コンテンツにスキップ

ドロガメ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドロガメ属
トウブドロガメ
トウブドロガメ Kinosternon subrubrum
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : ドロガメ上科 Kinosternoidea
: ドロガメ科 Kinosternidae
亜科 : ドロガメ亜科 Kinosterninae
: ドロガメ属 Kinosternon
Spix, 1824
タイプ種
Kinosternon scorpioides

ドロガメ属(ドロガメぞく、Kinosternon)は、爬虫綱カメ目ドロガメ科に属する属。ドロガメ科の模式属

分布

[編集]

アルゼンチンアメリカ合衆国エクアドルエルサルバドルガイアナグアテマラコスタリカコロンビアスリナムニカラグアパナマパラグアイブラジルベネズエラベリーズペルーボリビアホンジュラスメキシコ[1][2][3][4]

形態

[編集]

最大種はサソリドロガメで最大甲長27センチメートル[4]。最小種はバジャルタドロガメで最大甲長10センチメートル[5]腹甲は科内ではやや大型で[1]、腹甲の正中線の直線距離(腹甲長)は背甲の正中線の直線距離(背甲長<単に甲長と呼ばれるのはこの背甲長のことが多い>)の約90%[6]。腹甲にある正中線上の左右の甲板の継ぎ目(シーム)の長さは、喉甲板ではなく他の甲板がもっとも短い[6]胸甲板は三角形に近い形状[6]。胸甲板と腹甲板、腹甲板と股甲板のシームに2つの蝶番があり可動させることができる[1]。カメ目では本属のみ腹甲に2つの蝶番がある[6]。属名Kinosternonは「動く胸」の意で、蝶番に由来する[1]。多くの種は腹甲を折り曲げると背甲との間に隙間がなくなるが、腹甲が小型な種では背甲との間に隙間ができる種もいる[1]

分類

[編集]

以前は腹甲が小型な種もいることなどからニオイガメ属を本属に含める説もあったが[6]、形態的差異や本属およびニオイガメ属がそれぞれ単系統群と推定されているため有力ではない[1]

生態

[編集]

半水棲もしくは水棲[1]。科内では陸棲傾向が強く、陸にあがったり日光浴を好む傾向がある[1]。砂漠内や乾季に干上がる水場に生息し、陸づたいに水場を移動する種もいる[1][2][4]

食性は動物食傾向の強い雑食か雑食[1]。陸棲傾向の強い種は陸上でも採食を行う[1]

繁殖形態は卵生。

人間との関係

[編集]

ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されている。

画像

[編集]

参考文献

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k 安川雄一郎 「ドロガメ属の分類と自然史(第1回)」『クリーパー』第53号、クリーパー社、2010年、27-55頁。
  2. ^ a b 安川雄一郎 「ドロガメ属の分類と自然史(第2回)」『クリーパー』第54号、クリーパー社、2010年、18-43頁。
  3. ^ 安川雄一郎 「ドロガメ属の分類と自然史(第3回)」『クリーパー』第55号、クリーパー社、2011年、10-28頁。
  4. ^ a b c 安川雄一郎 「ドロガメ属の分類と自然史(第4回)」『クリーパー』第56号、クリーパー社、2011年、65-82頁。
  5. ^ ジェフリー・E・ラヴィッチ/ウィット・ギボンズ 著、冨水明 日本語版監修『カメ大全』エムピージェー、2023年、72頁。
  6. ^ a b c d e 安川雄一郎 「北米のドロガメ科1 ニオイガメの仲間」『クリーパー』第9号、クリーパー社、2001年、6-7頁。

関連項目

[編集]