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フィクス (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フィクス
The Fixx
2007年のライブより、サイ・カーニンとジェイミー・ウェスト・オーラム
基本情報
別名 ポートレイツ (1979年 - 1980年)
出身地 イングランドの旗 イングランド ロンドン
ジャンル
活動期間 1979年 -
レーベル MCARCAカートランド英語版
公式サイト www.thefixx.com
メンバー サイ・カーニン英語版
アダム・ウッズ
ルパート・グリーンオール
ジェイミー・ウェスト・オーラム
ダン・K・ブラウン
旧メンバー トニー・マクグレイル
ラッセル・マッケンジー
チャーリー・バレット
アルフィー・アギウス
ゲイリー・ティブス英語版

フィクス[注釈 1][1]The Fixx)は、1979年に結成されたニュー・ウェイヴロックバンド全米チャートトップ20入りを果たした『ワン・シング・リーズ・トゥ・アナザー英語版』、『セイブド・バイ・ゼロ英語版』、『アーウィ・アーウィ英語版』、『シークレット・セパレーション英語版』などのヒットで知られる。このほかにも『レッド・スカイズ英語版』や『スタンド・オア・フォール英語版』など主に1980年代前半にヒット曲を連発し、『ディーパー・アンド・ディーパー』は1984年の映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のサウンドトラックにも採用された。

来歴

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ポートレイツからフィクスへ(1979年 - 1981年)

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大学時代の友人であるサイ・カーニン英語版ボーカル)とアダム・ウッズ(ドラムス)が1979年ロンドンで結成し、当初はポートレイツPortraits)と名乗っていた[2]。 追加メンバー募集により、トニー・マクグレイル(ギター)、ラッセル・マッケンジー(ベース)、ルパート・グリーンオール(キーボード)が加入し、ベースは後にチャーリー・バレットに交代した[3]。バンドはアリオラ・レコードから2枚のシングル『Little Women』と『Hazards In The Home』」をリリースした[4]

1980年、マクグレイルの脱退に伴いフィリップ・ランボウのバンドに在籍していたジェイミー・ウェスト・オーラム[注釈 2]を新たなギタリストとして迎え、バンド名をフィクスThe Fix)に変更した[2]。 1981年2月に101 Recordsから初のシングル『Lost Planes』」がリリースされた[3]。この曲は101 Recordsによりライブ版と共に様々なコンピレーション・アルバムに収録されたほか、BBCラジオでもオンエアされた。これにより知名度が上がり、大手のMCAレコードからオファーを受けるに至った[4]。契約に際しMCAは、バンド名(日本語訳の例:注射)がドラッグ常習者を連想させる点を憂慮し変更を提案したが[5]、バンドが難色を示したため綴りを「Fix」から「Fixx」に変更する妥協案で合意した。

大手レーベル期(1982年 - 1991年)

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1982年、ファーストアルバム密室英語版』が完成した[3]。このアルバムからはバンド初のヒット曲『スタンド・オア・フォール英語版』と『レッド・スカイズ英語版』が産まれ、アメリカ、イギリス、カナダなどでチャート入りを果たした。レコーディング完了後に脱退したバレットに代わり、ツアー要員としてアルフィー・アギウスが採用された。翌年アギウスはセカンドアルバム『リーチ・ザ・ビーチ英語版』のレコーディングにも参加し、作曲者の一員としてはクレジットされたがバンドの正式メンバーからは外れ、ヘヴィメタルバンド、ファストウェイのツアーに帯同した。

フィクス最大のヒットアルバムとなった『リーチ・ザ・ビーチ』は1984年1月5日アメリカレコード協会によりプラチナディスクに認定された[3]。シングルカットされた『セイブド・バイ・ゼロ英語版』や、『ワン・シング・リーズ・トゥ・アナザー英語版』ではアギウスがベースを担当し、翌年リリースのサードシングル『サイン・オブ・ファイア』では後に正式メンバーとなるダン・K・ブラウンが代演した[3]。 カーニンとウェスト・オーラムはティナ・ターナーのアルバム『プライヴェート・ダンサー』制作に参加し、『ソウル・サバイバー英語版』と『ベター・ビー・グッド・トゥ・ミー』で演奏した[2]

1984年のサードアルバム『ファントムズ英語版』からは『アーウィ・アーウィ英語版[注釈 3]、『サンシャイン・イン・ザ・シェイド』がシングルヒットし、当初『アーウィ・アーウィ』のB面扱いだった『ディーパー・アンド・ディーパー』も後にシングルリリースされた。この曲は映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のサウンドトラックに採用されたのも手伝い[3]、アメリカやカナダのラジオでパワープレイされた。

1985年、バンドは『A Letter to Both Sides』をレコーディングし、映画『フレッチ/殺人方程式』のサウンドトラックに提供した。翌年には4枚目のアルバム『ウォークアバウト英語版』をリリースし、シングル『シークレット・セパレーション英語版』と『ビルト・フォー・ザ・フューチャー』をヒットさせた。1987にはスタジオ作品とライブ音源を収録したコンピレーション・アルバムリアクト英語版』をリリースした。

1989年、スタジオアルバムとしては3年振りとなる『カーム・アニマルズ英語版』がRCAレコードからリリースされた[6]

1991年にはMCAに戻り6枚目のスタジオアルバム『Ink.英語版』をリリースし、『見果てぬ夢』をアメリカ(35位)やカナダ(27位)などでヒットさせた。

マイナーレーベル期 (1992年 - 現在)

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1994年ブラウンが脱退したが正式メンバーを補充せずスタジオミュージシャンで代用し、1995年から2000年頃まで主にクリス・テイトがアルバムやツアーでベースを担当した。テイトまたは別のベーシストを加えた5人体制で1998年のアルバム『Elemental英語版』や、翌年のアルバム『1011 Woodland英語版』が制作された。『1011 Woodland』には過去のヒット曲の再録音版やライブ版が収録された。

2002年バンドは、1960年代から1990年代のヒット曲をカバーしたコンピレーション・アルバム『When Pigs Fly (Songs You Never Thought You'd Hear)』に参加し、ナンシー・シナトラの『にくい貴方』を演奏した[7]。このアルバムにはほかにディーヴォビリー・プレストンらが参加した。

2003年リリースされた9枚目のスタジオアルバム『Want That Life英語版』にはベーシストとしてゲイリー・ティブス英語版(元ロキシー・ミュージックヴァイブレーターズ英語版アダム&ジ・アンツ)が参加した[4]

2008年ベースにブラウンが復帰するとバンドは、25周年記念としてCD2枚組のコンピレーション・アルバム『Twenty-fifth Anniversary Anthology英語版』をリリースした。

こうして1980年代のメンバー構成に戻ったフィクスは2012年、アルバム『Beautiful Friction英語版』をリリースしワールドツアーを開始した。

メンバー

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ディスコグラフィ

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スタジオ・アルバム

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  • 『密室』 - Shuttered Room (1982年、MCA) ※旧邦題『シャタード・ルーム』
  • 『リーチ・ザ・ビーチ』 - Reach the Beach (1983年、MCA)
  • 『ファントムズ』 - Phantoms (1984年、MCA)
  • 『ウォークアバウト』 - Walkabout (1986年、MCA)
  • 『カーム・アニマルズ』 - Calm Animals (1989年、RCA)
  • 『インク』 - Ink (1991年、Impact)
  • Elemental (1998年、CMC International)
  • 1011 Woodland (1999年、CMC International/ Sanctuary)
  • Want That Life (2003年、Rainman)
  • Beautiful Friction (2012年、Kirtland)
  • Every Five Seconds (2022年、BFD/The Orchard)

ライブ・アルバム

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  • 『リアクト』 - React (1987年、MCA)
  • In Concert (1996年、King Biscuit Flower Hour)
  • 『リアル・タイム・ストゥッド・スティル』 - Real Time Stood Still (1996年、Repertoire)
  • Live at Rockpalast (2014年、Repertoire)

コンピレーション・アルバム

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  • 『ワン・シング〜グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits – One Thing Leads to Another (1989年、MCA)
  • Missing Links (1994年、R'n'D)
  • Ultimate Collection (1999年、Hip-O)
  • Elemental + 1011 Woodland (1999年、SPV GmbH)
  • 20th Century Masters – The Millennium Collection: The Best of the Fixx (2000年、MCA)
  • Extended Versions: The Encore Collection (2000年、BMG)
  • 『ハッピー・ランディングス&ロスト・トラックス』 - Happy Landings & Lost Tracks (1996年、Beyond/Rainman)
  • Then and Now (2002年、CMC International)
  • Stage One (2004年、JARC)
  • The Twenty-Fifth Anniversary Anthology (2006年、Rainman)

注釈/脚注

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注釈

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  1. ^ 後年のメディアでは冠詞や促音を加えた「ザ・フィクス」、「フィックス」など表記の揺れが見られるが、正式日本盤リリースにおける表記はデビュー時より一貫して「フィクス」であるためこれに倣う。
  2. ^ 当時はジェイミー・ウェストと名乗っていた。
  3. ^ ミュージック・ビデオに初めて携帯電話機が登場した作品とされる[要出典]リップシンクのシーンでカーニンがモトローラKR999のカスタムモデルをボーカルマイク代わりに使っている。

脚注

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  1. ^ The Fixx - Shuttered Room (1982, Vinyl) | Discogs”. Discogs. www.discogs.com. 2020年8月7日閲覧。
  2. ^ a b c Dutton, Earle (14 July 2014). “Interview with Cy Curnin of The Fixx”. Equality365.com. 1 May 2019閲覧。
  3. ^ a b c d e f コリン・ラーキン英語版, ed (2003). ポピュラー音楽百科事典英語版 (Third ed.). ヴァージン・ブックス英語版. p. 196. ISBN 1-85227-969-9 
  4. ^ a b c Erlewine, Stephen Thomas. “The Fixx | Biography, Albums, Streaming Links” (英語). オールミュージック. 1 May 2019閲覧。
  5. ^ James, Gary. “Gary James' Interview With Cy Curnin Of The Fixx”. Classicbands.com. 1 May 2019閲覧。
  6. ^ Though 1988 is listed as the copyright and publishing date on the initial pressings of カーム・アニマルズ英語版, the booklet of Ultimate Collection英語版 notes January 1989 as the release date of its debut single "Driven Out". Additionally, The Fixx wrote on Twitter on February 7, 2015, "Back on this day....in 1989.....we released #CalmAnimals.....", implying that the album was released on February 7, 1989.
  7. ^ When Pigs Fly (Songs You Never Thought You'd Hear) (2002, CD) | Discogs”. Discogs. www.discogs.com. 2020年8月7日閲覧。

外部リンク

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