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ムラサキオモト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ムラサキオモト
ムラサキオモトの葉
(2024年10月 沖縄県国頭郡東村)
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: ツユクサ目 Commelinales
: ツユクサ科 Commelinaceae
: ムラサキツユクサ属 Tradescantia
: ムラサキオモト
T. spathacea
学名
Tradescantia spathacea Sw.
シノニム
英名
boatlily, oyster plant
ボート型の花苞に挟まれる花
(2024年11月 沖縄県石垣市)
歩道へ植栽
(2024年10月 沖縄県国頭郡東村)

ムラサキオモト(紫万年青、学名:Tradescantia spathacea)はツユクサ科ムラサキツユクサ属の多年生草本。

特徴

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高さ15–50 cm。茎は10 cmほどと短く、ロゼット状に葉が密集する。葉は多肉質で長楕円状披針形で長さ15–30 cm、幅3–5 cm、葉先は鋭形で基部は茎を抱く。葉の表は暗緑色で裏は紫色。矮性品種の他、縦縞の斑が葉に入る改良品種もある。花は白色で、株元の葉腋から出るボート型の花苞に挟まれるように咲く。萼片・花弁ともに3枚で、雄しべは花糸に細毛がある。花期は夏。日当たりを好む。夏は灌水を多くする。栽培適温は8℃以上で、沖縄県内では屋外で越冬するが、寒さには弱いので冬は水を控える。繁殖は実生か株分けによる[1][2][3][4][5][6][7]

分布と生育環境、利用

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中米(西インド諸島、メキシコ、ベリーズ、グアテマラ)原産。日本へは1816年に渡来し、観葉植物として温室で栽培されてきた。沖縄では庭や花壇で利用されるほか、林縁、岩場や道端に逸出帰化。ツユクサ科の他の種と同様に、理科教育において原形質分離の実験材料に用いられる[3][4][5][6][7]

脚注

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  1. ^ (池原 1979, p. 196)
  2. ^ (白井 1980, p. 148)
  3. ^ a b (植村ほか 2015, p. 454)
  4. ^ a b (土橋 & 椎野 2017, p. 84)
  5. ^ a b (日本インドア・グリーン協会 2020, p. 118)
  6. ^ a b (沖田原 2021, p. 140)
  7. ^ a b (林 & 名嘉 2022, p. 186)

参考文献

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  • 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑 第2巻 栽培植物』新星図書出版、1979年。  ※ 学名Rhoeo spathaceaとしている
  • 白井祥平『沖縄園芸植物大図鑑』 2巻《観葉植物(上)》、沖縄教育出版、那覇市、1980年。  ※ 学名Rhoeo discolorとしている
  • 植村修二ほか編著『増補改訂 日本帰化植物写真図鑑 第2巻 -Plant invader 500種-』全国農村教育協会、2015年。ISBN 9784881371855 
  • 土橋豊; 椎野昌宏『カラーリーフプランツ』誠文堂新光社、東京、2017年。ISBN 9784416615775 
  • 日本インドア・グリーン協会『熱帯植物図鑑』誠文堂新光社、東京都文京区、2020年。ISBN 9784416918852 
  • 沖田原耕作『おきなわの園芸図鑑 園芸植物とその名前』新星出版、那覇市、2021年。ISBN 9784909366832 
  • 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350 

外部リンク

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