ベルリナー判
ベルリナー判(ベルリナーばん、英: Berliner format)は、国際的な新聞判型の一つで、大きさはおおむね315mm×470mm(12.4インチ×18.5インチ)前後を標準とするが、地域や新聞社によって寸法は異なる。
国際的新聞判型におけるタブロイド判(285×400mm)よりやや大きく、国際的新聞判型のブロードシート判や、日本のローカル判型のブランケット判より一回り小さい。
概要
[編集]20世紀初頭に「北ドイツ判」(ノルディッシュ判、400×570mm)や「フランス判」との対比で、ドイツのベルリン市にちなんで名付けられた新聞判型である。「ベルリナー」の略称を持つドイツの大手日刊紙『ベルリナー・ツァイトゥング』(Berliner Zeitung)とは無関係で、同紙の判型はベルリナー判ではなくレニッシュ判の327mm×485mmである。
ドイツの『ディ・ターゲシュツァイトゥング』(Die Tageszeitung)と『ユンゲ・ヴェルト』(Junge Welt)の両紙が1990年代初めに採用したのを皮切りに、2000年代以降は『ガーディアン』(イギリス)、『ル・モンド』(フランス)、『ラ・レプッブリカ』(イタリア)、『中央日報』(韓国)など、紙面の小型化が課題となっているヨーロッパや北米、南米、アジア各圏の新聞社が、ベルリナー判を採用するケースが目立っている。
日本では、2009年の第20回新聞製作技術展(JANPS2009)で、産経新聞社がベルリナー判相当のサンプル紙面を試作公開した例がある[1]。2008年に東京機械製作所が、韓国・中央日報向けにベルリナー判オフセット輪転機を製造納入した実績もある[2]。その後、国内では静岡新聞社にて一部採用されている。
ハーフ・ベルリナー判
[編集]ハーフ・ベルリナー判(英: Half Berliner format)は、ベルリナー判の半裁に相当し、大きさは230〜240mm×310〜320mm(9〜9¼インチ×12¼〜12½インチ)である。
紙面の大幅な小型化にあたっては従来、タブロイド判が選択されるケースが多かったが、モニターで紙面を購読閲覧する電子版での視認性も視野に入れ、イギリスの週刊紙『ガーディアン・ウイークリー』(2007年5月、タブロイド判から移行・235mm×315mm)[3]や、ガーディアン系列紙だったスロバキアの日刊全国紙『プラウダ』(ブロードシート判からタブロイド判を経て、2008年11月移行・235mm×305mm)[4]など、ヨーロッパでタブロイド判より小さいハーフ・ベルリナー判を採用する新聞社が現れている。
脚注
[編集]- ^ 「産経新聞社サンプル紙面」 『JANPS2009実行委員会ブログ』、日本新聞協会第20回新聞製作技術展実行委員会
- ^ 「新着情報・アジア初、ベルリナー判輪転機Color Top Ecoprius(7100UDH)本稼働」 東京機械製作所、2008年1月3日
- ^ Patrick Ensor (2007年4月27日). “Getting in better shape”. Guardian Weekly
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