ブレンダンとケルズの秘密
ブレンダンとケルズの秘密 | |
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The Secret of Kells | |
監督 |
トム・ムーア ノラ・トゥーミー |
製作会社 |
レ・ザルマトゥール Vivi Film カートゥーン・サルーン |
公開 |
2009年2月11日 2009年3月3日 2017年7月29日 |
上映時間 | 75分 |
製作国 |
フランス ベルギー アイルランド |
言語 | 英語 |
『ブレンダンとケルズの秘密』(ブレンダンとケルズのひみつ、原題:The Secret of Kells)は、2009年の、フランス、ベルギー、アイルランド合作の長編アニメーション映画である。アヌシー国際アニメーション映画祭で観客賞、ソウル国際マンガ・アニメーション映画祭でグランプリを受賞した。第82回アカデミー長編アニメ映画賞ノミネート[1]。
あらすじ
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
9世紀のアイルランド。バイキングの襲来にそなえ、ケルズ修道院を囲む塀を作る大規模な工事が続く中、バイキングに襲われたスコットランドのアイオナ島から、高名な修道士エイダンが、一冊の「聖なる書」を携え逃れて来る。その本には隠された知恵と力が秘められていた。本を完成させるためブレンダンは、インクの原料である、ある植物の実を探しに、危険を冒して、不思議な生き物が隠れ住む魔法の森へ出かける。森でオオカミの妖精アシュリンの助けを得てブレンダンは、無事に実を持ち帰るが、バイキングの襲来がケルズにも迫っていた。ブレンダンは本の力によって、迫りくる闇を打ち砕き、世界に光を取り戻すことができるのか?[2]
キャスト
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
役名 | 原語版声優[3] | 日本語吹替[3] |
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ブレンダン | エヴァン・マクガイア | 斎藤楓子[4] |
ケルアッハ院長 | ブレンダン・グリーソン | 市橋尚史[5][6] |
アシュリン | クリステン・ムーニー | 丸塚香奈[4][7] |
エイダン | ミック・ラリー | 菊池康弘[8][6] |
タン | リアム・ヒューリカン | 遠藤広之[9][4] |
島人 | ||
アシュア | ポール・ティラック | 山下大毅[10] |
スクエア | ポール・ヤング | 岩瀬遼平[11] |
村人女① | 中村菜穂[4] | |
少女② | ||
村人女② | 泉水みちる[4] | |
少年③ | ||
少女① | 大川里菜[4] | |
少年① | 藤井詩絵里[4] | |
子供 | ||
少年② | 葛西ことえ[4] | |
母親 | ||
羊飼い | 栗山拓也[4] | |
ブラザー | ||
修道院 | 山田祐也[4] | |
聖コルンバ |
着想元
[編集]この映画は、アイルランドのダブリンにある新約聖書の4 つの福音書を含む、ラテン語の装飾写本である「ケルズの書」の起源の物語に基づいている。また、ケルト神話の要素も織り交ぜられている[12]。例えば、キリスト教以前のアイルランドの神であるクロム・クルアハが登場することや[13]、ブレンダンが遭遇した森の精霊アシュリンによる、預言者の夢やビジョンのような詩の表現が含まれる。ブレンダンとクロム・クルアハの形而上学的な戦いや、『ベーオウルフ』におけるグレンデルの母親との水中での遭遇との類似点など、より広い神話上の類似点についてもコメントされている[14]。
この映画は、監督のトム・ムーアと何人かの友人が、リチャード・ウィリアムズ(アニメーター)の『泥棒と靴屋』、ディズニーの『ムーラン』、グスタフ・クリムトの絵画、ジョン・バウアーのイラスト、そして宮崎駿の作品に触発され、1999年に制作を開始した。それらの映画で用いられるような、文化の伝統芸術に基づくビジュアルの表現を採用している。彼らはスタジオジブリの映画に寄せながら、アイルランドの芸術を用いた作品を作ろうと決めた[15]。トム・ムーアは、視覚的なスタイルはケルトと中世の芸術に触発されたものであり、「フラットで、統一されていない遠近法とたくさんの色」を用いたと説明した。クリーンアップの段階でも、「より太い輪郭線でステンドグラスの効果を出す」ことが計画された[16]。
賞
[編集]- 受賞
- 2008年:Directors Finders Award at the Directors Finders Series(アイルランド)
- 2009年アヌシー国際アニメーション映画祭観客賞
- 2009年エジンバラ国際映画祭観客賞
- 2009年:Roy E. Disney Award at Seattle's 2D Or Not 2D Film Festival(シアトル)賞
- 2009年:ソウル国際漫画・アニメーションフェスティバル大賞[17]
- 2009年:Audience Award at the 9th Kecskemét Animation Film Festival; Kecskemét City Prize at the 6th Festival of European Animated Feature Films and TV Specials[18]
- 2010年:Best Animation award at the 7th Irish Film and Television Awards[19]
- 2010年:European Animated Feature Award at the British Animation Awards[20]
- ノミネート
- 2009年:アヌシー国際アニメーション映画祭最優秀作品賞グランプリ受賞
- 2009年:Best Animated Film at the 22nd European Film Awards
- 2009年:第37回アニー賞長編アニメ賞
- 2010年:Best Animated Film at the 22nd European Film Awards
- 2010年:第82回アカデミー賞長編アニメーション賞
脚注
[編集]- ^ “アカデミー長編アニメ賞候補の「ソング・オブ・ザ・シー」来夏日本公開決定”. 映画.com. (2015年12月17日) 2016年10月1日閲覧。
- ^ “映画『ブレンダンとケルズの秘密』トム・ムーア監督|7月29日(土) YEBISU GARDEN CINEMA ほかロードショー”. 映画『ブレンダンとケルズの秘密』トム・ムーア監督|7月29日(土) YEBISU GARDEN CINEMA ほかロードショー. 2022年3月31日閲覧。
- ^ a b “ブレンダンとケルズの秘密 | MIDSHIP Inc.”. mid-ship.co.jp. 2018年7月23日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j アニメ(吹き替え映画)「ブレンダンとケルズの秘密」に斎藤楓子、丸塚香奈、遠藤広之、他出演! | JTBエンタテインメント - ウェイバックマシン(2018年7月23日アーカイブ分)
- ^ “市橋尚史-RME株式会社-”. www.rme.jp. 2018年7月23日閲覧。
- ^ a b 「RME株式会社 on Twitter」『Twitter』。2018年7月23日閲覧。
- ^ 「丸塚香奈 on Twitter」『Twitter』。2018年7月23日閲覧。
- ^ 「菊池康弘@特殊建機第2小隊長(本人) on Twitter」『Twitter』。2018年7月23日閲覧。
- ^ 「遠藤 広之 on Twitter」『Twitter』。2018年7月23日閲覧。
- ^ 「山下大毅 on Twitter」『Twitter』。2018年7月24日閲覧。
- ^ 「岩瀬遼平 on Twitter」『Twitter』。2018年7月23日閲覧。
- ^ Hartl, John (13 May 2010). “'The Secret of Kells': An enchanting tale of a boy in barbarian times”. The Seattle Times
- ^ O'Hehir (4 March 2010). “"The Secret of Kells": Oscar's dazzling Irish surprise”. Salon.com. 2022年8月6日閲覧。
- ^ “The Secret of Kells: the circle and the serpent”. Basement Garden (1 June 2010). 12 August 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月6日閲覧。
- ^ Cohen (16 March 2010). “The Secret of Kells – What is this Remarkable Animated Feature?”. Animation World Network. 16 October 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。10 October 2022閲覧。
- ^ Bendazzi, Giannalberto (2015). Animation: A World History. Boca Racton, FL: CRC Press. p. 93
- ^ The Secret of Kells wins Grand Prize Archived 4 March 2016 at the Wayback Machine. at SICAF official site
- ^ A 9.
- ^ “IFTA Winners 2010”. ifta.ie (23 February 2010). 23 February 2010閲覧。
- ^ “Aardman sweeps board at British Animation Awards”. bbc.co.uk. (8 April 2010) 8 April 2010閲覧。