コンテンツにスキップ

ブルタール級河川砲艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルタール級河川砲艦
178 Smardan
基本情報
艦種 河川砲艦
建造所 マンガリア造船所[1]
運用者  ルーマニア海軍[1]
就役期間 1986年 - 就役中[2]
建造数 6隻[2]
次級 ミハイル・コガルニセアヌ級河川砲艦
要目
満載排水量 417t[1]
全長 45.7m[1]
最大幅 8m[1]
吃水 1.5m[1]
主機 ディーゼルエンジン×2基[1]
推進器 2軸[1]
出力 2,700hp[1]
最大速力 16ノット[1]
兵装
  • 100mm砲×1基[1]
  • 30mm連装機関砲×1基[1]
  • 14.5mm4連装機関銃×2基[1]
  • 14.5mm機関銃×2基[1]
  • BM-21多連装ロケット発射機×2基[1]
レーダー 航海レーダー[1]
テンプレートを表示

ブルタール級河川砲艦英語: Brutar class river monitor)は、ルーマニア海軍河川砲艦の艦級[2][3] 。初期の建造艦をブルタールI級[1]、後期の建造艦をブルタールII級[1][4][5]と表記することもある。

ルーマニアのマンガリア造船所によって建造され[1]、1986年から1993年にかけて6隻が就役した[2]。ルーマニア海軍のドナウ川小艦隊に配備されており[1][4]、2023年時点で5隻が運用中である[5]

次級としてミハイル・コガルニセアヌ級河川砲艦があり[1]、こちらはブルタールIII級と表記することもある[4]

設計

[編集]

ドナウ川で運用することを想定した設計で、艦には装甲が施されている[6]。要目は資料により微妙に差異があり、「Jane's Fighting Ships 2015-2016」では満載排水量417t、全長45.7m、幅8m、喫水1.5m[1]、「Conway’s All the Worlds Fighting Ships 1947-1995」では満載排水量が320tで他の要目はJane'sと同じ[2]、「Weyers Flotten Taschenbuch 2008/2010」では排水量410t、全長50.7m、幅8m、喫水1.6mとなっている[4]。機関にはディーゼルエンジンを2基搭載し2軸で推進[2][1]、最大速力は16ノット[2][1]または18ノット[4]である。

装備

[編集]

武装としては、艦首に100mm砲塔を1基[2][1][6](105mmとする資料もある[4])、30mm連装機関砲を1基[2][1][4]、14.5mm4連装機関銃を2基[2][1][4]、同単装機関銃を2基[2][1](2連装とする資料もある[4])、BM-21多連装ロケット発射機を2基[2][1][4][6]装備している。射撃統制システムはなく、対空火器は有人操作式である[7]

電子装備としてはIバンドの航海レーダーがある[1]

近代化

[編集]

限定的な近代化改修が始まっており、エンジンや航法装置、レーダーなどが新型化され、前方監視型赤外線装置の追加などが行われている[7]。しかし兵装はそのままで、近い将来の改修も予定されていない[7]

同型艦

[編集]
番号 艦名 建造所 就役
94[2] Grivita[2] マンガリア造船所[2][1] 1986年
11月21日[2]
95[2]→176[1] Rahova[1] 1988年
4月14日[1]
177[1] Opanez[1] 1990年
7月24日[1]
178[1] Smardan[1] 1990年
7月24日[1]
179[1] Posada[1] 1992年
5月14日[1]
180[1] Rovine[1] 1993年
6月30日[1]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at Commodore Stephen Saunders RN, ed (2015) (英語). Jane's Fighting Ships 2015-2016. Jane's Information Group. p. 670. ISBN 978-071063143-5 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q Robert Gardiner, ed (1995). Conway’s All the Worlds Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. p. 326. ISBN 978-1557501325 
  3. ^ 国際戦略研究所 編、防衛庁防衛研究所 上野英詞 訳『ミリタリー・バランス 1994-1995』メイナード出版株式会社、1995年3月10日、148頁。ISBN 4-944025-24-6 
  4. ^ a b c d e f g h i j Weyers Flotten Taschenbuch 2008/2010. Mönch Verlagsgesellschaft mbH. (2011-03-01). pp. 256-257. ISBN 3763745181 
  5. ^ a b The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2023-02-15) (英語). The Military Balance 2023. Routledge. p. 127. ISBN 978-1-032-50895-5 
  6. ^ a b c George Vișan (2020年4月6日). “Romania’s Danube Flotilla: An Unparalleled Capability on NATO’s Southeastern Flank (Part One)”. jamestown.org. 2024年12月2日閲覧。
  7. ^ a b c George Vișan (2020年4月14日). “Romania’s Danube Flotilla: An Unparalleled Capability on NATO’s Southeastern Flank (Part Two)”. jamestown.org. 2024年12月2日閲覧。