フレキシブルディスプレイ
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フレキシブルディスプレイ(英語:flexible displayまたはrollable display )とは、柔軟性を備える表示装置である。
概要
[編集]フレキシブルディスプレイは電子ペーパー型と有機エレクトロルミネッセンス型の2系統に大別される。それぞれの方式に一長一短があり、用途に応じて使い分けられる。従来のフラットパネルディスプレイはいずれも柔軟性がなかったが、基板を柔軟性のある樹脂にして低温での製造が可能な有機薄膜トランジスタと有機エレクトロルミネッセンスにすることで可能になった。電子ペーパーもフレキシブルディスプレイの有力候補である[1]。現時点ではフレキシブルディスプレイの色再現度や解像度、階調は従来のフラットパネルディスプレイと比較して劣る。当初、この分野での日本企業や研究機関での研究開発は先行していたものの、近年の実用化の段階においては徐々に遅れをとりつつある。
電子ペーパー
[編集]→詳細は「電子ペーパー」を参照
電子ペーパーでは動画の再生は適さないものの、静止画の精細さや電源を切った時の画像の保持や柔軟性などで有機ELを上回る。以前は白黒のみだったが、近年ではカラー表示も可能になりつつある。
有機エレクトロルミネッセンス
[編集]→詳細は「有機エレクトロルミネッセンス」を参照
有機エレクトロルミネッセンスは動画の再生や階調表現や再現可能な色空間においては電子ペーパーを上回るものの、柔軟性や省電力では下回る。
脚注
[編集]- ^ 面谷信, 「電子ペーパーの現状と応用展望」『情報管理』 47巻 10号 2005年 p.688-697, doi:10.1241/johokanri.47.688.
参考文献
[編集]- 面谷信, 「1. 新たな映像文化を創出するフレキシブルディスプレイ」『映像情報メディア学会誌』 59巻 9号 2005年 p.1256-1261, doi:10.3169/itej.59.1256.
- 時任静士, 「5. フレキシブル有機ELディスプレイ」『映像情報メディア学会誌』 59巻 9号 2005年 p.1274-1278, doi:10.3169/itej.59.1274.
- 藤崎好英, 「2.有機TFTを駆動素子に用いたフレキシブルディスプレイ」『映像情報メディア学会誌』 64巻 10号 2010年 p.1432-14361, doi:10.3169/itej.64.1432.
- 藤掛英夫, 「7. 次世代ディスプレイ~フレキシブルディスプレイを中心として」『映像情報メディア学会誌』 65巻 9号 2011年 p.1287-1292, doi:10.3169/itej.65.1287.
- 栗田泰市郎, 「フレキシブルディスプレーの研究・開発動向」『NHK 技研 R&D』 145 (2014): 4-17.
関連項目
[編集]- 有機エレクトロルミネッセンス (商品) - 次世代ディスプレイに関する項目。
- エレクトロルミネセンス
- 映像機器
- テレビ受像機
- The Society for Information Display(SID:世界最大のディスプレイ学会)
- 導電性高分子