トルーソー徴候
| トルーソー徴候 | |
|---|---|
| 別称 | Trousseau sign of latent tetany |
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| トルーソー徴候を呈した手。手首と中手指節関節（MCP関節）が屈曲し、遠位指節間関節（DIP関節）と近位指節間関節（PIP関節）が伸展している | |
| 概要 | |
| 鑑別 | low calcium |
| 分類および外部参照情報 | |
| DiseasesDB | 33951 |
トルーソー徴候（トルーソーちょうこう、英: Trousseau sign of latent tetany[注釈 1]）は、低カルシウム血症の患者で見られる特徴的肢位のことである[3][4]。しかしながら、正常人の1〜4%でもトルーソー徴候陽性となるという[5]。この徴候は低カルシウム血症で反射亢進やテタニーなどの症状が出る前に陽性になることが多く、低カルシウム血症の感度は94%と、クボステック徴候（29%）に比べてはるかに高いことが広く知られている[6][7]。過換気症候群・呼吸性アルカローシス、低マグネシウム血症でも起こることがある[1][5]。
トルーソー徴候は、血圧計のマンシェットを上腕に巻き、収縮期血圧より高い圧を3分間以上かけることで出現する[2]。この手技により上腕動脈が圧迫され、血流が途絶する。低カルシウム血症の患者では、これに続く神経筋刺激反応性により、手と前腕の筋攣縮が起こる。手首と中手指節関節（MCP関節）が屈曲し、遠位指節間関節（DIP関節）と近位指節間関節（PIP関節）が伸展するほか、手指は内転する。この徴候は「助産師の手」[1]ないし「産科医の手」（フランス語: main d'accoucheur）[8]と呼ばれることもある。
1861年にこの現象を初報告したフランスの内科医アルマン・トルーソーにエポニムが与えられている[9][10]。同じくトルーソーにエポニムが与えられているが、悪性腫瘍に伴う血液凝固異常を指すトルーソー症候群とは別物である。
関連項目
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “過換気症候群”. 日本呼吸器学会 (2017年2月3日). 2019年12月31日閲覧。
- ^ a b 松本俊夫 (2017年7月19日). “低カルシウム血症”. 日本医事新報社. 2019年12月31日閲覧。
- ^ Kumar, Abbas, Fausto. Pathologic Basis of Disease, 7th edition. Philadelphia: Elsevier-Saunders, 2005. 1188.
- ^ 平田, 結喜緒「2.低カルシウム血症」『日本内科学会雑誌』第88巻第7号、1999年、1189-1194頁、doi:10.2169/naika.88.1189、ISSN 1883-2083、2019年12月31日閲覧。
- ^ a b Dennis, Mark; Bowen, William Talbot; Cho, Lucy (2012). “Trousseau's sign”. Mechanisms of Clinical Signs. Elsevier. p. 555. ISBN 978-0729540759; pbk
- ^ Fonseca, OA; Calverley, JR (August 1967). “Neurological manifestations of hypoparathyroidism.”. Archives of Internal Medicine 120 (2): 202–6. doi:10.1001/archinte.1967.00300020074009. PMID 4952674.
- ^ Schaat M, Payne CA. Effect of diphenylhydantoin and phenobarbital on latent tetany
- ^ “過換気症候群”. 産科医の手 (2017年7月11日). 2019年12月31日閲覧。
- ^ Trousseau a. Clinique médicale de l'Hôtel-Dieu de Paris. Paris, 1861. Volume 2: 112-114.
- ^ Dubhashi, Siddharth Pramod; Choudhary, Siddharth (2016). “Armand Trousseau”. MEDICAL HISTORY 4 (1): 149-150. doi:10.4103/2321-4848.183354 2019年12月31日閲覧。.