メルヒオール・トロープ
メルヒオール・トロープ(Melchior Treub、1851年12月26日 - 1910年10月3日)はオランダの植物学者である。ジャワ島ボイテンゾルグのボゴール植物園で働いた。熱帯植物の研究で知られる。
略歴
[編集]フォールスホテンで生まれた。1873年にライデン大学の生物学科を卒業し、ライデン大学に助手として残った。1880年から1909年まで、オランダ領東インドの植物学者を務めた。1879年にオランダ王立科学アカデミーの会員に選ばれ[1]、1880年からボイテンゾルグの植物園の園長を務め、植物園の研究施設としての評価を高めた。トロープのもとで、栽培植物の病害に関する重要な研究がなされた。1903年にLandbouw Hogechool(農業専門学校)を設立し、これは第二次世界大戦後にボゴール農科大学となる。1905年に新設されたオランダ領東インドの農業局の局長となった[2][3]。植物の収集のために、インドネシア、フィリピン、スリランカ、シンガポール、ペナンを旅し、植物形態学、植物生理学を研究し、Balanophoraceae 科(ツチトリモチ科)、Loranthaceae 科(ヤドリギ科)、Lycopodiaceae 科 (ヒカゲノカズラ科)の形態学の論文を書いた[2][3]。シダ植物の発芽の段階における「プロトコーム」(仮根)の研究でも知られる[4] 。健康の悪化により1909年にオランダに戻るまで30年近く、インドネシアで働いた。フランスのリビエラのサンラファエルで療養し、1910年に没した。
1891年にコテニウス・メダル、1907年にリンネ・メダルを受賞した。ゲーベル(Karl Ritter von Goebel)によってトロイブゴケ亜綱(Treubiidae)トロイブゴケ科(Treubiaceae)のコケ植物の属名 Treubia(トロイブゴケ)に命名された[5]。
参考文献
[編集]- ^ “Melchior Treub (1851 - 1910)”. Royal Netherlands Academy of Arts and Sciences. 19 July 2015閲覧。
- ^ a b Nationaal Herbarium Nederland (biographical data)
- ^ a b JSTOR Global Plants (biography)
- ^ [1] Botanical Bulletin of Academia Sinica, Vol. 46, 2005 Protocorm or rhizome? The morphology of seed germination in Cymbidium dayanum
- ^ JSTOR The Archegonium and Sporophyte of Treubia Insignis Goebel by Douglas Houghton Campbell Page 261 of 261-273.