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ナンキンオシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナンキンオシ
ナンキンオシ
ナンキンオシ
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: カモ目 Anseriformes
: カモ科 Anatidae
: ナンキンオシ属 Nettapus
: ナンキンオシ
N. coromandelianus
学名
Nettapus coromandelianus
(Gmelin, 1789)
和名
ナンキンオシ
英名
Cotton Pygmy-goose

ナンキンオシ(南京鴛、学名:Nettapus coromandelianus)は、カモ目カモ科に分類される鳥類の一種。

分布

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中国南部、南アジア(パキスタンインドバングラデシュ)、東南アジアで繁殖する。中国南部で繁殖した個体は、冬季インドネシアオーストラリア等の南方に渡り越冬する。

日本では、沖縄県与那国島1972年3月[1][2][3]、沖縄県多良間島で2010年6月に[4]観察されている。また、2010年5月には大阪府でも観察されており、この個体には、足環などの飼育されていた痕跡はなく、関西の動物園でも本種を飼育していた動物園はなかったことから、自然渡来した可能性が高いと考えられる[5]

形態

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全長約33cm。日本で記録されたカモ科の鳥としては、最も小型の種類に属する。雄成鳥は頭部は白色だが、額から頭頂は黒褐色。背中から尾は黒色で体の下面は白色である。雌の成鳥は、顔の茶色の通眼線があり、体の上面はやや褐色味をおびる。

生態

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淡水域の湖沼湿地河川マングローブ林などに生息し、小群かつがいで行動する。

食性は植物食で、水草や植物の種子などを食べる。こうした食物を、水中に頭をつけて採る。

繁殖形態は卵生。樹洞に営巣する。1腹6-8個の卵を産み、抱卵日数は22-24日である。

亜種

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以下の2亜種に分類されている。

  • Nettapus coromandelianus coromandelianus ナンキンオシ
  • Nettapus coromandelianus albipennis オオナンキンオシ

絶滅危惧評価

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参照・注釈

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  1. ^ 黒田長禮、「日本産ガン・カモ科鳥類の渡来地表 追加Ⅱ」『』22巻、日本鳥学会、1973年、47-53頁
  2. ^ 内田康夫、「日本迷鳥録6 ナンキンオシ」『世界動物百科 70巻』、1972年、2頁
  3. ^ 今井光雄、「与那国島におけるナンキンオシ」、『野鳥』41巻、日本野鳥の会、1976年、651-652頁
  4. ^ 羽地邦雄・砂川栄喜・池永祐史、「沖縄県多良間島におけるナンキンオシ Nettapus coromandelianus の観察記録」『日本鳥学会誌』60巻2号、日本鳥学会、2011年、246-249頁
  5. ^ 佐竹忠義・湯浅健・松井敬子、「大阪府深北緑地におけるナンキンオシ Nettapus coromandelianus の記録」『日本鳥学会誌』60巻2号、日本鳥学会、2011年、254-256頁
  6. ^ Nettapus coromandelianus (Species Factsheet by BirdLife International)

参考文献

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  • 上田恵介監修 『小学館の図鑑NEO 鳥』 小学館、2002年、136頁。
  • 『世界の動物|分類と飼育 ガンカモ目』、財団法人東京動物園協会、1980年、44頁


外部リンク

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関連項目

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