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バラが咲いた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「バラが咲いた」
マイク眞木シングル
B面 歌おうよ 叫ぼうよ
リリース
ジャンル フォークソング
時間
レーベル フィリップス・レコード/
日本ビクター(レコード事業部[注 1])
作詞・作曲 浜口庫之助
マイク眞木 シングル 年表
バラが咲いた
(1966年)
波と木彫りのクマ
(1966年)
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みんなのうた
バラが咲いた
歌手 マイク眞木西六郷少年少女合唱団
作詞者 浜口庫之助
作曲者 浜口庫之助
編曲者 菊川迪夫
映像 実写
初放送月 1966年6月 - 7月
再放送月 2020年8月 - 9月(ラジオのみ)
2021年4月(ラジオのみ)
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バラが咲いた」(バラがさいた)は、マイク眞木が歌ったフォークソング。1966年にシングル盤レコードが発売された。

解説

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本曲は浜口庫之助が、サン=テグジュペリの童話『星の王子さま』の薔薇をテーマにした一節からモチーフを得て作詞・作曲したと言われる[1]。また本曲のレコード原盤は、日本ビクター(現:JVCケンウッド)が新興楽譜出版社(現在のシンコーミュージック・エンタテイメント)に依頼して制作した楽曲でもあり、結果的に本曲が日本のレコード業界における原盤権の確立、作家専属制度の崩壊に繋がった[2]

本曲は、浜口がジョニー・ティロットソン向けに書き下ろした曲だったが、新興楽譜出版社の草野昌一が眞木のデビュー曲として見出し、浜口を口説いて譲り受け[3]、ティロットソンと眞木の競作の形で発売された。

なお、本曲のレコード・ジャケットには『日本のモダンフォークがうまれた!』とキャッチフレーズが付されていたが、本曲のヒットが契機となって日本の音楽界にフォーク・ソングブームが広がっていくこととなる。

本曲のヒットにより、眞木は1966年の『第17回NHK紅白歌合戦』に初出場し、リュートを手に歌唱した。

1968年時点での累計売上は80万枚[4]

NHKの『みんなのうた』『歌のメリーゴーラウンド』『歌はともだち』などでも歌われた。

1993年から、ロシアサンクトペテルブルクにあるロシア国立第83中等学校の校歌に採用されている。同校の副校長で日本語教師のバレンチーナ・カリーニナが大学3年生のときに同曲を知り、気に入ったことが採用のきっかけとなった[5][6]日本語原詞、生前に浜口自らが訳した英語歌詞、カリーニナが訳したロシア語歌詞の3種が歌われている[5]

1996年ヤマヒサコマーシャルソングに起用された。

2006年には、「バラが咲いた」のアンサーソングとして、「ありがとう〜こころのバラ〜」が発表され、『みんなのうた』で放送された[7][8]。2006年9月6日に日本クラウンからシングルとして発売。

2016年9月1日からは、東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線石岡駅の1番線において発車メロディとして使用されている[9]

みんなのうた版

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本曲はNHKのテレビ・ラジオ番組『みんなのうた』で1966年6月から7月に放送されている[10]。『みんなのうた』での放送後、視聴者からの楽譜の希望が多かった曲の一つである[11]

『みんなのうた』バージョンの方は、マイク眞木と西六郷少年少女合唱団による合唱スタイルを採っている他、オリジナルバージョンとは歌詞が若干異なっている(オリジナル版の2番の歌詞の一部を、『みんなのうた』版では1番、2番でリフレインしている)。

現在NHKには映像は存在しないが、音声は存在している。2020年8月から9月まで、54年ぶりにラジオのみで再放送された。半年後の2021年4月にもラジオのみで再放送。

収録曲

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  • オリジナルバージョン(フィリップス・レコード/日本ビクター SFL-1)
  1. バラが咲いた
    作詞/作曲:浜口庫之助 編曲:小杉仁三
  2. 歌おうよ 叫ぼうよ
    作詞/作曲:日高義
    歌唱:マイク眞木
  • みんなのうたバージョン(フィリップス・レコード/日本ビクター SFL-1055)
  1. バラが咲いた
    作詞/作曲:浜口庫之助 編曲:菊川迪夫
    歌唱:マイク眞木&西六郷少年少女合唱団
  2. あふれる若さ
    作詞:片岡輝 作曲:G.グルーバー
    歌唱:西六郷少年少女合唱団

ジョニー・ティロットソン版

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「バラが咲いた」
ジョニー・ティロットソン(日本盤)シングル
初出アルバム『バラが咲いた(SMM-1098)』
A面 LIKE A ROSE(英語盤)
B面 バラが咲いた(日本語盤)
リリース
ジャンル ポピュラー・ソング
レーベル MGM(日本グラモフォン
作詞・作曲 浜口庫之助
ジョニー・ティロットソン(日本盤) シングル 年表
恋はつらいね
(1966年)
バラが咲いた
(1966年)
ハロー・エネミー
(1966年)
試聴
バラが咲いた(日本語盤) - YouTube
(CDBaby提供のYouTubeアートトラック)
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マイク眞木がこの曲を発売したのと同じ1966年、競作の形でジョニー・ティロットソンが英語と日本語で歌唱し、シングルとして発売した。英題は「BARA GA SAITA (LIKE A ROSE)」。

収録曲

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  1. LIKE A ROSE(英語盤)
    作詞/作曲:浜口庫之助
  2. バラが咲いた(日本語盤)
    作詞/作曲:浜口庫之助

カバー

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バラが咲いた

「バラが咲いた」を取り上げた文献・資料

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  • さきたま抄 埼玉新聞(2018年5月28日) 

脚注

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注釈

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  1. ^ 現:JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
  2. ^ 1974年発売のゴールデン・コロちゃん「おもちゃのチャチャチャ/バラが咲いた/インディアンがとおる/手をたたきましょう/お誕生日のうた/ABCのうた」(CK-10)などに収録されている。
  3. ^ 1969年発売のアルバム『よいこのゴールデン童謡集4 ばらがさいた』(KX-4)などに収録されている。

出典

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  1. ^ フォークソング歌手・マイク眞木誕生 音楽日めくり 4月27日 ヤマハ
  2. ^ 富沢一誠『ニューミュージックの衝撃』共同通信社、1979年、64-66頁。NDLJP:12440731/37
  3. ^ 長田暁二『続 音楽おもしろゼミナール』誠文堂新光社、1985年、141-143頁。ISBN 4-416-88526-1NDLJP:12432288/78
  4. ^ 堀内敬三『音楽明治百年史』音楽之友社、1968年、349頁。NDLJP:2518791/191
  5. ^ a b 「メロディーとともに (9) バラが咲いた」『神戸新聞』1999年6月18日付夕刊、3面。
  6. ^ 「メイドインジャパン」最高!!世界で歌われる『ニッポンの歌』、ライブドアニュース(Nicheee!)、2013年11月11日 12:00。
  7. ^ ■NHK みんなのうた「ありがとう〜こころのバラ〜」8~9月放映!、3D-Blog、2007年03月16日 15:06。
  8. ^ ありがとう〜こころのバラ〜 - みんなのうた。(2018年11月13日閲覧)
  9. ^ JR常磐線石岡駅発車メロデイを変更します。- 石岡市公式ホームページ
  10. ^ バラが咲いた NHKみんなのうた 50周年データベース
  11. ^ 「NHK『みんなのうた』名曲、愛唱歌生み35年 母と子へ966のメロディー」『読売新聞』1996年3月27日付東京夕刊、9頁。