ネネツ語
ネネツ語 | |
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ненэцяʼ вада | |
話される国 | ロシア |
地域 | ネネツ自治管区, ヤマロ・ネネツ自治管区, タイミル自治管区, コミ共和国, ムルマンスク州[要出典] |
民族 | ネネツ人 |
話者数 | 31,300 |
言語系統 | |
方言 |
森林ネネツ語
ツンドラ・ネネツ語
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表記体系 | キリル文字 |
公的地位 | |
公用語 |
ネネツ自治管区 ヤマロ・ネネツ自治管区 |
統制機関 | 統制なし |
言語コード | |
ISO 639-3 |
yrk |
ネネツ語(ネネツご、ユラク語とも呼ばれた)は、ロシア北部のネネツ人が話す言語である。「森林ネネツ語」と「ツンドラネネツ語」に分けられる。この2つはよく同じ言語の方言として扱われるが、それらは全く違う言語で相互理解可能性も非常に低い。その2つのうち話者人口が多いのはツンドラネネツ語で、約3万人から4万人[1][2]。カニン半島からエニセイ川の辺りに分布している[3]。森林ネネツ語の話者人口は1,000人から1,500人ほどで、アガン川、プル川、リャミン川、ナディム川の周辺に分布している[1][2]。
ネネツ語は、ウラル語族に分類され、いくつかのヨーロッパの国家言語(すなわち、フィンランド語やエストニア語、ハンガリー語など)や他のロシアの少数言語と遠い親戚関係にある。2種のネネツ語はともにロシア語に大いに影響を受けており、またロシア語ほどではないが、コミ語やハンティ語からの影響も見られる。ツンドラ・ネネツ語は、先住民の言語で少数言語であるにもかかわらず、しっかりと記録がされており、1930年代にさかのぼる文学の伝統も持っている。一方、森林ネネツ語が初めて書かれたのは1990年代であり、とても小規模である[2]。
英語の「parka」はネネツ語から来ており、パーカは、彼らの伝統的な衣装である動物の毛皮などから作った長いフード付きの上着であった[4]。
ネネツ語共通の特徴
[編集]ネネツ語の特徴は、ほとんど全ての子音において組織的な口蓋化が起こることである。これは原始サモエード諸語の、異なる母音の特性の間にある著しい差異から起こる[5]。
- *Cä, *Ca → *Cʲa, *Ca
- *Ce, *Cë → *Cʲe, *Ce
- *Ci, *Cï → *Cʲi, *Ci
- *Cö, *Co → *Cʲo, *Co
- *Cü, *Cu → *Cʲu, *Cu
軟口蓋音の *k と *ŋ はさらに、口蓋化した時に *sʲ と *nʲ に変わる。
ツンドラ地域で話される他のサモエード諸語(エネツ語、ガナサン語、そして消滅言語のユラツ語)でも同じような変化が発生する。
ツンドラネネツ語と森林ネネツ語の違い
[編集]ツンドラネネツ語は、森林ネネツ語よりも初期のネネツ語の形が残っている。また、その音韻体系は東ハンティ方言の影響を受けているが、以下のような、変化も見られている[6][5]。
- ツンドラネネツ語:
- 森林ネネツ語:
脚注
[編集]- ^ a b Ethnologue
- ^ a b c Tapani Salminen, Farrell Ackerman (2006). “Nenets”. In Keith Brown. Encyclopedia of Languages & Linguistics. 8 (2 ed.). オックスフォード, イングランド: エルゼビア. pp. 577–579
- ^ Peter Staroverov (2006). Vowel deletion and stress in Tundra Nenets. モスクワ, ロシア. p. 1
- ^ "parka" in Merriam-Webster Online Dictionary
- ^ a b Sammallahti, Pekka (1988), “Historical phonology of the Uralic languages, with special reference to Samoyed, Ugric, and Permic”, in Denis Sinor, The Uralic Languages: Description, History and Foreign Influences, Leiden: Brill, pp. 478–554
- ^ Salminen, Tapani (2007), “Notes on Forest Nenets phonology”, Mémoires de la Société Finno-Ougrienne (ヘルシンキ, フィンランド: Suomalais-Ugrilainen Seura) 253