パラノイド
『パラノイド』 | ||||
---|---|---|---|---|
ブラック・サバス の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ヘヴィメタル | |||
時間 | ||||
レーベル |
ヴァーティゴ(オリジナル) キャッスル→サンクチュアリ(リイシュー) ワーナー・ブラザース・レコード | |||
プロデュース | ロジャー・ベイン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ブラック・サバス アルバム 年表 | ||||
| ||||
ミュージックビデオ | ||||
「Paranoid」 - YouTube 「Iron Man」 - YouTube |
『パラノイド』 (Paranoid) は、イングランドのロックバンド「ブラック・サバス」が1970年に発表した2枚目のアルバム。「アイアン・マン」「ウォー・ピッグズ」そしてタイトルトラックの「パラノイド」など、彼らの作品の中でも最も有名な曲のいくつかが収録されている。
概要
[編集]バンドのデビューから7ヵ月後の、1970年9月18日にイギリス国内でリリース。サイモン&ガーファンクルの『明日に架ける橋』を追い落として[4]ブラック・サバス初の全英ナンバーワンアルバムとなった。アルバムは、1971年1月7日にアメリカでもリリースされた。
『パラノイド』はビルボードのポップアルバムチャート(北アメリカ)で最高12位を記録した。シングル曲の「パラノイド」「アイアン・マン」はそれぞれ、ポップシングルチャートで最高61位と52位に達した。イギリス国内では、シングル曲の「パラノイド」はチャート4位にまで上り詰めた。2024年3月には、定額音楽配信サービス『Spotify』での再生回数が10億回を突破。また、バンドの公式YouTubeチャンネルで公開されているミュージック・ビデオの再生回数も2億5000万回を突破している[5]。
2024年7月には、オジー・オズボーンとギーザー・バトラーが出演した故郷・バーミンガムをホームタウンとするサッカーチーム「アストン・ヴィラFC」の2024~2025シーズン 新ユニフォーム & ホーム・キットCM動画で「パラノイド」が使用された[6]。
このアルバムのタイトルは当初「ウォー・ピッグズ」と名づけられていたが、ベトナム戦争への配慮からレコード会社によって「パラノイド」へ変更されたといわれている[1]。しかしながら、バンドの「ウォー・ピッグズ」への視覚解釈はアルバムジャケットに強く表れている。このアルバムのタイトルと、ジャケットに描かれた剣を持って木陰から飛び出してくる男の写真はよく調和しており、現在ではこのアルバムジャケットはクラシックなものとして認められるようになった(デザイナーはキーフ)。収録曲「アイアン・マン」は、テレビの音楽チャンネル「VH1」において「40 Greatest Metal Songs」のナンバーワンに選出された。またプロレスのタッグチーム、ザ・ロード・ウォリアーズの入場曲としても有名。
ベースのギーザー・バトラーは後年のインタビューで、タイトル曲の「パラノイド」は、アルバム制作作業の終盤に収録曲が足りないことに気付いてその場でトニーが考えついたリフが元になって出来た曲だが、そのリフを聞いた自分とオジーはレッド・ツェッペリンのコミュニケイション・ブレイクダウンに似ていると感じ却下しようとしていたと明かしている[7]。
2006年、『ギターワールド』誌の「the greatest 100 guitar albums of all time」において第6位[8]、『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・アルバム500』において131位にランクイン[9]。
収録曲
[編集]- ウォー・ピッグス - "War Pigs" – 7:58
- パラノイド - "Paranoid" – 2:52
- プラネット・キャラヴァン - "Planet Caravan" – 4:34
- アイアン・マン - "Iron Man" – 5:58
- エレクトリック・フューネラル - "Electric Funeral" – 4:52
- ハンド・オブ・ドゥーム - "Hand of Doom" – 7:09
- ラット・サラダ - "Rat Salad" – 2:30
- フェアリーズ・ウェア・ブーツ - "Fairies Wear Boots" – 6:13
参加ミュージシャン
[編集]その他
[編集]カバー
[編集]- 「パラノイド」は、ブラック・サバスへのトリビュートアルバム『ネイティヴィティ・イン・ブラック』においてメガデスがカバーしており、ライブでもこの曲をとりあげている。また、アメリカのパンクバンドディッキーズも当曲のカバーをとりあげている。2020年11月1日には、キング・クリムゾンのロバート・フリップとその妻トーヤのYouTubeコンテンツ「Toyah & Robert's Sunday Lunch」で、二人が当曲をカバーする映像が公開された[10]。なおブラック・サバスと同時期にアメリカで活躍していたグランド・ファンク・レイルロードにも同名の曲があるが、内容は全く別の曲である。
- 「プラネット・キャラヴァン」は、パンテラのアルバム『脳殺』(1994年)の中でカバーされている。この曲は輸入CDシングルとしてもリリースされたほか、2枚組ベストアルバム『最強 - ベスト・オブ・パンテラ』(2003年)にも収録されている。
- 「ウォー・ピッグス」は、フェイス・ノー・モアのアルバム『ザ・リアル・シング』(1989年)のなかでカバーされている。
- 「アイアン・マン」は、カーディガンズのアルバム『ファースト・バンド・オン・ザ・ムーン』(1996年)にカバーバージョンが収録されているほか、NOFXにもカバーされている。またSir Mix-a-Lotはアルバム『Swass』のなかで、「アイアン・マン」をメタル・チャーチとともにカバーしている。2006年に、ブラック・サバスがロックの殿堂入りを果たした際、プレゼンターのメタリカが授賞式で「ホール・イン・ザ・スカイ (Hole in the Sky)」と共に披露した。
- 「ハンド・オブ・ドゥーム」は、HIMのアルバム『Uneasy Listening Vol. 2』(2007年)にライブでのカバーバージョンが収められている。
脚注
[編集]- ^ BLACK SABBATH | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される - 2015年3月15日閲覧
- ^ charts.de - 2014年7月28日閲覧
- ^ Paranoid - Black Sabbath | Awards | AllMusic
- ^ Official Albums Chart Top 68 | 04-10-1970 - 10-10-1970 | Official Charts Company - 2015年3月15日閲覧
- ^ “ブラック・サバスの「Paranoid」、Spotifyでの再生回数が10億回を突破”. BARKS (2024年3月5日). 2024年3月6日閲覧。
- ^ “オジー・オズボーンとギーザー・バトラー、アストン・ヴィラFCのCMで共演”. BARKS (2024年7月24日). 2024年7月25日閲覧。
- ^ “ブラック・サバス、レッド・ツェッペリン「Communication Breakdown」に似すぎているから「Paranoid」を破棄するところだった”. amass.jp. 2023年6月26日閲覧。
- ^ Guitar World's 100 Greatest Guitar Albums of All Time Page 4 - Rate Your Music
- ^ Black Sabbath, 'Paranoid' - 500 Greatest Albums of All Time | Rolling Stone - 2015年3月15日閲覧
- ^ “ロバート・フリップ&トーヤ、ブラック・サバス「Paranoid」のカヴァー映像を再配信”. amass.jp. 2023年5月10日閲覧。