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フタル酸水素カリウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フタル酸水素カリウム
識別情報
CAS登録番号 877-24-7 チェック
PubChem 13413
ChemSpider 12839 チェック
UNII GG9121M623 チェック
特性
化学式 C8H5KO4
モル質量 204.22 g mol−1
外観 白色または無色の固体
密度 1.636 g/cm3
融点

~295℃(分解)

への溶解度 80 g/L (20℃)[1]
溶解度 アルコールに若干可溶
酸解離定数 pKa 5.4[2]
構造
配位構造 四面体
危険性
安全データシート(外部リンク) External MSDS
主な危険性 目、皮膚、呼吸器への刺激
Rフレーズ R36 R37 R38
引火点 不燃性
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

フタル酸水素カリウム(Potassium hydrogen phthalate)は、酸性塩化合物であり、しばしば略してKHPと呼ばれる。白色粉末、無色結晶、無色溶液、イオン性固体を形成する、フタル酸の一カリウム塩である。弱い酸性で、空気に対して安定であり正確に重量を計ることができるため、しばしば中和滴定の一次標準物質として用いられる。吸湿性は持たない[3][4][5]。前述の特徴に加え、溶液中のpHが非常に安定であるため、pHメーターの校正にも良く用いられる。熱重量分析における熱標準としても用いられる[6]

水中では完全に解離し、カリウムカチオンとフタル酸水素アニオンになる。

KHP + H2O is in equilibrium with K+ + HP-

その後、弱酸のフタル酸水素は水と可逆的に反応して、ヒドロニウムイオンとフタル酸イオンとなる。

HP- + H2O is in equilibrium with P2- + H3O+

pH4.0より酸性側にするか塩基性側にするかに応じて塩酸または水酸化ナトリウムを組み合わせて、緩衝液として用いられることもある。

さらに、全有機炭素の試験のための標準としても有益である。全有機炭素分析器の大部分は、有機化合物を酸化して二酸化炭素と水に変換し、二酸化炭素を定量することに基づいていた。多くの全有機炭素分析器は、酸化されやすいフタル酸水素カリウムと酸化されにくいベンゾキノンの2種類の標準を用いて試験することが提案されている。

出典

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  1. ^ http://www.merckmillipore.com/INTL/en/product/pharmaceutical-ingredients/potassium-hydrogen-phthalate,MDA_CHEM-104874
  2. ^ http://archpdfs.lps.org/Chemicals/Potassium%20Hydrogen%20Phthalate.pdf
  3. ^ Hendrixson, W. S. (1920). “Further Work on Potassium Hydrogen Phthalate as a Standard in Volumetric Analysis”. J Am Chem Soc 42 (4): 724-727. doi:10.1021/ja01449a008. https://zenodo.org/record/1428826. 
  4. ^ Potassium Hydrogen Phthalate”. Arlington, TX: Ricca Chemical Company. 2012年11月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月3日閲覧。
  5. ^ The Standardization Of NaOH and KHP Assay”. Clark College. 2012年11月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年10月3日閲覧。
  6. ^ Smalley, I.J.,Lill,G.O.,Bentley,S.P.,Wood,D.R. 1977. Thermogravimetry of potassium hydrogen phthalate and its use as a thermal standard. Canadian Mineralogist 15, 30-35

外部リンク

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