ピーター・S・ビーグル
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ピーター・S・ビーグル Peter S. Beagle | |
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誕生 |
1939年4月20日(85歳) アメリカ合衆国、ニューヨーク |
職業 | 小説家 |
国籍 | アメリカ合衆国 |
活動期間 | 1960- |
ジャンル | ファンタジー |
主な受賞歴 | ヒューゴー賞、ネビュラ賞 |
ウィキポータル 文学 |
ピーター・S・ビーグル(Peter S. Beagle、1939年4月20日 - )は、アメリカ合衆国のファンタジー作家、脚本家。代表作は『心地よく秘密めいたところ』『最後のユニコーン』など[1]。1994年にThe Innkeeper's Songでローカス賞、2006年に「ふたつの心臓」でヒューゴー賞、ネビュラ賞の中編小説部門を受賞した[2]。
経歴
[編集]1939年、ニューヨークに生まれる[3]。父親はポーランド系ユダヤ人、母親はロシア系ユダヤ人で、ピーターが2歳のときにブロンクスに移住した[3]。幼いときから小説や絵画、音楽に親しみ、将来は作家になろうと決意、成績優秀のため中学を2年で卒業し、高校では1955年にスコラスティック創作賞 (Alliance for Young Artists & Writers) を受賞、その副賞としてピッツバーグ大学へ授業料免除で入学した[4]。大学ではいくつかの短編コンテストに入賞し、卒業の1959年には最初の長編『心地よく秘密めいたところ』を完成させる(出版は翌年)[5]。1960年よりスタンフォード大学の創作科でマルカム・カウリーやフランク・オコナーの指導を受け、1961年に卒業後は放浪生活ののちフリーライターとして活動[5]。1968年には構想から5年をかけた『最後のユニコーン』を刊行[5]。
『最後のユニコーン』は1982年にアメリカのランキンバス社 (Rankin/Bass Animated Entertainment) によってアニメ化され、映像部分は日本のトップクラフトが下請けとして担当した[6]。
受賞歴
[編集]- ローカス賞 ファンタジイ長篇部門 1994年(The Innkeeper's Songに対して)
- ヒューゴー賞 中編小説部門 2006年(Two Hearts(「ふたつの心臓」)に対して)
- ネビュラ賞 中編小説部門 2006年(Two Hearts(「ふたつの心臓」)に対して)
著書
[編集]- A Fine and Private Place(『心地よく秘密めいたところ』), 1960(小説)
- I See By My Outfit: Cross-Country by Scooter, an Adventure, 1965(ノンフィクション)
- The Last Unicorn(『最後のユニコーン』), 1968(小説)
- The California Feeling, 1969(ノンフィクション)
- Lila the Werewolf[注釈 1], 1974
- American Denim, 1975(ノンフィクション)
- The Lady and Her Tiger, 1976(ノンフィクション)
- The Fantasy Worlds of Peter S. Beagle, 1978
- The Garden of Earthly Delights, 1982(ノンフィクション)
- The Folk of the Air(『風のガリアード』), 1986(小説)
- The Innkeeper's Song, 1993(小説)
- In the Presence of the Elephants, 1995(ノンフィクション)
- The Unicorn Sonata(『ユニコーン・ソナタ』), 1996(ヤングアダルト小説)
- Giant Bones, 1997
- The Rhinoceros Who Quoted Nietzsche and Other Odd Acquaintances, 1997(エッセイ集)
- The Magician of Karakosk and Other Stories, 1999
- Tamsin, 1999(小説)
- A Dance for Emilia, 2000
- The Line Between, 2006
- Your Friendly Neighborhood Magician: Songs and Early Poems, 2006
- The Last Unicorn: The Lost Version, 2007
- Strange Roads, 2008(Lisa Snellings-Clark共著)
- We Never Talk About My Brother, 2009
- Mirror Kingdoms: The Best of Peter S. Beagle, 2010(Jonathan Strahan編)
- Return, 2010
- Sleight of Hand, 2011
脚本
[編集]- The Dove, 1974
- The Greatest Thing That Almost Happened, 1977
- The Lord of the Rings(『指輪物語』), 1978(アニメ版)
- The Last Unicorn, 1982
- Sarek - episode of Star Trek: The Next Generation(1990)(英雄症候群) - 『新スタートレック』第3シーズン, 1990
- A Whale of a Tale(The Little Mermaid), 1992
- Camelot, 1996
- A Tale of Egypt, 1996
日本語翻訳書
[編集]- 『心地よく秘密めいたところ』 上下巻、山崎淳訳、月刊ペン社〈妖精文庫〉、1976年、全国書誌番号:75024196
- 『心地よく秘密めいたところ』 山崎淳訳、東京創元社〈創元推理文庫〉、1988年、ISBN 4-488-54801-6
- 『最後のユニコーン』 鏡明訳、早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉、1979年、全国書誌番号:79034364
- 『風のガリアード』 山田順子訳、早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉、1992年、ISBN 4-15-020160-9
- 『ユニコーン・ソナタ』 井辻朱美訳、早川書房、1998年、ISBN 4-15-208166-X
- 『Annotated Last unicorn ― The last unicorn by Peter』 黒田誠注釈、近代文芸社、2004年、ISBN 978-4773371635 ※原文に注釈を付したもの。
- 『完全版・最後のユニコーン』 金原瑞人訳、学研プラス、2009年、ISBN 978-4-05-403774-8
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 「ピーター・S. ビーグル」『日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)』 。コトバンクより2022年9月20日閲覧。
- ^ “ピーター・S・ビーグル”. 東京創元社. 2022年9月20日閲覧。
- ^ a b 風間 1998, p. 208.
- ^ 風間 1998, p. 208-209.
- ^ a b c 風間 1998, p. 209.
- ^ 黒田誠 (2018年8月30日). “アニメ「The Last Unicorn」―新資料から作品の主題や映像表現を考察する― 【第1回】”. 幻冬舎ルネッサンスアカデミー. 2022年9月19日閲覧。
- ^ 鏡明「訳者あとがき」『最後のユニコーン』早川書房〈ハヤカワ文庫FT〉、1979年、305-306頁
参考文献
[編集]- 風間賢二「解説」『ユニコーン・ソナタ』早川書房、1998年6月30日、207-213頁。ISBN 4-15-208166-X。
関連文献
[編集]- 黒田誠『アメリカの傑作ファンタジー 「最後のユニコーン」の知られざる真価』幻冬舎、2019年、ISBN 978-4344922242