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ベーレンホイターの女

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベーレンホイターの女
ジャンル SF漫画
漫画:サイボーグ
作者 水木しげる
出版社 エンゼル文庫
掲載誌 恐怖マガジン
発行日 1960年
その他 貸本漫画
漫画:ベーレンホイターの女
作者 水木しげる
出版社 双葉社
掲載誌 漫画アクション
発表号 1970年12月17日号 - 読み切り
その他 『サイボーグ』リメイク
テンプレート - ノート

ベーレンホイターの女』(ベーレンホイターのおんな)は、水木しげるによる日本の短編漫画作品。初出は『漫画アクション』(双葉社1970年12月17日号[1]。元々は、同誌にシリーズ連載されていた『怪奇幻想旅行』の一編だが、独立した読み切り作品である。水木しげるの貸本漫画『サイボーグ』のリメイク作品。

概要

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莫大な報償と引き換えにサイボーグに改造された男の悲哀を描いた物語であり、虚無感や諦観がユーモアとともに表現された哲学的な作品ともされる[2][3]。 サイボーグになった主人公が息子と風呂に入る場面は特に印象的とされ、『ベーレンホイターの女』を傑作のひとつとして推す声もある[2]

1960年に発表された貸本漫画『サイボーグ』と大筋の展開は同じだが、人物設定や物語の結末などが異なっている。なお、『サイボーグ』発表当時は「サイボーグ」の名称はまだ一般化しておらず、日本で最初に「サイボーグ」という言葉を使用した漫画とされている[4]

あらすじ

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実業家の猫山は事業に失敗して莫大な借金を残し国外に逃亡する。そこで猫山は宇宙医学の科学者に出会い、莫大な報償と引き換えに宇宙ロケットの乗員になり、そのための肉体改造を承諾する。

猫山の目、口、生殖器が入れ替えられ、手術に次ぐ手術で人工器官が植え込まれてゆく。そして、宇宙の異常な環境に適応できるサイボーグが遂に完成する。

宇宙に発つ前、猫山は家族に会いに行くが、面影を残さない異形の姿のため化物扱いされてしまう。猫山は孤独に震えるが、機械となった体は涙を流すこともできなかった。

やがて猫山は宇宙ロケット「ベーレンホイター号」で宇宙に旅立ち、マスコミからは「ベーレンホイターの女」と騒がれる。それから数十年、ベーレンホイターの女は宇宙を飛び続けるが、そこには巨大な無が横たわっているだけだった。もう家族のことや、自分が変身したことすら忘れかけようとしていた。

書誌情報

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比較的、最近の刊行物を記載。

ベーレンホイターの女

サイボーグ

脚注

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  1. ^ 『別冊新評 水木しげるの世界』(1980年、新評社)の「水木しげる作品リスト」を参考。
  2. ^ a b 『ダ・ヴィンチ Vol.230』 2013年6月, pp. 134-135
  3. ^ 妖怪まんだら 2010, p. 56
  4. ^ 妖怪まんだら 2010, p. 67

参考文献

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  • 山口信二『水木しげる貸本漫画のすべて』YMブックス、2007年5月。ISBN 978-4-903548-08-1 
  • 『妖怪まんだら 水木しげるの世界』世界文化社、2010年7月。ISBN 978-4-418-10121-4 
  • 『ダ・ヴィンチ Vol.230』 メディアファクトリー、2013年6月