ポリメチルペンテン
表示
ポリメチルペンテン(polymethylpentene, PMP)は、ポリオレフィン樹脂の一種に当たる 熱可塑性樹脂に属する合成樹脂。CAS番号は25068-26-2。
TPXとも呼ばれるが、独占メーカーである三井化学の登録商標である。
製法
[編集]プロピレンをアルカリ金属触媒で反応させ、得られたメチルペンテンをチーグラー・ナッタ触媒を使用して重合する。
- CH2=CH−CH3 + CH2=CH−CH3 → CH2=CH−CH2−CH−2(CH3) …4-メチルペンテン-1
- n CH2=CH−CH2−CH−2(CH3) → [−CH2−C(−CH2−CH−2(CH3))H−]n
特徴
[編集]- 透明。
- 密度0.83は熱可塑性樹脂としては最小。
- クリープ特性が良好で、HDPEやPPよりも優れている。
- 耐熱性は高く、融点230~240℃、ビカット軟化点160~170℃。
- 耐薬品性に優れる。
- 表面張力はフッ素樹脂に次ぎ小さい。
- 電気絶縁性に優れ、誘電率は合成樹脂中最小。
歴史
[編集]インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(ICI)が発明し製造販売を開始したが、現在では三井化学が事業譲渡を受け、同社のみが製造販売を行っている。
用途
[編集]医療用機器や理化学機器で広く使用されている。注射器、ビーカー、シャーレ、メスシリンダーなどはガラス素材からの転化が進んでいる。同様に食品や化粧品容器にも利用される。
フィルムは包装用の他に、離型ライナーとして工業分野で利用されるほか、光学用途に向けた研究も行われている。リケンファブロの食品用ラップフィルム「フォーラップ」の材料である。
参考文献
[編集]- 大井秀三郎・広田愃 著『プラスチック活用ノート』 伊保内賢編、工業調査会、1998年。ISBN 4-7693-4123-7