マルチプルタイタンパー
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マルチプルタイタンパー (Multiple Tie Tamper) とは鉄道の保線用機械の一種[1]。略してMTTまたはマルタイとも呼ばれる[2]。一般の鉄道車両と同様にレール上を自車の車輪で自走できるが、一般的には車籍を有しない機械扱いであり、これを用いて作業を行う時には線路閉鎖が行われる。
目的
[編集]列車走行に伴うレールのゆがみを矯正するために使われる。バラスト軌道の場合、列車が走行すると枕木が沈降し、レールがわずかにゆがむ。このゆがみは列車の乗り心地を悪化させる上に、高速走行を阻害する原因にもなり、定期的なメンテナンス(保線)が必要である。
マルチプルタイタンパーが導入される前は、つるはし(ビタ、ビーター)やタイタンパーで保線作業を行っていたが、大量の人員と長時間にわたる作業時間を要していた。
最新の機械では、機械操作に2人から3人、その他監視等に1人から2人で作業でき、一般軌道では100メートルを10分から15分程度でつき固めることができる。
機能・構造
[編集]機械がレールを掴んでミリ単位で持ち上げ、枕木下に隙間を設ける→ツール(爪のような部分)で砂利を突き固め、枕木下に砕石を入れることで予定の高さに線路を直していく。
またペダル操作により自走できるため作業もスムーズにできる。この作業で突き固めだけでなく、同時に高さの調整(高いところを低くすることはできない)や左右方向の歪み(狂い)も直している。ポイント部分でも突き固めることのできる高機能なものもある。最近ではこの作業の邪魔にならない形状のATS地上子が増えていて、突き固めたときに飛び散るバラストから地上子を保護するカバーも設置が進んでいる。
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突き固める様子
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振える爪部分
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砂利に突き刺した爪
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参考)タイタンパーが付いた重機
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JR西日本のMTT-7021
主なメーカー
[編集]関連項目
[編集]- 保線
- 締固め用機械
- 日本機械保線
- 宇宙家族カールビンソン - 保線車両ではなく、二足歩行ロボットとして登場。
- 田中要次 - 元保線マンの俳優。現役時代にマルチプルタイタンパーの塗装を塗りかえる際、自身が提案した案が採用されたとタモリ倶楽部で明かした。
- マルタイ(食品メーカー) - 「マルタイ」つながりでJR東海と「マルチプルタイタンパーラーメン」というコラボレーション企画を開催[3]。
脚注
[編集]- ^ “改良型「マルチプルタイタンパー」の導入について” (PDF). JR東海. 2021年3月15日閲覧。
- ^ “交通システム本部/取扱製品一覧”. 三井物産プラントシステム. 2021年3月15日閲覧。
- ^ “JR東海、「マルタイラーメン」コラボキャンペーン。「マルチプルタイタンパー」デザインの電動自転車プレゼントも”. トラベルWatch. (2021年1月27日)