ハワード・ヒベット
人物情報 | |
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全名 |
ハワード・スコット・ヒベット・ジュニア Howard Scott Hibbett, Jr. |
生誕 |
1920年7月27日 アメリカ合衆国 オハイオ州 |
死没 |
2019年3月13日(98歳没) アメリカ合衆国 マサチューセッツ州アーリントン |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身校 | ハーバード大学 |
学問 | |
研究分野 | 日本文学 |
研究機関 | ライシャワー研究所 |
主な指導学生 | ロバート・キャンベル |
学位 | Ph.D. |
主な業績 | 日本文学作品の紹介、翻訳 |
ハワード・ヒベット(Howard Scott Hibbett, 1920年7月27日[1] - 2019年3月13日)は、米国の日本文学研究者、ハーバード大学名誉教授。谷崎潤一郎や井原西鶴らの作品を海外に紹介し、日本文学の国際化に寄与した[2][3]。
略歴
[編集]1920年、オハイオ州に生まれる[1]。1942年からハーバード・カレッジで日本文学の研究を始め[4]、同年後半から1946年まで首都ワシントンで米軍の日本語教師を務めた[4]。1947年、学士号を取得してカレッジを卒業した後[4][5]、18世紀の日本文学に関する研究により、1950年にハーバード大学から博士号が授与された[1][4]。カリフォルニア大学ロサンゼルス校を経て1952年からハーバード大学で教え[1][4]、1958年にハーバード大学フェアバンク東アジア研究センター教授に就任した[1]。
1959年、井原西鶴を研究した「The Floating World in Japanese Fiction」をイギリスのオックスフォード大学出版局より刊行、翌年にはアメリカでも出版された。ここではヒベットは西鶴作品に「意識的な軽薄さ」を指摘している。1963年には「Seven Japanese tales(七つの日本の小説)」で谷崎潤一郎の「刺青」などをアメリカに紹介した。1964年、グッゲンハイム・フェローシップ賞を受賞し、研究助成金を受けた[6]。1965年から1年間に亘り妻のアキ子と共に日本に滞在し[1]、ドナルド・キーンやエドワード・サイデンステッカーと共に谷崎などと親交を深めた[3]。また、川端康成のノーベル文学賞受賞にも大きく関与した[2]。
ライシャワー研究所では研究員として在籍し、1985年から1988年には同所長を務めている[7]。また、ハーバード大学の学術誌主幹を多年に亘り務めた[8]。ハーバード大学の教え子にはロバート・キャンベルがいる[3]。日本国内の著作では「江戸の笑い」や「笑いと創造」の編者として関わり、日本の笑いについて考究した[3]。2018年、日本文学の優れた英訳の偉功をたたえるミヨシ夫妻賞(第1回)が、コロンビア大学ドナルド・キーン日本文化センターから贈られた[3][8]。2019年3月13日、心不全によりマサチューセッツ州アーリントンの自宅で死去した。98歳没[8]。
日本語著述
[編集]翻訳
[編集]- 『ビルマの竪琴』竹山道雄 1966 A Harp of Burma
- 『卍』谷崎潤一郎 Quicksand
- 『瘋癲老人日記』谷崎 Diary of a Mad Old Man
- 『美しさと哀しみと』川端康成 Beauty and Sadness 1975
- Contemporary Japanese Literature: an Anthology of Fiction, Film, and Other Writing since 1945 (1977)
英文著作
[編集]- The Floating World in Japanese Fiction (Oxford University Press 1959)
- The Japanese comic linked-verse tradition. Harvard-Yenching Institute, 1961
- Modern Japanese; a basic reader 板坂元共著 Harvard University Press, 1965.
- The Chrystanthemum and the Fish: Japanese Humor Since the Age of the Shoguns(菊と魚)講談社インターナショナル (2002)
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “ハワード・スコット ヒベット Howard Scott Hibbett”, 20世紀西洋人名事典, 日外アソシエーツ, (1995)
- ^ a b 「日本文学研究を牽引、ハワード・ヒベット氏死去」『読売新聞オンライン』2019年3月20日。オリジナルの2019年3月20日時点におけるアーカイブ。2019年3月22日閲覧。
- ^ a b c d e 中澤雄大「世界的日本文学研究者のハワード・ヒベットさん死去 98歳 谷崎作品など翻訳」『毎日新聞』2019年3月19日。オリジナルの2019年3月21日時点におけるアーカイブ。2019年3月22日閲覧。
- ^ a b c d e “RIJS PEOPLE FACULTY HOWARD HIBBETT” (English). President and Fellows of Harvard College. 2011年4月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月23日閲覧。
- ^ “University Graduated 513 Men in February” (Engllish). The Harvard Crimson. (1947年4月16日). オリジナルの2013年2月3日時点におけるアーカイブ。 2019年3月22日閲覧。
- ^ “14 Guggenheim Fellowships Granted To Faculty Members For Research” (Engllish). The Harvard Crimson. (1964年4月6日). オリジナルの2012年9月29日時点におけるアーカイブ。 2019年3月23日閲覧。
- ^ “Past Directors” (English). Harvard University. 2019年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月22日閲覧。
- ^ a b c 「ハワード・ヒベットさん 日本文学研究のハーバード大名誉教授」『東京新聞』(共同通信)2019年3月21日。オリジナルの2019年3月21日時点におけるアーカイブ。2019年3月22日閲覧。