ノート:ヤーセル・アラファート
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アラビア語における原音主義
[編集]質問なのですが、アラビア語の方言差が、人名、地名、重要概念に表記揺れをおこす可能性はあるのでしょうか。ないとすればそれは、方言差が無視できるほど小さいせいでしょうか。それとも標準語に従えば良いということでしょうか。Kinori 2004年12月1日 (水) 17:10 (UTC)
- アラビア語は方言のバリエーションが大きいので差異はいくらでもあります。詳しくないですが短母音は揺れが大きくてマッカがメッケと聞こえたりするようです。短い母音の揺れに留まらない顕著なところでは
- エジプト方言
- シャジャルッドゥッル→シャガラットゥッドッル(13世紀の女王)
- ムハンマド・ナジーブ→ムハンマド・ナギーブ(初代大統領)
- ジャマール・アブドゥンナーシル→ガマール・アブドゥンナーセル(第2代大統領)
- チュニジア方言
- ブールキーバ→ブルギーバ(初代大統領)
- などが思いつきます。ただ、慣例として歴史上の人物や概念などについては正則アラビア語を取り、現代の人物は方言の発音を尊重することが普通ですし、一応今までの人物名のルール案もそうすることにされています。まあ、新聞などではナギブ、ナセルとかかれ、Nagib, Nasser という英語表記をもつ人たちをナジーブ、ナースィルと書いたら誰だかわからないので当然かもしれません。ここのところはかっちりとしたルール化は難しいので、各種の資料における表記を勘案して突飛なものにならないよう気をつけつつケースバイケースで判断するしかないようです。つまり、現代人名については紛れがない程度に確立された一意な転写法というのは難しいかもしれません。Safkan 2004年12月3日 (金) 05:56 (UTC)
- わかったような気がします。さらにまた無知な質問ですみませんが、Safkanさんがウィキペディアで使おうと考えている方言は、国単位の大きさのグループなのでしょうか。異なる方言間のうちどれを採るかで悩むことはありますか。Kinori 2004年12月5日 (日) 08:41 (UTC)
- 繰り返しになりますが私はアラビア語の専門家ではないので、その質問に明確な回答を提示することはできません。私自身は、第一に専門事典類、第二に各国の政府・政党の発信する情報源における英語・フランス語綴りを参考に判断するしか方法をもっていないです。上でのお答えはその範囲内の理解を出るものではありません。その点、採用される表記が恣意的になる余地があり、個々のケースにおいて異論を併記し、問題がある場合はノート等で慎重に検討する必要があると思っています。
- ただ、もしかしたら、このやり方の先達であるアラビア語ちゃんねるさんは何か確立した判断基準をお持ちかもしれませんが…。Safkan 2004年12月6日 (月) 04:16 (UTC)
- そうですか。お返事が遅れたことも含めすみません。アラビア語のような歴史が古く広い範囲で使われている言語で、機械的に転写すれば原音どおりで問題ないということがあるのか、もしそうならよほど強い言語政策があるのかと思ったのでした。一つにまとまっているのは日本の学界慣行であって、アラビア語の原音はもっと複雑な様相をもつということですね。Kinori 2004年12月22日 (水) 07:03 (UTC)
- えっと、強い言語政策みたいなものがないわけではないのです。コーランの言葉であるアラビア語の正則語(フスハー)は7世紀に当時のアラビア語で神が語ったのと同じ言葉ということから強い拘束力がありまして、今もコーランの言葉そのままの発音で文語として、あるいは口語としても報道などのお堅い場面や国籍の違うアラブ人同士の会話などに使います。なので、外国人、特に日本人は正則アラビア語の厳格な転写を好みますし、事典類では現に厳格な転写方式が確立されています(いくつかの方式がありますが)。
- ところが、実際にはコーランの時代から1000年以上を経過しているわけですから、各地のアラビア語は今はばらばらです(コーランの時代には既にばらばらだったんであたりまえなんですけども)。だから、アラブ諸国はどこでも日常会話では口語を使っているわけで、話し言葉に文語やアカデミックな言葉である正則語を使うとかえって変な感じがするそうです。イメージとしては、アラブ人にとっての正則アラビア語は、15世紀くらいのフランスやスペインやイタリアの人が文語ラテン語を使っているようなものだということみたいです。しかし、例えば15世紀のフランスならば、文書にはCARLVS VIIと書いてある国王も、実際に話言葉で聞いてみるとシャルル・セトと発音しているわけで、だから「シャルル7世」と書かないと違和感がありますし、普通はそう書きますよね。同じように、アラビア語であってもいくらなんでも現代の人物まで発音を無視して正則語を厳格にあてはめのもそれにはそれなりの違和感があって、エジプトの初代大統領を正則語でナジーブと書くことはほとんどないです。だから、正則語をもとにしつつも口語を勘案してナギーブとしたほうが良いのではないか、という考えになるわけです。Safkan 2004年12月25日 (土) 00:25 (UTC)
- 結論が抜けました。概念は多くの場合、正則語で処理されるからいいんですが、人名や地名は方言に引きずられる表記のほうが一般的なことも多いので、まずどこまでを正則語にするかという統一的な基準(ノート:ムハンマドで提案しているもの)が必要でしょう。そして正則語の機械的な転写方式が適用できないと判断されるケースでは、他の情報源との整合や関連を判断しつつ個別に判断が必要なのではないかと思います。Safkan 2004年12月25日 (土) 00:33 (UTC)
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- http://unispal.un.org/UNISPAL.NSF/0/F4782251985E8A5D85256D58004D9D54にアーカイブ(https://web.archive.org/web/20110728142935/http://unispal.un.org/UNISPAL.NSF/0/F4782251985E8A5D85256D58004D9D54)を追加
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