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ビュル・オジエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ビュル・オジエ
Bulle Ogier
Bulle Ogier
パリにて (2008年)
本名 Marie-France Thielland
生年月日 (1939-08-09) 1939年8月9日(85歳)
出生地 フランスの旗 フランス ブローニュ=ビヤンクール
職業 女優
ジャンル 映画演劇
活動期間 1961年 -
配偶者 バルベ・シュローデル
著名な家族 パスカル・オジエ (娘)
主な作品
イルマ・ヴェップ
受賞
ロカルノ国際映画祭
最優秀女優賞

1994年だれも私を愛さない!
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ビュル・オジエBulle Ogier, 1939年8月9日 - ) は、フランス女優。日本ではビュル・オジェとも表記されがち[1]。これまでに100本以上の作品に出演している[2]

来歴

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1939年8月9日ブローニュ=ビヤンクールでマリー=フランス・ティエランとして生まれる[3]1960年代初めに演出家マルク'Oと出会い[3]舞台女優として活動する[3]

1968年、マルク'Oが自身の舞台を映画化した『アイドルたち』の主演に起用され[4]、長編映画デビュー[5]

1969年にはジャック・リヴェットの大作『狂気の愛』に主演[6]。以後、リヴェットの作品の常連となる[5]

1971年に出演したアラン・タネールの『サラマンドル』での演技が高く評価され[5]全米映画批評家協会女優賞にノミネートされた[7]。翌1972年にはルイス・ブニュエルの『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』に出演[8]1974年にはリヴェットの『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の脚本を共同で執筆[9]1981年にはリヴェットの『北の橋』で娘のパスカル・オジエと共演した[10]

1991年グザヴィエ・ボーヴォワの『Nord』に出演し[11]、翌1992年ヨーロッパ映画賞の助演女優賞にノミネートされた[12]1994年には『だれも私を愛さない!』の演技でロカルノ国際映画祭特別賞を受賞した[13]1999年に出演した『エステサロン/ヴィーナス・ビューティ』では[14]、翌2000年セザール賞で助演女優賞にノミネートされた[15]

2006年にはマノエル・ド・オリヴェイラルイス・ブニュエルの『昼顔』(1966年)の続編として製作した『夜顔』に出演し[16]カトリーヌ・ドヌーヴが演じた役を務めた[5]。同年、モントリオール世界映画祭でアメリカ特別大賞を受賞した[17]

2015年、『Boomerang』で5年ぶりに長編劇映画に出演した[18]

一方で、舞台女優としても活動を続けており、マルグリット・デュラス作品や、クロード・レジパトリス・シェローリュック・ボンディらが演出した話題作に出演。2017年2月にはオデオン座制作の新作二人舞台「Un amour impossible」(クリスティーヌ・アンゴの同名小説の舞台化/セリー・ポト演出)でマリア・ド・メデイルシュと共演する。

私生活

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18歳の時にビーチで出会ったミュージシャンと結婚[5]。娘のパスカルが生まれるが、2年後に離婚[5]。パスカルはその後女優になるが、1984年に25歳で死去する[19]。その後、映画監督バルベ・シュローデルと再婚した[20]

主な出演作品

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1968年 アイドルたち
Les idoles
狂乱ジジ
1969年 狂気の愛
L'amour fou
クレア 全米映画批評家協会女優賞ノミネート
1971年 サラマンドル
La salamandre
ロズモンド 全米映画批評家協会女優賞ノミネート
アウト・ワン
Out 1, noli me tangere
ポーリーヌ、エミリー
1972年 ラ・ヴァレ
La vallée
ヴィヴィアーヌ
ブルジョワジーの秘かな愉しみ
Le charme discret de la bourgeoisie
フロランス
1974年 アウト・ワン スペクトル
Out 1: Spectre
ポーリーヌ、エミリー
ラ・パロマ
La Paloma
イシドールの母
セリーヌとジュリーは舟でゆく
Céline et Julie vont en bateau
カミーユ 兼脚本
マリアージュ
Mariage
ジャニーン・ティエリー
1976年 デュエル
Duelle, une quarantaine
ヴィヴァ
1981年 北の橋
Le pont du Nord
マリー 兼脚本
マルグリット・デュラスのアガタ
Agatha et les lectures illimitées
アガタ
カンヌ映画通り
Notre Dame de la Croisette
1987年 キャンディ・マウンテン
Candy Mountain
コーネリア
1989年 彼女たちの舞台
La bande des quatre
コンスタンス
1994年 だれも私を愛さない!
Personne ne m'aime
フランソワーズ ロカルノ国際映画祭特別賞受賞
天使が隣で眠る夜
Regarde les hommes tomber
ルイーズ
1996年 イルマ・ヴェップ
Irma Vep
ミレーユ
1998年 悪魔の破片
Shattered Image
フォード夫人
1999年 嘘の心
Au coeur du mensonge
イヴリン
エステサロン/ヴィーナス・ビューティ
Vénus beauté (institut)
ナディーヌ セザール賞助演女優賞ノミネート
2006年 夜顔
Belle toujours
セヴリーヌ・セルジー
2007年 ランジェ公爵夫人
Ne touchez pas la hache
ブラモン=ショーヴリ妃
2010年 汽車はふたたび故郷へ
Chantrapas
カトリーヌ
ダニエル・シュミット―思考する猫
Daniel Schmid - Le chat qui pense
ドキュメンタリー
2015年 ミモザの島に消えた母
Boomerang
ブランシュ・レイ
Encore heureux ルイーズ、マリーの母

脚注

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  1. ^ ビュル・オジェ BULLE OGIER”. 26 September 2014閲覧。
  2. ^ Bulle Ogier”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  3. ^ a b c OGIER BULLE (1939- )”. 26 September 2014閲覧。
  4. ^ Les idoles (1968)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  5. ^ a b c d e f ビュル・オジエ インタビュー”. 26 September 2014閲覧。
  6. ^ L'amour fou (1969)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  7. ^ National Society of Film Critics Awards, USA (1973)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  8. ^ Le charme discret de la bourgeoisie (1972)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  9. ^ Céline et Julie vont en bateau - Phantom Ladies Over Paris (1974)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  10. ^ Le pont du Nord (1981)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  11. ^ Nord (1991)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  12. ^ European Film Awards (1992)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  13. ^ Locarno International Film Festival (1994)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  14. ^ Vénus beauté (institut) (1999)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  15. ^ César Awards, France (2000)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  16. ^ Belle toujours (2006)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  17. ^ Montréal World Film Festival (2006)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  18. ^ Boomerang (2015)”. IMDb. 26 September 2014閲覧。
  19. ^ Pascale Ogier”. 26 September 2014閲覧。
  20. ^ Bulle Ogier : Sa biographie”. 26 September 2014閲覧。

外部リンク

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