ハードツービート
ハードツービート | |
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欧字表記 | Hard to Beat |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 1969年 |
死没 | 1990年3月28日 |
父 | ハーディカヌート |
母 | Virtuous |
生国 | アイルランド |
馬主 |
Steven Sokolow 樫山純三 |
調教師 | Richard Carver(フランス) |
競走成績 | |
生涯成績 | 14戦7勝 |
獲得賞金 | 306万3157フラン |
ハードツービート (Hard to Beat) とはアイルランド生産、フランス調教の競走馬、種牡馬である。フランスでG1競走3勝。樫山純三の所有馬として1972年のジョッケクルブ賞(フランスダービー)に優勝し、日本人馬主初のヨーロッパクラシック競走制覇をもたらした。
半弟にイタリアのジョッキークラブ大賞優勝馬Authi(父Aureole)がいる。
経歴
[編集]アメリカ人馬主のスティーブン・ソカロウに買われたときの値は僅か920ギニー(約100万円)という安馬だったが、2歳時にグラン・クリテリウム (G1) に優勝し、フランスの2歳チャンピオンとなる。3歳になりフォンテーヌブロー賞 (G3) 、リュパン賞 (G1) を制し、大本命としてジョッケクルブ賞に向かったが、競走4日前に日本人馬主の樫山純三に115万ドル(約3億7000万円)で譲渡され、樫山の所有馬として同競走に出走した。当日はレスター・ピゴットを鞍上に優勝を果たし、樫山は日本人初の欧州クラシック競走優勝馬主となった。しかし翌日この勝利を伝えたル・モンド紙上には「名誉を金で買った」ことに対する批判的な論調もあった[1]。
以後は4歳シーズン終了まで走り、3歳秋にニエル賞 (G2) 優勝、1番人気に推された1973年の凱旋門賞 (G1) でラインゴールドの3着等の成績を残した。
1974年からフランスで種牡馬となり同地で3年間供用されたのち、樫山が所有する日本のオンワード牧場に導入された。フランスでは数少ない産駒から ディアヌ賞(フランスオークス)優勝馬Dunetteなどの活躍馬が現れたが、日本では中堅種牡馬に留まった。しかしブルードメアサイアーランキングで上位に顔を出すなど、一定の影響は残している。1990年死亡。
主な産駒
[編集]- Dunette(1976年産 ディアヌ賞・仏G1、サンクルー大賞・仏G1、プランスドランジュ賞・仏G3)※晩年に浦河日成牧場によって輸入されている。
- Hard to Sing(1976年産 エヴリー大賞・仏G2、ジャンプラ賞・仏G2)
- Indigene(1977年産 オマール賞・仏G3、ハーヴェスター国際大賞・独G3)
- Good to Beat(1977年産 ペネロペ賞・仏G3)
- ダイセキテイ(1979年産 目黒記念、ダイヤモンドステークス)
- オンワードボルガ(1981年産 中山大障害・秋、東京障害特別・秋)
- タケノハナミ(1982年産 ローズステークス)
- センゴクルビー(1982年産 東京障害特別・春)
- センゴクヒスイ(1986年産 新潟記念)
- リーゼンシュラーク(1987年産 七夕賞)
- ガクエンツービート (1985年産 青葉賞:現G2・当時OP)・菊花賞2着)
主なブルードメアサイアー産駒
[編集]※G1競走優勝馬のみ記載。
- フレンチグローリー[2](ロスマンズ国際ステークス・加G1、モーリスドニュイユ賞・仏G2、ラクープ・仏G3)
- Saint Andrews(ガネー賞・仏G1)
- ランドパワー(中山大障害)
血統表
[編集]ハードツービートの血統(ファリス系 / 5代内アウトブリード) | (血統表の出典) | |||
父 *ハーディカヌート Hardicanute 1962 青鹿毛 イギリス |
父の父 *ハードリドンHard Ridden 1955 鹿毛 イギリス |
Hard Sauce | Ardan | |
Saucy Bella | ||||
Toute Belle | Admiral Drake | |||
Chatelaine | ||||
父の母 Harvest Maid 1949鹿毛 イギリス |
Umidwar | Blandford | ||
Uganda | ||||
Hay Fell | Felstead | |||
Hay Fever | ||||
母 Virtuous 1962 鹿毛 イギリス |
Above Suspicion 1956 鹿毛 イギリス |
Court Martial | Fair Trial | |
Instantaneous | ||||
Above Board | Straight Deal | |||
Feola | ||||
母の母 Rose of India 1955鹿毛 イギリス |
Tulyar | Tehran | ||
Neocracy | ||||
Eastern Grandeur | Gold Bridge | |||
China Maiden F-No.14-b |
父・祖父といずれも種牡馬として日本に導入されている。祖母の半姉・半兄に、5戦5勝でイギリスの2歳牝馬チャンピオンとなったStar of India、ナンソープステークスの優勝馬High Treasonがいる。