コンテンツにスキップ

ハンサー・アルベルト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハンサー・アルベルト
Hanser Alberto
ボルチモア・オリオールズ時代
(2019年6月26日)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 ドゥアルテ州サン・フランシスコ・デ・マコリス
生年月日 (1992-10-17) 1992年10月17日(32歳)
身長
体重
5' 11" =約180.3 cm
215 lb =約97.5 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 二塁手三塁手遊撃手
プロ入り 2009年 アマチュアFA
初出場 2015年5月29日
年俸 $1,300,000(2023年)[2]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

ハンサー・ジョエル・アルベルト・ペーニャHanser Joel Alberto Peña, 1992年10月17日 - )は、 ドミニカ共和国ドゥアルテ州サン・フランシスコ・デ・マコリス出身のプロ野球選手内野手)。右投右打。愛称は、父が母国のラジオ番組でホストをしていることからレイディオRadio[3]

経歴

[編集]

プロ入りとレンジャーズ時代

[編集]

2009年テキサス・レンジャーズと契約してプロ入り。翌2010年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・レンジャーズでプロデビュー。この年は50試合に出場して打率.358、24打点、16盗塁を記録した。

2011年にアメリカ本土に渡り、A-級スポケーン・インディアンス英語版でプレー。この年は53試合に出場して打率.267、16打点、7盗塁を記録した。

2012年はA級ヒッコリー・クロウダッズとA+級マートルビーチ・ペリカンズでプレーし、2球団合計で128試合に出場し、打率.299、8本塁打、72打点、24盗塁を記録した。

2013年はA+級マートルビーチとAA級フリスコ・ラフライダーズでプレーし、2球団合計で129試合に出場して打率.223、4本塁打、47打点、16盗塁を記録した。

2014年もA+級マートルビーチとAA級フリスコでプレーし、2球団合計で120試合に出場して打率.273、7本塁打、56打点、16盗塁を記録した。また、この年はローリングス社選定のマイナーリーグのゴールドグラブ賞を受賞した[4]。オフの11月20日に40人枠入りした。

テキサス・レンジャーズ時代
(2015年7月1日)

2015年はAAA級ラウンドロック・エクスプレスで開幕を迎え、5月28日にメジャー初昇格を果たした。翌29日のボストン・レッドソックス戦にて9番・遊撃手で先発出場してメジャーデビュー。3打数1安打1打点を記録した。レギュラーシーズンでは41試合でプレーし、打率.222、4打点、1盗塁という成績を残した。守備面では二塁手として24試合、遊撃手として8試合、三塁手として7試合出場した。遊撃手と三塁手では無失策でこなした。

2016年も前年と同じ役割をこなし、35試合に出場した。打撃面では打率.143、5打点、1盗塁にとどまった。

2017年は右肩の故障のためメジャーでの出場は無く、マイナー(AA級フリスコとAAA級ラウンドロック)でも僅か5試合の出場にとどまった。オフの12月1日にノンテンダーFAとなった[5]が、14日にマイナー契約を結んで再契約し、2018年スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[6]

2018年の開幕はAAA級ラウンドロックで迎え、5月15日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[7]

オリオールズ時代

[編集]

2018年11月2日にウェイバー公示ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[8]2019年1月11日にヤンキースがザック・ブリットンと再契約したことに伴い、DFAとなった[9]。同日中にウェイバー公示を経てボルチモア・オリオールズへ移籍した[10]。2月19日にジョシュ・オーシックの加入に伴い、DFAとなった[11]。2月22日にウェイバー公示を経てサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[12]。3月1日にウェイバー公示を経て再びオリオールズへ移籍した[13]

2019年4月7日にオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズで行われたニューヨーク・ヤンキース戦で9回にリリーフで登板した、なお試合は3-15で敗北した。3-13のスコアから、死球を与え、本塁打を打たれ、2四球を与えたがその後は抑えた[14]。8月30日にカウフマン・スタジアムで行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦で自身初の1試合5安打を達成し試合にも14-2で勝利し、オリオールズは3週連続(レナート・ヌニェスアンソニー・サンタンダー)で達成したことになる[15]。以前の例は1936年7月でフィラデルフィア・アスレチックスでのウォーリー・モーゼス英語版フランキー・ヘイズ英語版ルー・フィニー英語版以来一月以内の達成は例に無かった[16]。シーズンでは、打率.305、出塁率.329、長打率.422、12本塁打、51打点と打撃面でキャリア最高を記録した。三振率は9.1%とMLBで最も低く、1三振ごとの打数は10.5と最も多く、バント安打は9とアメリカンリーグで最も多かった[17]。ストライクゾーン外のスイング率は47.6%とアメリカンリーグで最も高く、痛打率は24.6%とMLBで最も低かった[18]

2020年オフの12月2日にノンテンダーFAとなった[19]

ロイヤルズ時代

[編集]

2021年1月31日にカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結んだ[20]。3月29日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[21]。この年は103試合に出場して打率.270、2本塁打、20打点、3盗塁を記録した。オフの10月29日にFAとなった[22]

ドジャース時代

[編集]

2022年3月23日にロサンゼルス・ドジャースと160万ドルの単年契約を結んだ[23]。2023年は200万ドルのチームオプションとなり、バイアウトの際は25万ドルが支払われる[23]

2022年は73試合に出場した。また、投手として10試合に登板し、MLBにおける野手のシーズン最多登板記録を更新した(それまでの記録は6試合)[1]。オフにチームオプションを破棄され、FAとなった[24]

ホワイトソックス時代

[編集]

2023年1月11日にシカゴ・ホワイトソックスとマイナー契約を結んだ[25]。3月30日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[26]。6月4日に戦力外となりウェイバー公示に掛けられた[27]

プレースタイル

[編集]

遊撃、二塁、三塁をこなす[28]

2019年5月16日のメジャーリーグのクリーブランド・インディアンス対ボルチモア・オリオールズ戦では、7回裏1死満塁という場面でインディアンスの打者がセカンドゴロを放った際、守備側のオリオールズに判断ミスによる野手選択が連鎖し、オリオールズはアウトを1つも増やせずに2点を失った。この一連のプレーで二塁手として最初の判断ミスを犯したのがアルベルトである[29][30]

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
2015 TEX 41 104 99 12 22 2 1 0 26 4 1 0 3 0 2 0 0 17 2 .222 .238 .263 .500
2016 35 58 56 2 8 1 0 0 9 5 1 0 2 0 0 0 0 17 1 .143 .143 .161 .304
2018 13 30 27 0 5 2 0 0 7 0 0 1 1 0 2 0 0 4 0 .185 .241 .259 .501
2019 BAL 139 550 524 62 160 21 2 12 221 51 4 4 3 3 16 1 4 50 9 .305 .329 .422 .751
2020 54 231 219 35 62 15 0 3 86 22 3 0 2 2 5 0 3 30 6 .283 .306 .393 .698
2021 KC 103 255 241 25 65 20 3 2 97 24 3 1 4 2 4 0 4 26 1 .270 .291 .402 .693
2022 LAD 73 159 156 13 38 9 2 2 57 15 0 1 0 0 3 0 0 25 7 .244 .258 .365 .623
MLB:7年 458 1387 1322 149 360 70 8 19 503 121 12 7 15 7 32 1 11 169 26 .272 .294 .380 .674
  • 2022年度シーズン終了時

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2019 BAL 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 7 1.0 1 1 2 0 1 0 0 0 2 2 18.00 3.00
2021 KC 1 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 1 0.1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.00 0.00
2022 LAD 10 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 47 11.0 10 2 3 0 1 1 0 0 5 5 4.09 1.18
MLB:3年 12 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 55 12.1 11 3 5 0 2 1 0 0 7 7 5.11 1.30
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]
内野守備


一塁(1B) 二塁(2B) 三塁(3B) 遊撃(SS)
















































2015 TEX - 24 40 73 2 14 .983 8 4 13 0 3 1.000 7 2 3 0 0 1.000
2016 4 13 1 0 2 1.000 6 8 9 1 2 .944 9 13 33 0 10 1.000 11 1 14 0 1 1.000
2018 4 6 8 0 3 1.000 3 0 2 0 0 1.000 5 7 10 1 3 .944
2019 BAL - 90 119 169 3 59 .990 66 54 115 7 14 .960 -
2020 - 52 84 107 2 24 .990 5 4 11 0 2 1.000 -
2021 KC - 31 25 35 3 10 .952 49 32 53 4 8 .955 17 15 39 0 7 1.000
2022 LAD 3 7 1 0 1 1.000 37 32 54 3 14 .966 20 17 23 0 3 1.000 5 4 4 0 2 1.000
MLB 7 20 2 0 3 1.000 244 314 455 14 126 .982 161 110 221 11 28 .968 44 43 99 1 25 .993
外野守備


左翼(LF) 右翼(RF)
























2019 BAL 3 2 0 0 0 1.000 1 4 0 0 0 1.000
2022 LAD - 1 0 0 0 0 ----
MLB 3 2 0 0 0 1.000 2 4 0 0 0 1.000
投手守備


投手(P)












2019 BAL 1 0 0 0 0 ----
2021 KC 1 0 0 0 0 ----
2022 LAD 10 2 0 0 0 1.000
MLB 12 2 0 0 0 1.000
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号

[編集]
  • 68(2015年)
  • 2(2016年、2018年)
  • 57(2019年 - 2020年)
  • 49(2021年)
  • 17(2022年)
  • 26(2023年)

脚注

[編集]
  1. ^ a b 菊地慶剛 (2023年2月14日). “今季から野手の登板が厳格化!MLBが新たに2つのルール変更を採択&導入へ”. Yahoo!ニュース エキスパート. 2024年8月4日閲覧。
  2. ^ Hanser Alberto Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年4月11日閲覧。
  3. ^ 「テキサス・レンジャーズ」『2016MLB選手名鑑全30球団コンプリートガイド』 日本スポーツ企画出版社 45頁
  4. ^ Hanser Alberto named Rawlings Gold Glove winner” (英語). Frisco-online.com (2014年10月1日). 2015年10月5日閲覧。
  5. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年12月5日閲覧。
  6. ^ Jeff Todd (2017年12月14日). “Rangers Agree To Minors Deals With Hanser Alberto, Kevin Jepsen” (英語). MLB Trade Rumors. 2018年1月2日閲覧。
  7. ^ T.R. Sullivan (2018年5月15日). “Beltre returns to DL with strained hamstring” (英語). MLB.com. 2018年5月19日閲覧。
  8. ^ Steve Adams (2018年11月2日). “Yankees Claim Hanser Alberto From Rangers” (英語). MLB Trade Rumors. 2018年11月2日閲覧。
  9. ^ Bryan Hoch (2019年1月11日). “Britton: Yanks 'could win year-in and year-out'” (英語). MLB.com. 2019年1月13日閲覧。
  10. ^ Joe Trezza (2019年1月11日). “O's avoid arbitration with Bundy, Givens, Villar” (英語). MLB.com. 2019年1月13日閲覧。
  11. ^ Joe Trezza (2019年2月19日). “Mountcastle tries 1B as O's preach versatility” (英語). MLB.com. 2019年2月21日閲覧。
  12. ^ Steve Adams (2019年2月22日). “Giants Claim Hanser Alberto, Designate Jake Barrett For Assignment” (英語). MLB Trade Rumors. 2019年2月28日閲覧。
  13. ^ Glenn Sattell (2019年3月1日). “Orioles announce new 2019 broadcast team” (英語). MLB.com. 2019年3月21日閲覧。
  14. ^ Kubatko, Roch. "Homers hurt Orioles again in 15–3 loss," Mid-Atlantic Sports Network (MASN), Sunday, April 7, 2019. Retrieved August 31, 2019
  15. ^ Falkoff, Robert. "Means enjoys homecoming victory over Royals," MLB.com, Saturday, August 31, 2019. Retrieved August 31, 2019
  16. ^ STATS LLC's tweet confirming the achievement on Friday, August 30, 2019. Retrieved August 31, 2019
  17. ^ Major League Leaderboards » 2019 » Batters » Advanced Statistics | FanGraphs Baseball”. Fangraphs.com (2019年1月1日). 2019年10月6日閲覧。
  18. ^ Major League Leaderboards » 2019 » Batters » Batted Ball Statistics | FanGraphs Baseball”. Fangraphs.com (2019年1月1日). 2019年10月7日閲覧。
  19. ^ Joe Trezza (2020年12月2日). “Alberto non-tendered in flurry of O's moves” (英語). MLB.com. 2020年12月20日閲覧。
  20. ^ Royals Sign Hanser Alberto To Minor League Contract” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年2月1日閲覧。
  21. ^ Royals Select Hanser Alberto” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年3月30日閲覧。
  22. ^ Anthony Franco (2021年10月29日). “Royals Outright Hanser Alberto, Scott Blewett” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年2月27日閲覧。
  23. ^ a b Press release: Dodgers sign Hanser Alberto ”. www.mlb.com. 2022年3月23日閲覧。
  24. ^ Williams, Blake (2022年11月9日). “Dodgers Decline Option On Jimmy Nelson For 2023 Season” (英語). Dodger Blue. 2022年11月9日閲覧。
  25. ^ White Sox, Hanser Alberto Agree To Minor League Deal” (英語). MLB Trade Rumors. 2023年4月4日閲覧。
  26. ^ White Sox's Hanser Alberto: Added to roster”. www.cbssports.com. 2023年4月4日閲覧。
  27. ^ Hanser Alberto: Parting ways with White Sox”. cbssports.com (2023年6月4日). 2024年8月14日閲覧。
  28. ^ 「2015プレーオフ選手名鑑 テキサス・レンジャーズ」『月刊スラッガー』2015年11月号 日本スポーツ企画出版社 37頁
  29. ^ 最下位オ軍の守備失態に米絶句 満塁二ゴロで1死も取れず2失点「表現する言葉がない」”. THE ANSWER (2019年5月17日). 2024年8月14日閲覧。
  30. ^ 'Orioles Gonna Oriole': Fans React To Disastrous Defensive Miscue Against Indians”. cbsnews.com (2019年5月17日). 2024年8月14日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]