。
  3. ^ トリプルコンパックスと表記・俗称されることがあるが、日本でのみ使用される誤った呼称である。

出典

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  1. ^ a b c d e f 『腕時計 男のグッズ100シリーズ1』pp.36-37「トリ・コンパックス」。
  2. ^ a b c 『腕時計 男のグッズ100シリーズ1』pp.26-27「エアロ・コンパックス」。
  3. ^ Instagram”. www.instagram.com. 2023年12月12日閲覧。

参考文献

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  • ワールドフォトプレス編『腕時計 男のグッズ100シリーズ1』光文社文庫 ISBN 4-334-70494-8

外部リンク

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