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ヤブレガサ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤブレガサ属
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: ヤブレガサ属 Syneilesis
学名
Syneilesis Maxim.
  • 本文参照

ヤブレガサ属(ヤブレガサぞく、学名Syneilesis )はキク科の1つ。

特徴

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地下茎が横に長く這う、温帯林下に生育する多年草根出葉は1枚、葉は円形で掌状に多裂する。春に、破れた傘をすぼめたユニークな形で芽出し、その傘を開くように成長する。頭花円錐花序または散房状花序につける。総苞は円筒状、総苞片は5個。頭花はすべて両性の筒状花からなる。

分布

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東アジアに分布し、5-6種知られている。日本では次の3種が知られている。ただし、タンバヤブレガサ1933年採取の標本のみが残り、現在、生育が確認されていない。2000年レッドデータブックでは絶滅種とされた。

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この節での「日本の種」「国外の種」の定義は、下記<注釈>[1]のとおり。

日本の種

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  • タンバヤブレガサ Syneilesis aconitifolia (Bunge) Maxim. var. longilepis Kitam. - 京都府船井郡日吉町胡麻郷(現:南丹市)にあった稀な植物。頭花は散房状花序につき、花茎の葉腋にむかごがつかない。現在は生育が確認されていない。基本種は、朝鮮半島、中国に分布するホソバヤブレガサ Syneilesis aconitifolia で、その変種。
  • ヤブレガサ Syneilesis palmata (Thunb.) Maxim. - 頭花は円錐花序につく。日本の本州・四国・九州、朝鮮に分布する。
  • ヤブレガサモドキ Syneilesis tagawae (Kitam.) Kitam. - 頭花は散房状花序につき、花茎の葉腋にむかごがつく。四国の一部にごく稀に生育する。
    • ヒロハヤブレガサモドキ Syneilesis tagawae (Kitam.) Kitam. var. latifolia H.Koyama

国外の種

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  • ホソバヤブレガサ Syneilesis aconitifolia (Bunge) Maxim. - 朝鮮半島、中国(東北部、北部)に分布する。
  • Syneilesis australis Ling - 中国安徽省、浙江省に分布する。
  • タカサゴヤブレガサ Syneilesis intermedia (Hayata) Kitam. - 台湾に分布する。
  • Syneilesis subglabrata (Yamam. & Sasaki) Kitam. - 台湾に分布する。

注釈

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  1. ^ <注釈>:種の節での「日本の種」とは、日本の主要な植物誌の一つである『日本の野生植物(平凡社)』で、「日本に野生する」種として掲載されているもの、『BG Plants 和名−学名インデックス(YList)』で、「北海道から沖縄・小笠原までの日本に自生、帰化している全ての維管束植物と主な栽培植物」として掲載されている種(外国産種とされるものを除く。)等をいい、「国外の種」とは、それ以外の種をいう。したがって、「日本の種」には、日本に分布するが、日本以外でも分布するものも含まれる場合がある。

参考文献

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