ミナミコメツキガニ
ミナミコメツキガニ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() 西表島・船浦湾の干潟
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Mictyris brevidactylus Stimpson, 1858 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ミナミコメツキガニ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Soldier crab |
ミナミコメツキガニ(南米搗蟹、Mictyris brevidactylus)は、エビ目(十脚目)・ミナミコメツキガニ科に分類されるカニの一種。東南アジア熱帯域の干潟に生息する小型のカニである。外見や生態はコメツキガニに似ているが、科のレベルで分類が異なる(コメツキガニはスナガニ科である)。ミナミノコメツキガニとも言う。
特徴
[編集]分布
[編集]種子島以南の南西諸島から台湾、香港、フィリピンまで分布する。琉球列島に棲息するものは2010年に琉球列島固有種の新種と同定された[1]。
形態
[編集]甲幅は10mmほどで、生きているときは甲羅部分が青灰色をしている。複眼部分がやや尖った球形をしていて、甲羅の背中側中央に浅いU字型の溝がある。複眼はコメツキガニほど大きくない。甲羅のわりに口は大きく、半球形の顎脚が大顎を覆う。鋏脚は左右が同じ大きさで、はさみ部分は細く、二又のフォークのようになっており、砂をすくうのに都合がよい構造をしている。脚は細長く、甲幅よりも長い。
生息環境・生態
[編集]河口域に広がる軟らかい干潟に生息し、マングローブの海側の泥地などに多い。潮が引いた干潟の上で大きな群れをつくり、脚で体をかつぎ上げたような高い姿勢でゾロゾロと歩き回る。カニは横に歩くものが多いが、ミナミコメツキガニは前に歩くことが特徴。集団で前に歩く様が軍隊の隊列に似ていることから、"Soldier crab"という英名がある。コメツキガニとちがい、巣穴を作らない。
餌は砂泥中のデトリタスやプランクトンなどで、歩きながら砂泥を鋏脚でつまんで口に運び、砂泥中の餌をこしとって食べ、砂を球状にして足下へ捨てる動作を繰り返す。
天敵はサギ、シギ、チドリなどの鳥類やフエダイ、オオウナギなどの魚類、アシハラガニやベニツケガニなどの大型のカニであるが、このカニは逃げ込む巣穴を持たないかわりに、敵が来ると一瞬で足下の砂泥の中へ潜りこむ特技をもつ。これは脚で砂泥をかきながら、自分の体をねじのように回転させ、砂泥にすばやくねじ込むという一連の行動による。潮が満ちた時も同様に砂泥中にもぐり、次に潮が引くまで砂泥の中で過ごす。
食材として
[編集]日本国内において食材としては一般的ではない。また、実際に食べた場合に、味覚の一時的な異常が起きる事がある[2]。
参考文献
[編集]- 「原色日本大型甲殻類図鑑 II」三宅貞祥 保育社 ISBN 4-586-30063-9
- 「学生版 日本動物図鑑」内田亨監修 北隆館 ISBN 4-8326-0042-7
脚注
[編集]- ^ 琉球大学亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構の成瀬貫特命助教らが参加した国際的な研究班が同年、国際科学誌に新種として発表。(琉球新報 2010年8月27日)
- ^ “「ミナミコメツキガニ」を食べたら謎のケミカルな甘さが舌を襲った”. デイリーポータルZ. 2019年5月23日閲覧。