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ドゥ・マゴ賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドゥ・マゴ賞
Prix des Deux Magots
カフェ「ドゥ・マゴ」
受賞対象独創性豊かな小説
フランスの旗 フランス
主催ドゥ・マゴ
報酬7,750€
初回1933年
最新回2019年
最新受賞者エマニュエル・ド・ヴァレスケルフランス語版, Le Temps de s'en apercevoir
公式サイトドゥ・マゴ賞公式ウェブサイト (フランス語)

ドゥ・マゴ賞(Prix des Deux Magots)は、フランス文学賞の一つ。アカデミックなゴンクール賞に対抗して1933年に創設され、斬新で独創性豊かな小説に与えられる[1]

概要

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1933年、アンドレ・マルローゴンクール賞が授与されたのと同日に、サン=ジェルマン=デ=プレ地区にあるカフェ「ドゥ・マゴ」でエコール・デ・ボザール司書マルティーヌの提案によって創設された。この提案を受けて、カフェの常連で作家レイモン・クノーの友人であったロベール・デスノスミシェル・レリスジャック・バロンフランス語版ジョルジュ・リブモン=デセーニュフランス語版ロジェ・ヴィトラックフランス語版(いずれもアンドレ・ブルトンによってシュルレアリスム運動から除名された作家)、イサック・クリュンベール (Isaac Grünbert)、アルマン・メグレフランス語版, アンリ・フィリポン (Henri Philippon)、アンドレ・ド・リショーフランス語版、および画家ガストン=ルイ・ルーフランス語版アンドレ・ドランアルフレッド・ジャニオフランス語版の13人が審査員に選ばれ、レイモン・クノーの『はまむぎフランス語版』を選出。審査員13人はそれぞれ100フランずつ持ち寄って計1,300フランの賞金を進呈した[2][3][4]

現在の賞金額は7,750ユーロである[5]

なお、ドゥ・マゴ賞の精神を受け継ぎ、1990年に日本のBunkamuraにより「Bunkamuraドゥマゴ文学賞」が創設された[6]

受賞作家・作品一覧

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作家 作品 邦訳(映画)
1933 レーモン・クノー Le Chiendent 『はまむぎ』滝田文彦訳、白水社、(新装復刊版) 2001年。
1934 ジョルジュ・リブモン=デセーニュフランス語版 Monsieur Jean ou l'Amour absolu
1935 ジャック・バロンフランス語版 Charbon de mer
1936 ミシェル・マトヴェーヴフランス語版 Étrange Famille
1937 ジョルジュ・ピユモンフランス語版 Plaisir d'amour
1938 ピエール=ジャン・ローネフランス語版 Léonie la Bienheureuse
1939 NA
1940 NA
1941 ジャン=マリー・エモフランス語版 Nos mitrailleuses n'ont pas tiré
1942 オリヴィエ・セシャンフランス語版 Les corps ont soif
1943 NA
1944 ジャン・ミロフランス語版 L'Esprit de famille
1945 NA
1946 ジャン・ルーブフランス語版 Le Regret de Paris
1947 ポール・マラルドフランス語版 L'Amour aux deux visages
1948 イヴ・マラルティックフランス語版 Au pays du bon Dieu
1949 クリスティアン・コフィネフランス語版 Autour de Chérubine
1950 アントワーヌ・ブロンダンフランス語版 L'Europe buissonnière
1951 ジャン・マサレスフランス語版 Comme le pélican du désert
1952 ルネ=ジャン・クロフランス語版 Le Poil de la bête
1953 アルベール・シモナン Touchez pas au grisbi ! 『現金に手を出すな』野口雄司訳、早川書房、1975年。
1954 クロード・カリゲルフランス語版 S
1955 ポーリーヌ・レアージュ Histoire d'O O嬢の物語』(序文:ジャン・ポーラン澁澤龍彦訳、河出書房新社、(第13刷版) 1992年。
1956 ルネ・アルディ Amère Victoire ニコラス・レイ監督映画『にがい勝利』
1957 ウィリー・ド・スパンスフランス語版 Grain de beauté
1958 ミシェル・クルノフランス語版 Le Premier Spectateur
1959 アンリ=フランソワ・レイフランス語版 La Fête espagnole ジャン=ジャック・ヴィエルヌフランス語版監督映画『明日なき夜』
1960 ベルナール・G・ランドリフランス語版 Aide-mémoire pour Cécile
1961 ベルナール・ジュルダンフランス語版 Saint-Picoussin
1962 ロワ・マッソンフランス語版 Le Notaire des Noirs
1963 ジャン・ジルベールフランス語版 L'Enfant et le Harnais
1964 クレマン・レピディスフランス語版 La Rose de Büyükada
1965 フェルナン・プイヨンフランス語版 Les Pierres sauvages 『粗い石 ― ル・トロネ修道院工事監督の日記』荒木亨訳、形文社、2001年。
1966 ミシェル・バタイユフランス語版 Une pyramide sur la mer
1967 ソランジュ・ファスケルフランス語版 L'Air de Venise
1968 ギイ・サジェールフランス語版 Le Soldat oublié 『忘れられた兵士 ― ドイツ少年兵の手記』三輪秀彦訳、早川書房、1980年。
1969 エルヴィール・ド・ブリサックフランス語版 À pleur-joie 『あの日暑くなければ』山中啓子訳、早川書房、1973年。
1970 ローラン・トポールフランス語版 Joko fête son anniversaire 「ジョコ、記念日を祝う」『幻の下宿人』(榊原晃三訳, 河出書房新社, 2007年) 所収。
1971 ベルナール・フランクフランス語版 Un siècle débordé
1972 アラン・シェダンヌフランス語版 Shit, Man !
1973 ミシェル・デル・カスティーヨフランス語版 Le Vent de la nuit
1974 アンドレ・アルデレフランス語版 Les Chasseurs deux
1975 ジュヌヴィエーヴ・ドルマンフランス語版 Le Bateau du courrier
1976 フランソワ・クープリフランス語版 Mille pattes sans tête
1977 イネス・カニャティフランス語版 Génie la folle
1978 セバスチアン・ジャプリゾ L'Été meurtrier 殺意の夏望月芳郎訳、東京創元社、1980年。
1979 カトリーヌ・リオワフランス語版 Le Bal des débutantes
1980 ロジェ・ガロディ Appel aux vivants
1981 レイモン・アベリオフランス語版 Sol invictus
1982 フランソワ・ヴェイエルガンス Macaire le Copte
1983 ミシェル・アースフランス語版 La Dernière Mise à mort
1984 ジャン・ヴォートラン Patchwork
1985 アルチュール・シランフランス語版 Mémoires minuscules
1986 エリック・デショフランス語版 Eugénie les larmes aux yeux
ミシェル・ブレイトマンフランス語版 Le Témoin de poussière
1987 ジル・ラプージュフランス語版 La Bataille de Wagram
1988 アンリ・アンジェフランス語版 La Mille-et-Unième Rue 『ワグラムの戦い』鷲見洋一訳、新潮社、1989年。
1989 マルク・ランブロンフランス語版 L'Impromptu de Madrid
1990 オリヴィエ・フレブールフランス語版 Roger Nimier. Trafiquant d'insolence
1991 ジャン=ジャック・ポーヴェールフランス語版 Sade vivant 『サド侯爵の生涯』(全3巻) 長谷泰訳、河出書房新社、1998-2012年。
1992 ブリューノ・ラシーヌフランス語版 Au péril de la mer
1993 クリスティアン・ボバンフランス語版 Le Très-Bas 『いと低きもの ― 小説・聖フランチェスコの生涯』中条省平訳、平凡社、1995年。
1994 クリストフ・バタイユフランス語版 Annam 『安南 ― 愛の王国』辻邦生訳、集英社、1995年。
1995 ピエール・シャラスフランス語版 Monsieur Henri
1996 エリック・ヌオフフランス語版 Barbe à papa
1997 エヴ・ド・カストロフランス語版 Nous serons comme des dieux
1998 ダニエル・ロンドーフランス語版 Alexandrie 『アレクサンドリア』中条省平、中条志穂共訳、Bunkamura、1999年。
エリック・ファーユ Je suis le gardien du phare 『わたしは灯台守』松田浩則訳、水声社、2014年。
1999 マルク・デュガン La Chambre des officiers
2000 フィリップ・エルマンフランス語版 La Vraie Joie
2001 フランソワ・ビゾフランス語版 Le Portail 『カンボジア 運命の門 ―「虐殺と惨劇」からの生還』中原毅志訳、講談社、2002年。
2002 ジャン=リュック・コータレムフランス語版 Je suis dans les mers du Sud
2003 ミシュカ・アサイヤスフランス語版 Exhibition
2004 アドリアン・ゲッツフランス語版 La Dormeuse de Naples
2005 ジェラール・オベルレフランス語版 Retour à Zornhof
2006 ジャン=クロード・ピロットフランス語版 Une adolescence en Gueldre
2007 ステファヌ・オードギーフランス語版 Fils unique
2008 ドミニク・バルベリスフランス語版 Quelque chose à cacher
2009 ブリューノ・ド・セソルフランス語版 L'Heure de la fermeture dans les jardins d'Occident
2010 ベルナール・シャピュイフランス語版 Le Rêve entouré d'eau
2011 アントニー・パルーフランス語版 Fruits et Légumes
2012 ミシェル・クレピュフランス語版 Le Souvenir du monde
2013 ポーリーヌ・ドレフュスフランス語版 Immortel, enfin
2014 エチエンヌ・ド・モントティフランス語版 La Route du salut
2015 セルジュ・ジョンクール L'Écrivain national
2016 ピエール・アドリアンフランス語版 La Piste Pasolini
2017 ケテヴァーヌ・ダヴリシュヴィフランス語版 L'Autre Joseph
2018 ジュリー・ウォルケンシュテインフランス語版 Les Vacances
2019 エマニュエル・ド・ヴァレスケルフランス語版 Le Temps de s'en apercevoir
2020 ジェローム・ガルサンフランス語版 Le Dernier Hiver du Cid

脚注

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  1. ^ Les Deux Magots - 6 Place Saint-Germain-des-Prés” (フランス語). www.lesdeuxmagots.fr. 2019年3月21日閲覧。
  2. ^ Anne Béric Le Goff (2009年1月3日). “Le Prix des Deux Magots” (フランス語). Paris-Bistro. 2020年1月11日閲覧。
  3. ^ Jean-Paul Caracalla (2017-05-04) (フランス語). Saint-Germain-des-Prés. Éditions de la Table Ronde 
  4. ^ Le Prix des Deux Magots” (フランス語). Paris-Bistro (2009年1月3日). 2019年3月21日閲覧。
  5. ^ France - Le prix des Deux-Magots à Adrien Goetz - Art Aujourd'hui” (フランス語). www.artaujourdhui.info. 2019年3月21日閲覧。
  6. ^ Bunkamuraドゥマゴ文学賞”. Bunkamura. 2019年3月21日閲覧。

参考資料

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  • Jean-Paul Caracalla, Saint-Germain-des-Prés, Éditions de la Table Ronde, 2017.
  • Anne Béric Le Goff, Le Prix des Deux Magots, 3 janvier 2009.

外部リンク

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