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ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーHanke-Henry Permanent Calendar)は、2012年に現行のグレゴリオ暦の不合理を是正する改暦案のひとつとして考案された、太陽暦に属する暦法である。

概要

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ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーは、1996年に考案された「ボブ・マクリノンズ・リフォームド・ウィークリー・カレンダー」をベースにして、スティーブ・ハンキ(Steve Hanke)とリチャード・コン・ヘンリー(Richard Conn Henry)によって考案された。

この暦法では、平年における年間の日数を364日(52週)としている。1月1日は常に月曜日であり、さらに各四半期をすべて30日・30日・31日の3か月で構成することにより、四半期毎に曜日がすべて同じになるようにしている(各四半期の日数は91日(13週)のため、すべて同じ曜日になる)。

閏週(じゅんしゅう)の概念を導入しており、グレゴリオ暦での1月1日[1]または12月31日のどちらかが木曜日の年に年末(12月31日)の翌日から7日間の「追加週」を挿入するように規定している。「追加週」の挿入は5年または6年毎に発生する。具体的には、2020年・2026年・2032年・2037年・2043年・2048年・2054年・2060年など[2]である。

グレゴリオ暦にあり、ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーにない日付は、1月31日5月31日7月31日8月31日10月31日であり、グレゴリオ暦になく、ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーにある日付は、2月30日・6月31日・9月31日である(平年では、2月29日も該当する)。

暦表

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ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーの暦表(カレンダー)を以下に示す。

1月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
2月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
3月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
4月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
5月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
6月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
7月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
8月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
9月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
10月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
11月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
12月
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
追加週
(extra week)
1 2 3 4 5 6
7

利点と欠点

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ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダーの利点と欠点は以下のとおりである。

利点

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  • 同じ日付は常に同じ曜日となる(例えば、12月31日は常に日曜日である)。それを世界暦とは異なり、バビロニアの時代から数千年の伝統を持つ「週=7日間」のサイクルを断絶せずに運用できる。
  • 「○月の第×△曜日」のように、月と週、曜日によって移動する日付を定義する必要がない。成人の日(1月第2月曜日)は常に1月8日となるし、敬老の日(9月第3月曜日)は常に9月18日となる。
  • 四半期の長さが一定(91日)であり、グレゴリオ暦に比べて均等である(グレゴリオ暦は90日〜92日)。
  • 月の長さも30日と31日の2通りしかなく、グレゴリオ暦に比べて均等である(グレゴリオ暦は28日・29日・30日・31日の4通り)。
  • グレゴリオ暦からの移行も、1月1日が月曜日となる年(例えば2029年)から始めれば比較的スムーズである。
  • グレゴリオ暦と比べ、1年の平均日数が平均太陽年に近くなり、完全に補正することも可能となる。

欠点

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  • 天文学的な現象(たとえば春分)が暦日と大きくずれる。
  • 住宅ローンなどの支払いが長期にわたる商品では、追加の1週間によって利子の計算などの処理が複雑になる可能性がある。
    • 給与家賃など月ごとに支給・支払いを行うケースでも、同じように追加週期間の計算が煩雑となる。
  • 53週目を挿入するタイミングが「○で割り切れる年」や「○で割り切れて△で割り切れない年を除く」などの単純なものではなく、現行のグレゴリオ暦との併用も必要となる。
※以前は「1月1日は日曜日」としていたため、13日の金曜日が1年に必ず4回あるという問題があった(グレゴリオ暦では1回~3回)。これは(特に英語圏・フランス・ドイツの)キリスト教徒にとっては深刻な問題だった。

脚注

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  1. ^ 翌年の1月1日」ではないことに注意
  2. ^ Calendar” (英語). The Hanke-Henry Permanent Calendar. 2021年11月28日閲覧。

外部リンク

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